韓国ドラマや映画を見ていると、登場人物たちが別れ際に様々な挨拶を交わしていますよね。「アンニョン!」と軽く手を振るシーンもあれば、深々とお辞儀をする場面も。友人との気軽な別れから、ビジネスシーンでの丁寧な挨拶まで、韓国語の「さようなら」には実に多くの表現があります。
日本語の「さようなら」や「バイバイ」と同じように使えそうで、実は相手や状況によって使い分ける必要があるのが、韓国語の別れの挨拶の面白いところであり、少し難しい点でもあります。でも、心配はいりません!
この記事では、韓国語の様々な「バイバイ」「さようなら」の表現を、具体的なシチュエーションや相手との関係性に合わせて徹底解説します。基本的なフレーズから、SNSで使える若者言葉、さらにはビジネスシーンで役立つ丁寧な表現まで、網羅的にご紹介。この記事を読めば、あなたも状況に合わせて適切な別れの挨拶が使いこなせるようになりますよ!
韓国語で「バイバイ」はどう言う?友達・目上・SNSまで完全網羅!シーン別フレーズ徹底ガイド
目次
- 1 まずは基本!友達への「バイバイ」は 안녕 (アンニョン)
- 2 丁寧な「さようなら」: 안녕히 계세요 vs 안녕히 가세요
- 3 状況に合わせて使い分け!様々なニュアンスの「バイバイ」表現
- 3.1 잘 가요 (チャル ガヨ) / 잘 가 (チャル ガ):「気をつけてね」「じゃあね」
- 3.2 또 봐요 (ト バヨ) / 또 봐 (ト バ):「また会いましょう」「またね」
- 3.3 다음에 봐요 (タウメ バヨ) / 다음에 봐 (タウメ バ):「次に会いましょう」「今度ね」
- 3.4 나중에 봐요 (ナジュンエ バヨ) / 나중에 봐 (ナジュンエ バ):「後で会いましょう」「後でね」
- 3.5 조심히 가세요 (チョシミ ガセヨ) / 조심히 가 (チョシミ ガ):「気をつけて帰ってください」「気をつけてね」
- 3.6 取引先に対して
- 3.7 들어가세요 (トゥロガセヨ) / 들어가 (トゥロガ):「お入りください」「入って」
- 3.8 연락할게요 (ヨルラカルケヨ) / 연락할게 (ヨルラカルケ):「連絡します」「連絡するね」
- 4 電話やオンラインでの別れの挨拶
- 5 ビジネスシーンやフォーマルな場での別れの挨拶
- 6 韓国語の別れの挨拶をマスターするコツ
- 7 まとめ
まずは基本!友達への「バイバイ」は 안녕 (アンニョン)
親しい友人や年下の相手と別れるときに使う、最もカジュアルな「バイバイ」が 안녕 (アンニョン) です。
「あれ?안녕 って「こんにちは」じゃないの?」と思った方もいるかもしれませんね。その通り、안녕 は出会った時の挨拶「こんにちは」としても使われます。しかし、別れ際に使う 안녕 は、後述する丁寧な別れの挨拶「안녕히 계세요 (アンニョンヒ ゲセヨ)」や「안녕히 가세요 (アンニョンヒ ガセヨ)」を省略した形なんです。
日本語の「じゃあね!」や「バイバイ!」と同じようなニュアンスで、親しい間柄で気軽に使うことができます。ただし、目上の人や初対面の人、ビジネスシーンなど、フォーマルな場面では使わないように注意しましょう。
友達との会話例
나 (ナ / 私): 오늘은 이만 돌아갈게.
今日はもうこれで帰るね。
친구 (チング / 友達): 응, 잘 가! 안녕~
うん、気をつけてね!バイバイ~
このように、잘 가 (チャル ガ / 気をつけてね) と組み合わせて使うこともよくあります。
丁寧な「さようなら」: 안녕히 계세요 vs 안녕히 가세요
目上の人やお店の人など、丁寧な言葉遣いが求められる場面での「さようなら」は、안녕히 계세요 (アンニョンヒ ゲセヨ) と 안녕히 가세요 (アンニョンヒ ガセヨ) の2種類を使い分ける必要があります。これが少しややこしいのですが、一度理解すれば簡単です!ポイントは「誰がその場に残り、誰が去るのか」です。
안녕히 계세요 (アンニョンヒ ゲセヨ):自分が去る場合
계세요 (ゲセヨ) は「いらっしゃる」という意味の尊敬語 계시다 (ゲシダ) から来ています。直訳すると「安寧にいらしてください」となり、その場に残る相手に対して、自分が去る際に使う「さようなら」です。
例えば、お店を出るとき、会社を退勤するとき、訪問先から帰るときなどに使います。
안녕히 가세요 (アンニョンヒ ガセヨ):相手が去る場合
가세요 (ガセヨ) は「行く」という意味の 가다 (カダ) の尊敬語です。直訳すると「安寧に行ってください」となり、その場から去っていく相手に対して、自分が見送る際に使う「さようなら」です。
例えば、お店の人がお客さんを見送るとき、家に来たお客さんを見送るとき、会社で退勤する同僚を見送るときなどに使います。
食堂での会話例
손님 (ソンニム / 客): 김치찌개가 정말 맛있었어요. 다음에 또 올게요.
