「韓国ドラマに出てくるような、美味しい家庭料理を自分でも作ってみたい」
「でも、韓国語のレシピや料理名を見ると、どんな料理なのか想像がつかなくて戸惑ってしまう」
そんな悩みを感じたことはありませんか?

韓国の家庭料理には、特別な道具がなくても作れる日常的なおかずが数多くあります。コチュジャンや粉唐辛子を使う料理だけでなく、野菜をごま油で和えたナムル、魚をしょうゆ味で煮るチョリム、豆腐を香ばしく焼くジョンなど、味も調理法も実に多彩です。実は、料理名に使われる韓国語の仕組みがわかると、レシピを見るだけで調理法や完成図を鮮明に想像できるようになります。

たとえば「무침(ムチム)」なら和え物、「조림(チョリム)」なら煮付け、「찌개(チゲ)」なら汁の少ない煮込み料理というように、言葉のルールを知るだけで韓国の食文化への理解が深まります。言葉と料理を一緒に学ぶことで、単なる暗記ではなく、五感を使った楽しい語学学習が可能になります。本格的に言葉を学びたい方は、韓国語教室でネイティブの先生から直接教わるのも上達への近道です。

本記事では、韓国の家庭で親しまれている料理を、料理名の意味や言葉の成り立ち、発音、自然な韓国語表現とともに詳しくお伝えしていきます。日本のスーパーでそろえやすい材料への置き換え方や、辛さを調整する方法も合わせてお届けします。読み終える頃には、夕飯の献立が決まるだけでなく、韓国の市場や食堂で自信を持って注文できる語学力が身についているはずです。

キッチンで韓国語のレシピ本を見ながら料理をする学習者の姿
レシピを通じて言葉を学ぶと、記憶に定着しやすくなります
目次 [ close ]
  1. 韓国家庭料理を深く理解するための基本用語
    1. 무침(ムチム)とは無限のバリエーションを持つ和え物
    2. 조림(チョリム)とはご飯が進む煮付け
    3. 찌개(チゲ)は鍋そのものではなく煮込み料理
    4. 전(ジョン)とチヂミの違い
    5. 나물(ナムル)は野菜名と料理名の両方に使う
  2. 味の土台になる양념(ヤンニョム)
    1. 基本の甘辛ヤンニョム比率
    2. コチュジャンとコチュカルの役割の違い
  3. ピリ辛味を楽しむ本格レシピと会話表現
    1. ゆでイカのムチム(오징어무침)
    2. カレイと大根のチョリム(가자미조림)
    3. 湯豆腐のピリ辛ねぎムチム添え
    4. キムチ餃子(김치만두)
  4. 豆腐(두부)が主役のヘルシー家庭料理
    1. 豆腐のピリ辛チョリム(두부조림)
    2. 豆腐と黒ごまのジョン
  5. 体を芯から温めるチゲ料理のレシピ集
    1. マクテンジャンチゲ(막된장찌개)
    2. 海鮮チゲ(해물찌개)
  6. 外はカリッと、中はモチモチの絶品ジョン
    1. セリのジョン(미나리전)
    2. ねぎキムチのジョン(파김치전)
  7. 韓国の定番おやつに関する言葉と作り方
    1. 호떡(ホットック)
    2. 팥빙수(パッピンス)
  8. 一度の仕込みで献立を組み立てる韓国式段取り
  9. 韓国料理と言葉に関するQ&A
    1. Q. コチュジャンとテンジャンの違いは何ですか?
    2. Q. 「炒め物」や「焼き物」は韓国語で何と言いますか?
    3. Q. 辛いのが苦手な家族がいます。どう調整すればいいですか?
    4. Q. ナムルは日持ちしますか?
    5. Q. 料理用語を覚えると、日常会話にも役立ちますか?

