韓国人から見た日本人の性格

  1. 韓国歴史・文化

韓国人と仲良くなる秘訣は「本音」?日本人の性格、韓国語の壁、誤解しない付き合い方

日本と韓国は地理的に近く、文化的な共通点も多い一方で、人々の性格やコミュニケーションスタイルには興味深い違いが見られます。特に、韓国人と交流する中で、日本人が当たり前だと思っていることが通用せず、戸惑ったり、時には誤解が生じたりすることもあるでしょう。今回は、韓国人の視点から見た日本人の性格、特に「本音と建前」の文化に焦点を当て、韓国語の特性やコミュニケーション上の注意点、そしてより良い関係を築くためのヒントを探っていきます。

韓国人が戸惑う?日本人の「本音と建前」文化

韓国人の友人や知人がいる方なら、彼らが日本人の「本音と建前」について語るのを聞いたことがあるかもしれません。多くの韓国人にとって、これは日本人の最も特徴的で、時に理解しがたい性格の一つとして映るようです。

「裏表がある?」韓国人の目に映る日本人像

韓国のブログやコミュニティサイトを覗いてみると、「日本人は本音を言わない」「何を考えているかわかりにくい」といった意見がよく見られます。これは、直接的な表現を好み、「本音勝負」が基本とされる韓国の文化から見ると、心の中で思っていること(本音)と、実際に口に出す言葉や態度(建前)が異なる日本人のコミュニケーションスタイルが、「裏表がある」ように感じられたり、距離を感じさせたりすることがあるためです。

もちろん、すべての韓国人がそう感じているわけではありませんし、日本文化への理解が深い人もいますが、一般的に「本音と建前」は、韓国人にとって馴染みが薄く、戸惑いを感じやすい文化と言えるでしょう。

日本人が「本音と建前」を使う理由とは?

では、なぜ日本人は「本音と建前」を使い分けるのでしょうか?これには諸説ありますが、一般的には以下のような理由が挙げられます。

  • 和を重んじる文化:相手の気分を害したり、場の雰囲気を壊したりすることを避けるため、直接的な批判や否定的な意見を避け、遠回しな表現や肯定的な言葉を選ぶ。
  • 相手への配慮・思いやり:相手に恥をかかせない、負担をかけないといった気遣いから、本音を抑えて建前で応対する。
  • 自己防衛:本音を明かすことで自分が傷ついたり、不利な立場になったりすることを避けるため。
  • 社会的な期待:その場にふさわしいとされる態度や言動(建前)を取ることが、社会的に求められる場面がある。

これらの背景には、集団の調和を重視し、波風を立てることを嫌う日本の伝統的な価値観が影響していると考えられます。日本人にとっては、ある意味「処世術」であり、円滑な人間関係を築くための知恵とも言えるかもしれません。

カフェで話す日本人女性と韓国人女性、コミュニケーションのギャップ

本音と建前を使い分ける日本人と、ストレートな表現を好む韓国人。コミュニケーションには違いがある。

韓国文化における「本音勝負」の価値観

一方、韓国では、自分の意見や感情を比較的ストレートに表現することが良しとされる傾向があります。もちろん、目上の人に対する敬意や礼儀は非常に重視されますが、親しい間柄や同等の立場の人との間では、回りくどい言い方をせず、はっきりと自分の考えを伝えることが、むしろ誠実さの表れと受け取られることが多いです。

韓国ドラマなどを見ていても、登場人物たちが感情豊かに、時には激しく意見をぶつけ合うシーンがよく見られますね。これは、感情を内に溜め込まず、はっきりと表現することを良しとする文化の一端を示していると言えるでしょう。「本音でぶつかり合う」ことで、かえって信頼関係が深まると考えられている側面もあります。

「以心伝心」は通用しない?国際交流での注意点

「言わなくてもわかるだろう」「空気を読んでほしい」といった、いわゆる「以心伝心」のコミュニケーションは、同質性の高い日本社会の中ではある程度機能するかもしれませんが、文化背景の異なる韓国人や他の外国人との間では通用しないと考えた方が良いでしょう。

良かれと思って使った建前が、相手にとっては「嘘をつかれた」「はっきりしない」と受け取られ、不信感につながってしまう可能性もあります。特に、ビジネスの場面や重要な約束事などにおいては、誤解を避けるためにも、できるだけ明確で具体的な言葉で伝えることが重要です。相手の文化を理解し、自分のコミュニケーションスタイルを意識的に調整する姿勢が求められます。

言葉の壁が誤解を生む?韓国語コミュニケーションの注意点

韓国人とコミュニケーションをとる上で、「本音と建前」文化の違いに加え、言語そのものの特性も誤解を生む要因となることがあります。特に韓国語は、日本語と文法構造が似ている部分が多いものの、表現方法やニュアンスには注意が必要です。

曖昧さを嫌う韓国語:「行かせてもらう」は不自然?

