【韓国語「お母さん」呼び方ガイド】オンマとオモニの違いから義母(シオモニ/チャンモ)まで徹底解説!
世界中のどこでも、「お母さん」は特別な存在ですよね。韓国も例外ではなく、家族、特に母親との絆を非常に大切にする文化があります。韓国ドラマを見ていても、母親が登場人物の人生に深く関わっていく様子がよく描かれています。
では、韓国の人々はお母さんをどのように呼んでいるのでしょうか? 日本語でも「お母さん」「ママ」「おかん」など様々な呼び方があるように、韓国語にも年齢や状況、関係性によって使い分けられる「お母さん」の呼び方が存在します。最もよく知られているのは「엄마 (オンマ)」と「어머니 (オモニ)」ですが、この二つの違いや使い分け、さらには義理のお母さんや他人のお母さんを呼ぶ際の表現など、詳しく知りたいと思いませんか?
この記事では、韓国語の「お母さん」の呼び方を徹底的に解説します!「オンマ」と「オモニ」の基本的な違いから、発音のコツ、呼び方が変わるタイミング、義母(シオモニ・チャンモ)やその他の家族の呼び方、文化的背景、そして愛情を伝えるフレーズまで、網羅的にご紹介。これを読めば、あなたも韓国の家族文化への理解を深め、より自然な韓国語でコミュニケーションが取れるようになるでしょう!
目次
韓国語で「お母さん」:基本の呼び方「엄마 (オンマ)」と「어머니 (オモニ)」
韓国語で「お母さん」を表す最も基本的な二つの言葉が「엄마 (オンマ)」と「어머니 (オモニ)」です。この二つは、日本語の「ママ」と「お母さん」のように、使う人の年齢や状況、相手との関係性によって使い分けられます。
子供が使う愛情たっぷり「엄마 (オンマ)」
子供時代の定番:엄마 (オンマ)
엄마
[オンマ]
「엄마 (オンマ)」は、主に子供がお母さんを呼ぶ時に使う、最も一般的で愛情のこもった表現です。日本語の「ママ」や「お母ちゃん」に近いニュアンスを持っています。赤ちゃんが最初に発しやすい音の一つである両唇音(唇を閉じて出す音)の「ㅁ (m)」が含まれているため、多くの言語で母親を指す言葉が「マ」の音を含むのと同様に、韓国の子供たちも自然に「オンマ」と呼ぶようになります。
非常に親密で、甘えや愛情を示す響きがあり、子供時代を通して使われることが多いです。韓国ドラマで子供が母親に駆け寄って「オンマー!」と叫ぶシーンは、まさにこの愛情表現の典型例です。

愛情を込めて呼ぶ「엄마! (オンマ!)」
大人が使う敬意のこもった「어머니 (オモニ)」
成長してからの呼び方:어머니 (オモニ)
어머니
[オモニ]
「어머니 (オモニ)」は、成長した大人が母親を呼ぶ際に使う、より公式で丁寧な表現です。日本語の「お母さん」や「母」に近いニュアンスです。「オンマ」が持つ親密さや甘えの響きとは異なり、母親への敬意や、大人としての距離感を示す言葉です。
公の場で自分の母親について話す時や、手紙や改まった挨拶などで使われます。また、後述するように、義理の母親や他人の母親を指す際にも、この「어머니」をベースにした敬称が使われます。
韓国料理店などで「オモニの味」という言葉を聞くことがあるかもしれませんが、これはまさに「おふくろの味」という意味で、「어머니」が持つ温かくも敬意のこもった響きを表しています。
オンマ?オモニ?呼び方が変わるタイミングと近年の傾向
では、いつから「オンマ」ではなく「オモニ」と呼ぶようになるのでしょうか? 伝統的には、子供が成長し、社会的な責任を負うようになる年齢(例えば、高校生、大学生、社会人になる頃)や、親元を離れて自立するタイミングで、「어머니」と呼ぶように変化することが一般的でした。これは、親に対して一人の大人として敬意を示す、儒教的な考え方の表れとも言えます。