韓国家庭料理を深く理解するための基本用語

この章の要点
  • 韓国料理の名前は「食材名+調理法」の組み合わせでできている
  • 調理法を表す韓国語を知れば、料理の姿を推測できる
  • ムチム、チョリム、チゲなど、代表的な調理法の動詞と名詞の形を覚える

韓国料理の名前は、多くの場合「食材名+調理法」で作られるという明確な法則を持っています。言葉の仕組みを覚えると、初めて見るメニューでも料理の姿を推測しやすくなるのが大きな利点です。法則を知ることは、膨大な単語を丸暗記する苦労から解放されることを意味します。

たとえば、「오징어(オジンオ/イカ)」という食材名を知っていれば、その後に続く調理法の単語によって、「イカの炒め物」なのか「イカの和え物」なのかを即座に判断できます。ここでは、日常的によく使われる5つの基本調理法と、それにまつわる語学的な表現を掘り下げていきましょう。

무침(ムチム)とは無限のバリエーションを持つ和え物

「무침(ムチム)」は、野菜、魚介、海藻などを調味料で和えた料理を指します。動詞の「무치다(ムチダ/和える)」から作られた名詞であり、韓国の食卓では小鉢に入った副菜(パンチャン)として頻繁に登場します。日本の「和え物」に相当しますが、味付けの幅が非常に広いのが特徴です。

食材名を前につければ、すぐに料理名が完成します。オジンオ(イカ)なら「오징어무침(オジンオムチム)」、パ(ねぎ)なら「파무침(パムチム)」、オイ(きゅうり)なら「오이무침(オイムチム)」となります。コルベンイ(つぶ貝)を使った「골뱅이무침(コルベンイムチム)」はお酒のおつまみとして絶大な人気を誇ります。

フレーズ
오징어를 양념에 무쳐요.
日本語訳
イカを合わせ調味料で和えます。
使う場面
料理の手順を説明する時や、レシピを読み上げる時に使います。
注意点・誤用例
「混ぜる」という意味の「섞다(ソクタ)」とは異なります。「섞다」は液体同士を混ぜ合わせたり、異なる種類のものをかき混ぜる動作ですが、「무치다」は食材に調味料を絡ませる、手で揉み込むような動作を指します。
発音・ニュアンス
オジンオルル ヤンニョメ ムチョヨ。「무쳐요」は「ムチダ」の丁寧形(ヘヨ体)です。リズミカルに発音すると自然に聞こえます。

ムチムは辛い料理だけを指す言葉ではありません。塩、ごま油、にんにくで和えた辛くない料理もムチムに含まれます。やさしく手で和える動作には「살살(サルサル/そっと、軽く)」という擬態語がよく合います。「채소를 살살 무쳐 주세요(野菜をやさしく和えてください)」のように使ってみましょう。

それでは、食材にじっくりと味を含ませる料理については、どのような韓国語を使うのでしょうか。

조림(チョリム)とはご飯が進む煮付け

「조림(チョリム)」は、少なめの煮汁で食材に味をしっかりと含ませる料理です。動詞は「조리다(チョリダ/煮詰める、煮付ける)」で、会話で使う丁寧形は「조려요(チョリョヨ)」になります。日本の煮物と似ていますが、韓国のチョリムでは、にんにく、ねぎ、粉唐辛子、ごま油などを加えることが多く、ご飯に合うはっきりした味に仕上がるのが特徴です。

代表的なメニューには、豆腐を使った「두부조림(トゥブジョリム)」、魚を使った「생선조림(センソンジョリム)」、じゃがいもを使った「감자조림(カムジャジョリム)」、サバを使った「고등어조림(コドゥンオジョリム)」などがあります。

フレーズ
국물이 조금 남을 때까지 조리세요.
日本語訳
煮汁が少し残る程度まで煮詰めてください。
使う場面
料理番組やレシピ動画で、火を止めるタイミングを指示する場面。
注意点・誤用例
「조리세요(チョリセヨ)」は相手に行動を促す尊敬の命令形です。友人に話すときは「조려(チョリョ)」と砕けた表現(パンマル)にします。
発音・ニュアンス
クンムリ チョグム ナムル テッカジ チョリセヨ。국물(クンムル/汁)はリエゾン(連音化)して発音される点に注意しましょう。

チョリムは、食材の水分を飛ばしながら味を凝縮させる調理法です。「두부를 양념장에 조려요(豆腐を合わせ調味料で煮付けます)」といった表現を覚えれば、レシピ本を読むのがぐっと楽になります。次に、韓国の食卓に欠かせない、グツグツと煮立つあの料理を見てみましょう。