日本語には、相手への配慮やへりくだった気持ちを表すための婉曲表現や謙譲表現が豊富にあります。例えば、「昨日、姉の家に行かせてもらいました」のような言い方は、日本語としてはごく自然ですね。しかし、これをそのまま韓国語に直訳しようとすると、非常に不自然で、場合によっては間違った韓国語になってしまいます。

例:어제 저는 누나(언니) 집에 가게 받았습니다. (直訳的で不自然)

このような場合、韓国語ではもっと直接的に「어제 저는 누나(언니) 집에 갔습니다.」(昨日、私は姉の家に行きました。)と表現するのが自然です。韓国語では、日本語ほど複雑な謙譲表現は用いられず、事実を客観的かつ明確に伝えることを好む傾向があります。

主語は必須!誰が何をしたか明確に

日本語では、文脈から明らかな場合、主語を省略することがよくあります。しかし、韓国語では、基本的に主語を明確にしないと文意が通じにくくなります。「誰が」その行動をしたのかをはっきりさせることが重要視される言語なのです。

この言語特性も、韓国人が曖昧な表現を好まず、直接的なコミュニケーションを重視する背景の一つと言えるかもしれません。「言わなくてもわかるだろう」という感覚は、韓国語のコミュニケーションでは通用しにくいのです。

失敗談から学ぶ:「後で」のニュアンスの違い(이따가 vs 나중에)

単語の意味は同じでも、ニュアンスが異なるために誤解が生じることもあります。筆者の失敗談として紹介されている「이따가」(イッタガ)と「나중에」(ナジュンエ)の使い分けが良い例です。

  • 이따가 (イッタガ): 「後で」の中でも、比較的すぐ後、今日中など、近い未来を指すニュアンスが強い。
  • 나중에 (ナジュンエ): 「後で」の中でも、漠然と未来のいつか、今日とは限らない、より時間的に幅のある「後で」を指すニュアンスが強い。

この記事の筆者は、「나중에」と言われたのを、日本語の「後で(今日中に)」と同じ感覚で捉えてしまい、その日ずっと待ち続けてしまった経験があるそうです。このように、辞書的な意味は同じでも、実際の使われ方やニュアンスの違いを知らないと、コミュニケーションに齟齬が生じてしまいます。

似ているようで違う単語、勘違いしやすい表現例

「이따가」と「나중에」以外にも、日韓で意味やニュアンスが異なる、あるいは勘違いしやすい単語や表現はたくさんあります。

  • 괜찮아요 (ケンチャナヨ): 日本語の「大丈夫です」に相当しますが、肯定(Yes)の意味でも否定(No,結構です)の意味でも使われるため、文脈やイントネーション、表情から判断する必要があります。
  • 약속 (ヤクソク): 日本語の「約束」と同じ意味ですが、ビジネス上のアポイントメントだけでなく、友人との会う約束など、より広い意味で使われます。
  • 공부 (コンブ): 日本語の「勉強」ですが、学生の勉強だけでなく、大人が仕事や趣味に関して学ぶこと全般を指すこともあります。
  • 애인 (エイン): 「愛人」と書きますが、日本語の不倫相手のようなネガティブな意味ではなく、単に「恋人」を意味します。

これらの違いを知らずに日本語の感覚で使ってしまうと、意図しない意味で伝わってしまう可能性があります。韓国語を学ぶ際は、単語の意味だけでなく、使われる状況やニュアンスにも注意を払うことが大切です。

【韓国語での会話例:本音の表現】

: 언니 ! 왜 내 옷을 입었어?
お姉ちゃん!なんで私の服を着たの?

: 예뻐서…입어봤는데 왜?
可愛くて着てみたんだけど、なんで?

: 그 옷은 남자친구가 선물로 준 옷이야. 두 번 다시 입지마!
その服は彼氏がプレゼントしてくれたんだよ!二度と着ないで!!!

(※姉妹間など親しい関係では、このように非常にストレートな物言いになることもあります。)

韓国人とより深く付き合うためのヒント

文化や言葉の違いを理解した上で、韓国人の友人やパートナーとより良い関係を築くためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

「パンマル」は慎重に!尊敬語が基本

韓国では、年齢や社会的地位に基づいた上下関係を重んじる文化があり、言葉遣いにもそれが反映されます。初対面の人や年上の人に対しては、基本的に「존댓말」(チョンデンマル:尊敬語、丁寧語)を使うのが礼儀です。

親しくなると、「반말」(パンマル:タメ口)を使うこともありますが、相手から「パンマルで話してもいいよ」と言われるか、あるいは関係性が十分に深まってから、相手の様子を見ながら慎重に切り替えるのが一般的です。外国人だからといって、いきなりパンマルを使うと、失礼だと受け取られたり、関係性がこじれたりする可能性があるので注意が必要です。