キムチチゲが本当においしかったです。また来ますね。
이모님 (イモニム / お店のおばさん): 아이고, 다행이네요. 고마워요. 안녕히 가세요.
あら、よかったわ。ありがとう。さようなら。(←去る客に対して)
손님 (ソンニム / 客): 네, 안녕히 계세요.
はい、さようなら。(←店に残る店員に対して)
【重要】どちらも一緒にその場を去る場合は?
では、会社の同僚と会社の門で別れる、会議が終わって参加者同士が別れるなど、どちらもその場を立ち去る場合はどうでしょうか?
この場合は、お互いに「行く」立場になるので、안녕히 가세요 (アンニョンヒ ガセヨ) を使います。少し不思議な感じがするかもしれませんが、そういうルールだと覚えておきましょう。
状況:会社の同僚と会社の門で別れる
동료 A (同僚A): 오늘 수고 많으셨습니다. 먼저 들어가 보겠습니다.
今日はお疲れ様でした。お先に失礼します。
동료 B (同僚B): 네, 수고하셨습니다. 안녕히 가세요.
はい、お疲れ様でした。さようなら。(←一緒に帰る同僚Aに対して)
동료 A (同僚A): 네, 김 대리님도 안녕히 가세요.
はい、キム代理もさようなら。(←一緒に帰る同僚Bに対して)

ビジネスシーンでは丁寧な挨拶が重要
状況に合わせて使い分け!様々なニュアンスの「バイバイ」表現
안녕 や 안녕히 가세요/계세요 以外にも、様々なニュアンスを持つ別れの表現があります。シーンに応じて使い分けることで、より自然で豊かなコミュニケーションが可能になります。
잘 가요 (チャル ガヨ) / 잘 가 (チャル ガ):「気をつけてね」「じゃあね」
잘 가요 (チャル ガヨ) は直訳すると「よく行ってください」ですが、別れ際に「さようなら」「気をつけて帰ってね」という意味で使われます。안녕히 가세요 よりも少し柔らかい響きがあり、親しい間柄でよく使われます。友人や年下には、よりカジュアルな 잘 가 (チャル ガ) を使います。
この表現は、基本的に見送る側が去る相手に対して使います。自分が去る場合にはあまり使いません。
【先輩を見送るとき】
선배 (ソンベ / 先輩): 오늘 맛있는 밥 사줘서 고마웠어.
今日は美味しいご飯をごちそうしてくれてありがとう。
후배 (フベ / 後輩): 아니에요, 선배. 저도 즐거웠어요. 잘 가세요!
いいえ、先輩。私も楽しかったです。さようなら!(気をつけて!)
또 봐요 (ト バヨ) / 또 봐 (ト バ):「また会いましょう」「またね」
「また会いましょう」という意味の表現です。文字通り、近いうちに会う予定がある場合や、具体的な予定はなくても「また会いたいね」という気持ちを伝えたい場合に使えます。非常に汎用性が高く、親しい間柄でよく使われるフレーズです。
丁寧な言い方が 또 봐요 (ト バヨ)、友達同士で使うカジュアルな言い方が 또 봐 (ト バ) です。
【友達と別れ際に】
나 (ナ / 私): 오랜만에 만나서 반가웠어. 또 봐!
久しぶりに会えて嬉しかったよ。またね!