찌개(チゲ)は鍋そのものではなく煮込み料理

「찌개(チゲ)」は、肉、魚介、豆腐、野菜などを濃いめの汁で煮込んだ料理です。日本では「チゲ=鍋」と訳されることがあり、「チゲ鍋」という表現も定着していますが、実はこれは「鍋鍋」と言っているような重複表現になってしまいます。韓国語で調理器具としての「鍋」は「냄비(ネンビ)」や「뚝배기(トゥッペギ/土鍋)」と呼びます。チゲは鍋そのものではなく、鍋で作る煮込み料理の名称です。

代表格はもちろん「김치찌개(キムチチゲ)」です。他にも、韓国みそを使った「된장찌개(テンジャンチゲ)」、やわらかいおぼろ豆腐を使った「순두부찌개(スンドゥブチゲ)」、海鮮のうま味が詰まった「해물찌개(ヘムルチゲ)」があります。

注意点

スープ料理には「찌개(チゲ)」「국(クク)」「탕(タン)」の3種類があります。「국」は日常的な汁物(わかめスープなど)、「탕」は具や汁をたっぷり長時間煮込んで味わうスープ(サムゲタンなど)、「찌개」は具材に対して汁が少なく、比較的濃い味の煮込み料理という傾向があります。汁の量だけで明確に分けられない場合もありますが、この違いを知っておくと食堂でのメニュー選びに役立ちます。

チゲを作る、あるいは煮る動作には「끓이다(ックリダ/沸かす、煮る)」という動詞を使います。「된장찌개를 끓여요(テンジャンチゲを作ります/煮ます)」や「찌개가 끓기 시작했어요(チゲが煮立ち始めました)」のように表現します。

전(ジョン)とチヂミの違い

日本では平たく焼いた韓国料理を広く「チヂミ」と呼びますが、韓国の標準語では「전(ジョン)」や「부침개(プチムゲ)」という呼び方が一般的です。「チヂミ」は慶尚道などの地域的な方言(訛り)に由来するとされ、それが日本で広く定着したと言われています。

「전(ジョン)」は、食材に小麦粉や溶き卵をつけて焼いた料理の総称です。薄切りの野菜、肉、魚、豆腐などを一枚ずつ丁寧に焼くもの(法事やお正月などに作られます)もあれば、具と生地をまとめて大きく焼くものもあります。

フレーズ
기름을 넉넉히 두르고 부치세요.
日本語訳
油をやや多めにひいて焼いてください。
使う場面
ジョンをカリッと香ばしく焼き上げるコツを伝える場面。
注意点・誤用例
ジョンを焼くときは「부치다(プチダ)」を使います。「굽다(クプタ/肉や魚を焼く)」とは区別されます。また、「붙이다(プチダ/貼りつける)」と発音が同じですが、料理を焼く場合は「부치다」と綴ります。
発音・ニュアンス
キルムル ノンノキ トゥルゴ プチセヨ。「넉넉히(たっぷりと、余裕をもって)」は料理表現でよく登場します。

「파전(パジョン/ねぎのジョン)」「김치전(キムチジョン)」「해물파전(ヘムルパジョン/海鮮とねぎのジョン)」など、食材のバリエーションは無限です。雨の日にマッコリと一緒にジョンを食べるのが、韓国の風物詩となっています。

나물(ナムル)は野菜名と料理名の両方に使う

「나물(ナムル)」は、食用になる野草や葉野菜を指す言葉であり、同時にそれらをゆでたり炒めたりして調味した料理の名称でもあります。日本では「ごま油と塩で和えた野菜料理」という印象が強いかもしれませんが、韓国では味付けや調理法の幅が広く、必ずしもごま油を使うとは限りません。

大豆もやしは「콩나물(コンナムル)」、ほうれん草のナムルは「시금치나물(シグムチナムル)」、ぜんまいのナムルは「고사리나물(コサリナムル)」と呼びます。これらはビビンバの具材としても欠かせません。食卓に並ぶ複数の小さなおかずは「반찬(パンチャン)」と呼ばれますが、ナムルはパンチャンを代表する料理のひとつです。