筆者も、仲良くなった友人にも基本的には尊敬語を使い、相手から許可を得て時々パンマルを使うようにしているそうです。関係性に応じて適切な言葉遣いを心がけることが、信頼関係の構築につながります。

ネット用語や新造語のリスク

韓国語を勉強していると、若者が使うネット用語や「신조어」(シンジョオ:新造語)に触れる機会もあるでしょう。これらを使えると、よりネイティブに近い会話ができるように感じるかもしれませんが、意味やニュアンスを正確に理解しないまま使うのは避けた方が無難です。

間違った使い方をしてしまったり、TPOに合わない場面で使ってしまったりすると、相手に不快感を与えたり、誤解を招いたりする可能性があります。特に、フォーマルな場面やビジネスシーンでは使用を避け、まずは正確な標準語を身につけることを優先しましょう。

韓国料理を囲んで楽しそうに交流する日本人と韓国人のグループ

文化や言葉の違いを理解し尊重し合えば、食卓を囲むように楽しい交流ができる。

大切なのは「相手を理解しようとする心」

言葉のニュアンスの違いや文化的な背景をすべて完璧に理解するのは難しいかもしれません。しかし、最も大切なのは、「相手の文化や考え方を尊重し、理解しようと努める姿勢」です。分からないことがあれば素直に質問したり、自分の意図が正しく伝わっているか確認したりすることも有効です。

「日本人だから」「韓国人だから」とステレオタイプで判断するのではなく、一人ひとりの個人として向き合い、誠実なコミュニケーションを心がけることが、国籍を超えた良好な関係を築くための鍵となります。

共通の趣味や関心事を見つける

文化や言葉の違いを乗り越える潤滑油となるのが、共通の趣味や関心事です。K-POP、韓国ドラマ、映画、ファッション、美容、歴史、スポーツなど、どんなことでも構いません。共通の話題があれば会話も弾みやすく、自然とお互いへの理解も深まります。相手の好きなことに関心を示し、一緒に楽しむ時間を作ることで、距離はぐっと縮まるでしょう。

食文化を通じた交流のススメ

「食」は、文化理解の入り口として非常に有効なツールです。一緒に韓国料理を食べに行ったり、あるいは日本の料理を紹介したりする中で、食習慣の違いや味覚の好みなど、様々な発見があるはずです。美味しいものを共有する時間は、自然と心を開かせ、打ち解けた雰囲気を作り出してくれます。食事のマナーなど、互いの文化を教え合うのも良いコミュニケーションになるでしょう。

【韓国語での会話例:関心事を共有する】

: 저는 역사에 대해서 관심이 있어요.
私は歴史に関心があります。

: 그래요? 저도 관심이 있어요.
そうなんですか?私も関心があります。

: 그럼 나중에 역사박물관에 같이 가죠.
では、いつか歴史博物館に一緒に行きましょう。

: 네 그러죠.
ええ、そうしましょう。

まとめ:文化と言葉の違いを乗り越えて良好な関係を築くために

韓国人から見た日本人の「本音と建前」文化への戸惑いや、韓国語の直接的な表現、そしてコミュニケーションにおける注意点について見てきました。日本と韓国は近い国でありながら、人々の考え方やコミュニケーションスタイルには明確な違いが存在します。

韓国人と良好な関係を築くためには、まずこれらの違いを認識し、理解しようと努めることが大切です。「本音と建前」を使い分ける日本の文化が、韓国では必ずしもポジティブに受け取られない可能性を念頭に置き、できるだけ誠実に、そして明確な言葉でコミュニケーションをとることを心がけましょう。

また、言葉のニュアンスの違いや、尊敬語・パンマルの使い分けなど、韓国語特有の注意点にも配慮が必要です。完璧を目指す必要はありませんが、相手の文化を尊重し、誤解を恐れずに積極的にコミュニケーションをとる姿勢があれば、文化や言葉の壁を乗り越え、きっと豊かな関係を築くことができるはずです。勉強と捉えるのではなく、「相手を知るプロセス」として楽しむことが、成功の秘訣かもしれませんね。

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ソヨン (서연) この記事を書いた人

講師歴20年超、ソウル出身のネイティブスピーカー。延世大学卒業後、明治大学で学ぶ。大阪朱友外語学院、アイザック外国語学校、龍谷大学外国語文化センター等での豊富な講師経験に加え、同時通訳経験も有する。
ネイティブならではの綺麗な標準語の発音指導。初級からビジネス、通訳レベルまで、学習者のレベルと目標に合わせた体系的かつ実践的なレッスン構築。
長年の指導経験に基づき、多くの学習者を目標達成(試験合格、流暢な会話力習得など)に導く。「使える」韓国語を確実に習得させる指導力に定評があり、教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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