친구 (チング / 友達): 나도! 또 봐! 안녕~
私も! またね!バイバイ~

友達とは「또 봐! (またね!)」と気軽に挨拶
다음에 봐요 (タウメ バヨ) / 다음에 봐 (タウメ バ):「次に会いましょう」「今度ね」
또 봐요 (ト バヨ) と非常によく似ていますが、다음에 (タウメ) は「次に、今度」という意味で、또 봐요 よりも少しだけ具体的な次の機会を意識したニュアンスがあります。とはいえ、또 봐요 とほぼ同じように使えます。
丁寧形が 다음에 봐요 (タウメ バヨ)、タメ口(パンマル)が 다음에 봐 (タウメ バ) です。
나중에 봐요 (ナジュンエ バヨ) / 나중에 봐 (ナジュンエ バ):「後で会いましょう」「後でね」
나중에 (ナジュンエ) は「後で」という意味です。比較的近い未来、例えば「今日の午後」や「明日」など、すぐにまた会うことが分かっている場合によく使われます。「じゃあ、また後で!」という感覚です。
状況:午前中の授業が終わり、午後の授業でまた会う友達と別れる
나 (ナ / 私): 점심 맛있게 먹어! 나중에 봐!
お昼ごはん、美味しく食べてね!また後でね!
친구 (チング / 友達): 응, 너도! 나중에 봐!
うん、あなたも!また後でね!
조심히 가세요 (チョシミ ガセヨ) / 조심히 가 (チョシミ ガ):「気をつけて帰ってください」「気をつけてね」
「気をつけて帰ってください」という意味で、相手を気遣う優しい表現です。夜遅くなった時、天気が悪い時、相手が遠方から来てくれた時などに使うと、思いやりが伝わります。日本語の「お気をつけてお帰りください」とほぼ同じ感覚で使えます。
丁寧形が 조심히 가세요 (チョシミ ガセヨ)、タメ口が 조심히 가 (チョシミ ガ) です。これも見送る側が使う表現です。
取引先に対して
나 (ナ / 私): 오늘 일부러 와주셔서 감사했습니다.
今日はわざわざお越しいただき、ありがとうございました。
비가 오는데 조심히 가세요.
雨が降っておりますので、お気をつけてお帰りください。
거래처 (コレチョ / 取引先): 네, 감사합니다. 안녕히 계세요.
はい、ありがとうございます。失礼いたします。(さようなら)
들어가세요 (トゥロガセヨ) / 들어가 (トゥロガ):「お入りください」「入って」
これは、相手が家や建物に入るのを見送る際に使う独特の表現です。「(家の中に)お入りください」という意味ですが、別れの挨拶として定着しています。特に、家まで送っていった友人や、訪問先から帰る人に対して使います。
丁寧形が 들어가세요 (トゥロガセヨ)、タメ口が 들어가 (トゥロガ) です。
状況:友達を家まで送っていき、家の前で別れる
나 (ナ / 私): 오늘 데려다줘서 고마워!
今日送ってくれてありがとう!
친구 (チング / 友達): 아니야~ 잘 들어가! 내일 봐!
いいよ~ 気をつけて入ってね!明日ね!
나 (ナ / 私): 응, 너도 잘 가!
うん、あなたも気をつけて帰ってね!
연락할게요 (ヨルラカルケヨ) / 연락할게 (ヨルラカルケ):「連絡します」「連絡するね」
直接的な別れの挨拶ではありませんが、「また連絡するね」という意味で別れ際によく使われるフレーズです。「今日はありがとう!また連絡するね!」のような流れで使います。
丁寧形が 연락할게요 (ヨルラカルケヨ)、タメ口が 연락할게 (ヨルラカルケ) です。
電話やオンラインでの別れの挨拶
対面だけでなく、電話やメッセージ、SNSなど、オンラインでのコミュニケーションも多い現代。それぞれの場面での別れの挨拶も覚えておくと便利です。
電話を切るときの表現
電話を切る際には、次のような表現がよく使われます。
- 끊을게요 (クヌルケヨ) / 끊을게 (クヌルケ):「(電話を)切りますね / 切るね」最も一般的。
- 들어가세요 (トゥロガセヨ) / 들어가 (トゥロガ):対面と同じく「失礼します」のようなニュアンスで使われることも。
- 다음에 통화해요 (タウメ トンファヘヨ) / 다음에 통화해 (タウメ トンファヘ):「また電話しましょう / また電話しようね」
- 연락할게요 (ヨルラカルケヨ) / 연락할게 (ヨルラカルケ):「連絡します / 連絡するね」
これらの表現の前に、「じゃあ、そろそろ切るね」の意味で 그럼 이만… (クロム イマン…) を付け加えることも多いです。
나 (ナ / 私): 오늘 얘기 즐거웠어!
今日話せて楽しかったよ!
친구 (チング / 友達): 나도! 그럼 이제 끊을게. 다음에 또 통화하자!
私も!じゃあ、もう切るね。また今度電話しよう!