味の土台になる양념(ヤンニョム)

この章の要点
  • ヤンニョムは辛い味だけでなく、味の土台となる「合わせ調味料」全般を指す
  • コチュジャン(辛味・甘味・うま味)とコチュカル(辛味・色付け)の役割の違いを理解する
  • 基本の比率を覚えれば、アレンジが自由自在になる

韓国料理のレシピを見ていると必ず登場するのが「양념(ヤンニョム)」という言葉です。日本では「ヤンニョムチキン」の影響で、甘辛くドロッとした赤いソースのことだと思われがちですが、本来は特定の味を指す言葉ではありません。ヤンニョムとは、料理に味や香りを加える調味料そのもの、または複数の調味料を合わせたもの(合わせ調味料)を意味します。

しょうゆ、塩、砂糖、酢、にんにく、ねぎ、ごま油、ごま、コチュジャン、粉唐辛子などを、料理に応じて組み合わせます。では、具体的にどのような比率で合わせれば、韓国の家庭の味になるのでしょうか。

基本の甘辛ヤンニョム比率

まずは、どんな料理にも使いやすい基本のヤンニョムの分量をごお伝えします。これをベースに、酸味や辛味を調整してください。

  • コチュジャン:大さじ1
  • しょうゆ:大さじ1
  • 酢:大さじ1
  • 砂糖:小さじ1
  • 粉唐辛子(コチュカル):小さじ1~大さじ1(好みで)
  • おろしにんにく:小さじ1
  • ごま油:小さじ1
  • いりごま:小さじ1
  • 刻みねぎ:大さじ1

魚介や野菜のムチム(和え物)にはこのまま酢を効かせてさっぱりと。チョリム(煮付け)にする場合は、水やだし汁を加えて味を伸ばします。ジョンのつけだれにする場合は、コチュジャンを減らしてしょうゆと酢を中心にすると、生地の風味を邪魔しません。

コチュジャンとコチュカルの役割の違い

レシピを再現する上で絶対につまずいてはいけないのが、「고추장(コチュジャン)」と「고춧가루(コチュカル)」の違いです。

コチュジャンは、唐辛子にもち米や麹などを混ぜて熟成させた「発酵調味料(ペースト状)」です。辛味だけでなく、甘味、塩味、発酵由来の強いうま味があります。一方、コチュカルは「粉唐辛子(パウダー状)」です。料理に純粋な辛味と鮮やかな赤い色を加えるのが目的です。

注意点

辛さを控えたいからといって、レシピにあるコチュジャンを極端に減らすと、甘みやうま味まで消えてしまい、料理の味がぼやけてしまいます。辛さを抑えたい場合は、コチュカル(粉唐辛子)の量を減らし、しょうゆ、酢、ごま油、すりごまで風味を補うのが正解です。また、市販のコチュジャンはメーカーによって塩分と甘味の差が激しいため、最初から大量に入れず、味を見ながら足すと失敗を防げます。

韓国の伝統市場で現地の女性と学習者が唐辛子やニンニクなどの食材を楽しそうに選んでいる様子
市場で直接食材の選び方を教わるのも貴重な経験です

ピリ辛味を楽しむ本格レシピと会話表現

この章の要点
  • イカのムチム、カレイのチョリムなど、ご飯が進むおかずの作り方
  • 加熱時間や水分量の調整など、美味しく作るための隠れたコツ
  • キムチを使ったスープや餃子(マンドゥ)の本格アレンジ

基本の言葉と調味料の役割がわかったところで、実践編に移りましょう。ここでは、日本のご家庭でも作りやすく、かつ本格的な味わいを楽しめるレシピを厳選してごお伝えします。作り方と一緒に、よく使う韓国語のフレーズもチェックしてみてください。

ゆでイカのムチム(오징어무침)

甘酸っぱさと辛味が絶妙なバランスで、食欲が落ちている日にも食べやすい和え物です。「오징어무침(オジンオムチム)」は、直訳すると「イカの和え物」になります。

  • 材料:イカ 2杯、きゅうり 1本、コチュジャン 大さじ1、コチュカル 大さじ1、しょうゆ 大さじ1、酢 大さじ1、砂糖 小さじ1、ごま 小さじ1、おろしにんにく 小さじ1、ねぎのみじん切り 大さじ1

作り方のコツ: イカは内臓を取り除いてゆでますが、長く加熱しすぎるとかたくなってしまいます。身が白くなって火が通ったらすぐに取り出し、粗熱を取って輪切りにします。きゅうりは斜め薄切りに。ここで重要なのは、和える前にイカときゅうりの水分をしっかりと拭き取ることです。水気が残っていると、ヤンニョムの味が薄まってしまいます。

会話例(食堂にて)
学習者: 반찬으로 오징어무침 조금 더 주실 수 있어요?
店員: 네, 금방 갖다 드릴게요.
日本語訳
学習者: おかずで、イカの和え物をもう少しいただけますか?
店員: はい、すぐにお持ちしますね。
使う場面
韓国の食堂で、無料のおかず(パンチャン)をおかわりしたい時。
発音・ニュアンス
パンチャヌロ オジンオムチム チョグム ト チュシル ス イッソヨ? 丁寧にお願いする表現です。

カレイと大根のチョリム(가자미조림)

韓国語では「가자미조림(カジャミジョリム)」と呼びます。カレイのうま味をたっぷりと吸い込んだ大根が主役級の美味しさになる、ご飯が進む煮付けです。

  • 材料:小ぶりのカレイ 8尾(切り身でも可)、大根 3分の1本、ねぎ 2分の1本、青唐辛子 2本、水 1カップ、コチュカル 大さじ1、コチュジャン 大さじ2分の1、しょうゆ 大さじ2、砂糖 小さじ2分の1、おろしにんにく 小さじ1

作り方のコツ: 深めのフライパンに厚さ1センチに切った大根と水を入れ、ふたをして「先に大根だけを煮る」のがポイントです。大根が柔らかくなったらカレイを並べ、上から合わせ調味料とねぎ、青唐辛子をのせます。魚を何度も裏返すと身がボロボロに崩れてしまうため、スプーンで煮汁を上から回しかけながら、中火でじっくりと味を含ませていきます。

湯豆腐のピリ辛ねぎムチム添え

温かい豆腐に、ピリッとした「파무침(パムチム/ねぎの和え物)」を添えるだけで、立派な副菜になります。短時間で作れるので、もう一品欲しい時に重宝します。

細ねぎ(10本)を4センチ長さに切り、コチュカル大さじ1、しょうゆ大さじ1、酢小さじ1、砂糖小さじ1、塩小さじ2分の1、ごま油小さじ1、ごま小さじ1、おろしにんにく小さじ2分の1で軽く和えます。ねぎは調味料と合わせて長く置くと水分が出てしんなりしてしまうため、食べる直前に和えるのが香りとシャキシャキ感を残す秘訣です。

キムチ餃子(김치만두)

韓国の餃子は「만두(マンドゥ)」と呼ばれます。蒸す、ゆでる、焼く、あるいはスープ(マンドゥクク)に入れるなど、食べ方のバリエーションが豊富です。家庭で作るキムチマンドゥは、豆腐やもやしをたっぷり入れるため、ヘルシーでボリュームがあります。

豚ひき肉(250g)に対し、細かく刻んだ白菜キムチ(1/4株)、みじん切りのニラ、さっとゆでて刻んだもやし、そして水切りした豆腐を混ぜ合わせます。ここで失敗しないための最大のポイントは、キムチ、もやし、豆腐の水分を「これでもか」というほど強く絞り切ることです。水分が残っていると、包んだ後に皮が破れやすくなります。大量に作って冷凍保存する場合は、くっつかないように間隔をあけてバットに並べ、凍ってから袋に移すとうまくいきます。

豆腐(두부)が主役のヘルシー家庭料理

この章の要点
  • 韓国料理における豆腐(トゥブ)の多様な使い方
  • 煮崩れを防ぐための「焼いてから煮る」テクニック
  • ピーナッツバターを隠し味に使ったユニークな豆腐のジョン