나 (ナ / 私): 응! 잘 자고 다음에 봐!
うん!おやすみ、またね!
SNSやメッセージで使う「バイバイ」: ㅂㅂ / ㅃㅃ
カカオトークなどのメッセージアプリやSNSでは、より簡略化された表現が使われることがあります。それが ㅂㅂ や ㅃㅃ です。
これは、「バイバイ」をハングルで書いた 바이바이 (パイパイ) の子音だけを取った略語です。ㅂ (ピウプ) の音ですね。ㅃ (サンピウプ) は、より強調したニュアンスや可愛らしい響きを持たせたいときに使われます。
非常にカジュアルな表現なので、親しい友人同士のメッセージで使うのが一般的です。わざわざ「バイバイ」と打つ手間が省けるので、若者の間でよく使われています。

カカオトークでは「ㅃㅃ」でバイバイ!
カカオトークでの会話例
나 (ナ / 私): 오늘은 이제 잘게~ 내일 봐
今日はもう寝るね~ また明日ね~
친구 (チング / 友達): 잘 자~ ㅃㅃ ^^
おやすみ~バイバイ~ ^^
ビジネスシーンやフォーマルな場での別れの挨拶
ビジネスシーンや、目上の人が多くいるフォーマルな場では、より丁寧な言葉遣いが求められます。基本は 안녕히 가세요 / 안녕히 계세요 ですが、状況に応じて以下のような表現も使われます。
- 먼저 들어가 보겠습니다 (モンジョ トゥロガ ボゲッスムニダ):「お先に失礼いたします」自分が先に場を辞する際に使う定番フレーズ。
- 다음에 또 뵙겠습니다 (タウメ ト ペプケッスムニダ):「またお目にかかります」次回の面会を期待する丁寧な表現。
- 살펴 가십시오 (サルピョ カシプシオ):「お気をつけてお帰りください」조심히 가세요 よりさらに丁寧な表現。時代劇などで聞かれることも。
- 성함 잊지 않겠습니다 (ソンハム イッチ アンケッスムニダ):「お名前は忘れません」のような表現も、別れ際に使われることがあります。
これらの表現は、状況や相手との関係性を考慮して使い分けることが大切です。また、감사합니다 (カムサハムニダ / ありがとうございます) や 수고하셨습니다 (スゴハショッスムニダ / お疲れ様でした) といった感謝や労いの言葉を添えることで、より丁寧で心のこもった挨拶になります。
韓国語の別れの挨拶をマスターするコツ
たくさんの表現があって覚えるのが大変!と感じるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえれば大丈夫です。
- まずは基本の 안녕 / 안녕히 계세요 / 안녕히 가세요 をマスターする: この3つを使い分けられれば、多くの場面に対応できます。「誰が残り、誰が去るか」を意識しましょう。
- 使う相手と場面を意識する: 友達か、目上の人か? カジュアルな場か、フォーマルな場か? 状況に合わせて適切な丁寧さの表現を選びましょう。
- ドラマや映画で実際の使われ方を観察する: 教科書だけでなく、リアルな会話の中でどのように使われているかを聞くのが一番の勉強になります。どんな場面で、どんな表情で、どんなトーンで言っているかに注目してみましょう。
- 恐れずに使ってみる: 間違っても大丈夫! 実際に使ってみることで、身体で覚えることができます。韓国人の友達がいれば、積極的に使ってみましょう。お店の店員さんに 안녕히 계세요 と言ってみるのも良い練習になります。
まとめ
今回は、韓国語の様々な「バイバイ」「さようなら」の表現をご紹介しました。友達に使うカジュアルな 안녕 (アンニョン) から、状況によって使い分ける丁寧な 안녕히 계세요 (アンニョンヒ ゲセヨ) と 안녕히 가세요 (アンニョンヒ ガセヨ)、そして 잘 가 (チャル ガ), 또 봐 (ト バ), 조심히 가 (チョシミ ガ) といったニュアンス豊かな表現、さらには電話やSNSでの言い方まで、盛りだくさんでしたね。
最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、相手への敬意や親しみを込めて使い分ける、韓国のコミュニケーション文化の表れとも言えます。食事をする店先でも、会社でも、友人との会話でも、積極的に使ってみましょう。また、相手から言われたときにスムーズに反応できるよう、それぞれの意味と使い方をしっかり覚えておくと、韓国語でのコミュニケーションがもっと楽しく、豊かになるはずです。
たくさん使って、自然に口から出てくるようになるまで練習してみてくださいね!