韓国語で豆腐は「두부(トゥブ)」と言います。日本の食卓と同じように、韓国でも豆腐は冷蔵庫に常備されている万能食材です。チゲの具としてだけでなく、和え物や煮付け、焼き物など、様々な形に変化します。それでは、豆腐の可能性を広げるレシピを具体的に見ていきましょう。

豆腐のピリ辛チョリム(두부조림)

韓国の家庭で非常によく親しまれている定番のおかずです。日本の煮物のように最初から煮汁で煮るのではなく、一手間加えることで香ばしさが格段にアップします。

木綿豆腐1丁を厚さ1センチに切り、ペーパーでしっかりと水気を取ります。ここに薄く小麦粉(または天ぷら粉)をまぶし、多めの油を熱したフライパンで両面をこんがりと焼いてから、調味料(すき焼きのたれ大さじ3、水大さじ4、粉唐辛子小さじ1、長ねぎみじん切り大さじ2、おろしにんにく小さじ1、ごま油小さじ1)を加えて煮詰めます。先に豆腐を焼くことで、煮崩れしにくくなり、たれも表面によく絡むようになります。

フレーズ
두부조림을 만들어요.
日本語訳
豆腐の煮付けを作ります。
使う場面
今日の献立を家族や友人に伝える場面。
注意点・誤用例
「을/를(〜を)」という助詞の使い分けに注意。前の単語の最後にパッチム(子音)がある「조림」の場合は「을」を、パッチムがない「찌개」などの場合は「를」を使います。
発音・ニュアンス
トゥブジョリムル マンドゥロヨ。「만들다(作る)」の丁寧形です。

豆腐と黒ごまのジョン

豆腐をそのまま焼くのではなく、一度つぶして丸く成形する、少し手の込んだジョンです。軽食やお弁当のおかずにも向いています。

水切りした豆腐をつぶし、コク出しのためにピーナッツバター(40g)を加えるのがこのレシピの面白いところです。そこに黒すりごま大さじ1、白練りごま小さじ2、塩小さじ2分の1、ねぎのみじん切り、刻んだマッシュルーム、卵1個を混ぜ合わせます。直径5~6センチに丸め、やや多めの油で両面を焼きます。生地がやわらかすぎてまとまらない場合は、片栗粉または小麦粉を少量加えて調整してください。

体を芯から温めるチゲ料理のレシピ集

この章の要点
  • 煮干しや昆布を使った、韓国式のだしの取り方
  • マクテンジャンチゲの素朴で力強い味わい
  • 海鮮チゲ(ヘムルチゲ)を美味しく仕上げる魚介の投入タイミング

韓国の食卓には汁物が欠かせません。中でもチゲは、具材のうま味がスープに溶け出し、最後の一滴までご飯泥棒となる一品です。ここでは、定番のキムチチゲ以外にもバリエーション豊かなチゲをごお伝えします。では、具体的にどのように作っていくのでしょうか。

マクテンジャンチゲ(막된장찌개)

「된장(テンジャン)」は韓国の味噌のこと。「막(マク)」には、飾らない、粗野な、ざっくりしたといったニュアンスがあり、田舎の祖母が作ってくれるような、素朴で濃い味の煮込み料理を指します。

小さな土鍋(トゥッペギ)に、細かく砕いた煮干し(頭と内臓は苦味が出るので取る)、水(1/2カップ)、テンジャン(または日本の合わせ味噌)大さじ2、おろしにんにく、刻んだ韓国かぼちゃ(ズッキーニで代用可)、玉ねぎ、青唐辛子をすべて最初から入れます。強火で煮立てた後、中火にして具材に火を通せば完成です。日本の味噌汁のように最後に味噌を溶き入れるのではなく、最初から味噌を入れて煮立たせるのが韓国流です。濃い味なので、葉野菜でご飯を包んで食べる(サムパプ)際のタレ代わりにもなります。

海鮮チゲ(해물찌개)

魚介の豊かなだしを生かすため、調味料を入れすぎないことが美味しく作るための最大のポイントです。

ハマグリ、あさり、タコ、エビ、ワタリガニなどの下処理をした魚介類を鍋に入れ、昆布だしを注いで加熱します。アクを丁寧に取り除き、コチュカル大さじ2、塩小さじ2.5、おろしにんにく小さじ2を加えます。その後、もやし、ねぎ、青唐辛子、豆腐を入れ、魚介に十分火が通ったら、最後に香りの強い春菊とセリを加えて火を止めます。食べ終わった後の濃厚な汁には、ご飯と溶き卵を加えて雑炊にすると絶品です。もし加熱しても開かない貝があった場合は、鮮度が落ちている可能性があるので無理に食べないようにしてください。

フレーズ
조금 더 끓이면 맛이 깊어져요.
日本語訳
もう少し煮ると味に深みが出ます。
使う場面
チゲの煮込み時間をアドバイスする場面。
注意点・誤用例
「맛이 깊다(味が深い)」は、コクやうま味が引き出されている状態を表す非常によく使う表現です。「짜다(しょっぱい)」とは異なる褒め言葉です。
発音・ニュアンス
チョグム ト ックリミョン マシ キポジョヨ。「깊어져요」は「깊어지다(深くなる)」の丁寧形です。

外はカリッと、中はモチモチの絶品ジョン

この章の要点
  • セリや酸っぱくなったキムチなど、ジョンの具材アレンジ
  • カリッと焼くためには「生地を極限まで薄くする」のが正解
  • 最後に鍋肌から油を足して香ばしさを出すテクニック

ジョン(チヂミ)を家で焼くと、どうしても分厚くなってしまい、お好み焼きのようにモソモソとした食感になってしまうという悩みをよく聞きます。お店のような外側カリッ、中モチッの食感を生み出すには、ちょっとしたコツが必要です。次に、具体的な焼き方のテクニックを見ていきましょう。

セリのジョン(미나리전)

香りの強いセリ(미나리/ミナリ)は、豚肉と一緒に焼いたりする他に、シンプルな生地のジョンと非常に相性が良い食材です。

小麦粉1カップ、水、塩小さじ1を混ぜて生地を作りますが、水は一度に全部入れず、生地がセリにうっすらとまとわりつく程度の「薄い泥水」のような状態に調整します。生地を分厚いホットケーキミックスのようにしないことが、表面をパリッと焼くための最大の要点です。フライパンに油を多めに熱し、生地を広げて両面を香ばしく焼きます。

ねぎキムチのジョン(파김치전)

冷蔵庫の奥で発酵が進んで酸味が強くなってしまったキムチは、捨てる必要はありません。加熱料理に使うと、酸味がうま味に変わって絶品になります。ここでは「ねぎキムチ(파김치/パキムチ)」を使います。

ねぎキムチを4センチ程度に切り、小麦粉、卵、水と混ぜます。フライパンに油を熱し、生地を薄く流し入れます。片面が固まるまで絶対に動かさずにじっくり焼き、裏返したら鍋肌から油を少量足して揚げ焼きのようにすると、フチがサクサクになります。キムチの漬け汁を生地に少し加えると、色も風味も濃くなり、より美味しくなります。

冬の屋台で紙コップに入れられた、黒砂糖の蜜がとろけ出す焼きたてのホットック
韓国の冬の屋台の定番おやつ、ホットックも家庭で作れます

韓国の定番おやつに関する言葉と作り方

この章の要点
  • 冬の風物詩「ホットック」の生地の発酵と焼き方
  • 夏の定番「パッピンス」の美味しい食べ方のマナー
  • 関連する韓国語のフレーズと発音のコツ

食事だけでなく、デザートやおやつも韓国の食文化を知る上で欠かせません。旅行に行った際に屋台やカフェで注文できるよう、作り方と一緒に言葉も学んでおきましょう。

호떡(ホットック)

「호떡(ホットック)」は、発酵させた生地で黒砂糖、シナモン、ナッツなどを包み、油をひいた鉄板で専用の器具(ヌルゲ)を使って平たく押し潰しながら焼くおやつです。寒い時期に熱々を食べる楽しみがあり、屋台の定番です。

家庭で作る場合は、ぬるま湯でドライイーストを発酵させ、中力粉と牛乳を混ぜて生地を練り、ラップをして膨らむまで待ちます。黒砂糖、シナモンパウダー、すりごま、砕いたピーナッツを混ぜた具材を生地で包み、フライパンで閉じ目を下にして焼きます。ヘラで平たく押し、弱めの中火で両面を焼きます。中の黒砂糖は加熱すると高温の蜜になるため、焼きたてをかじる際はやけどに十分注意してください。

フレーズ
뜨거우니까 조심해서 드세요.
日本語訳
熱いので気をつけて食べてください。
使う場面
屋台のおばちゃんが、できたてのホットックを渡してくれる時など。
発音・ニュアンス
トゥゴウニッカ チョシメソ トゥセヨ。「드세요(召し上がってください)」は「먹다(食べる)」の尊敬語です。

팥빙수(パッピンス)

「팥빙수(パッピンス)」は、「팥(パッ/小豆)」と「빙수(ピンス/氷菓・かき氷)」を組み合わせた言葉です。小豆をのせたかき氷が基本ですが、現在では果物、餅、きなこ、ゼリー、アイスクリームなどをたっぷりと乗せた豪華なものが主流です。

韓国での美味しい食べ方のルールは、上から綺麗に食べるのではなく、最初によくかき混ぜることです(잘 섞어서 드세요/よく混ぜて食べてください)。具材と氷、練乳が完全に混ざり合うことで、最後の一口まで均一な味を楽しむことができます。少し行儀が悪いように感じるかもしれませんが、これが現地の文化です。

一度の仕込みで献立を組み立てる韓国式段取り

韓国家庭料理は、一品だけを大量に作るよりも、味や食感の異なるパンチャン(おかず)を少しずつたくさん並べる方が、現地の食卓らしい豊かな雰囲気になります。とはいえ、毎日何品も作るのは大変です。作業を効率よく進めるには、事前の下ごしらえが鍵になります。

まずは、ねぎとにんにくをまとめて刻んでおき、ごまをすっておきます。次に、基本のヤンニョムを多めに作っておけば、あとはゆでた野菜や豆腐に和えるだけで何品も完成します。ほうれん草のナムル(塩味)、豆腐のチョリム(甘辛味)、キムチスープ(酸味と辛味)のように、味の強弱と調理法(和える、煮る、煮込む)が重ならないように組み合わせるのが献立上手のコツです。

韓国料理と言葉に関するQ&A

Q. コチュジャンとテンジャンの違いは何ですか?

A. コチュジャンは唐辛子をベースにした甘辛い発酵調味料(辛味噌)で、テンジャンは大豆をベースにした韓国の味噌です。日本の味噌汁にテンジャンを使っても美味しいですが、煮込むほどに風味が増すという特徴があります。

Q. 「炒め物」や「焼き物」は韓国語で何と言いますか?

A. 炒め物は「볶음(ポックム)」、焼き物は「구이(クイ)」と言います。たとえば、キムチ炒めは「김치볶음(キムチポックム)」、焼き魚は「생선구이(センソングイ)」となります。これらも「食材名+調理法」の法則通りです。

Q. 辛いのが苦手な家族がいます。どう調整すればいいですか?

A. 料理全体を辛くするのではなく、コチュカル(粉唐辛子)を入れずにベースの味付け(塩、しょうゆ、にんにく、ごま油)で仕上げ、取り分けた後に大人用だけ辛いタレ(タデギ)を後から混ぜる方法が便利です。コチュジャンを抜きすぎるとうま味が消えるので注意してください。

Q. ナムルは日持ちしますか?

A. ナムルは野菜の水分が出やすいため、作ってから冷蔵庫で2〜3日以内が美味しく食べられる目安です。調味後に時間を置きすぎると味が薄まるため、ゆでた野菜だけを保存しておき、食べる直前にヤンニョムで和えるのもおすすめです。

Q. 料理用語を覚えると、日常会話にも役立ちますか?

A. 非常に役立ちます。韓国の人は「밥 먹었어?(ご飯食べた?)」を挨拶代わりに使うほど食文化を大切にしています。料理の単語や美味しい味の表現を知っていると、韓国人の友人との会話が弾む大きなきっかけになります。

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