しかし、近年はこの境界線が曖昧になっています。特に都市部や若い世代を中心に、成人してからも、あるいは結婚してからも、自分の母親を「엄마 (オンマ)」と呼び続ける人が増えています。特に娘が母親に対して「オンマ」と呼び続ける傾向が強いようです。
これは、家族関係の変化(より友好的で対等な親子関係の増加)や、個人の感情表現を重視する風潮などが影響していると考えられます。公の場で話す際には「어머니」と使い分けられていれば、家族内で「엄마」と呼ぶことに対して、以前ほど抵抗感はなくなってきています。
ポイント:どちらを使うかは個人の選択や家庭環境によりますが、「オンマ」は親密さ・愛情、「オモニ」は敬意・公式さ、という基本的なニュアンスの違いを理解しておくことが大切です。
発音注意!「オンマ」と「オモニ」を綺麗に発音するコツ
どちらもシンプルな単語ですが、より自然に聞こえるための発音のコツを確認しましょう。
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엄마 (オンマ):
- 最初の「엄 (オム)」のパッチム「ㅁ (m)」は、唇をしっかり閉じて発音するMの音です。
- 次の「마 (マ)」の「ㅁ (m)」も同様にMの音。「オンマ」とカタカナで書くと「ン」がNの音に聞こえがちですが、しっかり「オムマ」のようにM音を意識しましょう。
- アクセントは「オ」に置かず、全体を比較的平坦に、または「マ」を少し強く言うイメージです。
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어머니 (オモニ):
- 最初の「어 (オ)」は、日本語の「オ」よりも口を少し縦に開けて、喉の奥から出すような音です。曖昧母音とも呼ばれます。
- 「머 (モ)」の「ㅁ (m)」もM音。
- 「니 (ニ)」は日本語の「ニ」に近い音です。
- アクセントは特定の部分を強くするというより、全体を滑らかに、落ち着いたトーンで発音します。「オ・モ・ニ」と区切らず、「オモニ」と流れるように言うのがコツです。
家族構成と状況で使い分け!様々な「お母さん」関連の呼び方
自分の母親以外にも、「お母さん」と呼ぶべき、あるいは関連する立場の人がいます。韓国では、家族や親戚の呼び方が日本よりも細かく、関係性を示す重要な要素となっています。ここでは、「お母さん」に関連する様々な呼び方を見ていきましょう。
お父さんは?「아빠 (アッパ)」と「아버지 (アボジ)」
お母さんの呼び方と対になるのがお父さんの呼び方です。これも「オンマ」と「オモニ」と同様に、年齢や状況によって使い分けられます。
- 아빠 (アッパ): 子供が使う、親しみを込めた呼び方。「パパ」に近いニュアンス。
- 아버지 (アボジ): 大人が使う、敬意のこもった呼び方。「お父さん」「父」に近いニュアンス。
お母さんの場合と同様に、近年は大人になっても「아빠」と呼ぶ人も増えています。
義理のお母さん:시오머니 (シオモニ) と 장모님 (チャンモニム)
結婚すると、配偶者の母親、つまり義理のお母さんとの関係が生まれます。韓国では、夫側から見た義母と、妻側から見た義母で、正式な呼称が異なります。
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夫から見た妻の母 → 장모 (チャンモ) / 장모님 (チャンモニム)
正式な呼称は「장모 (チャンモ)」ですが、これは主に第三者に紹介する時などに使い、直接呼びかける際は失礼にあたります。直接呼びかける場合や、敬意を示す場合は、様を意味する「님 (ニム)」をつけて「장모님 (チャンモニム)」と呼ぶのが一般的で丁寧です。現代では、より親しみを込めて「어머님 (オモニム)」や、さらに親しくなれば「엄마 (オンマ)」と呼ぶケースも増えています(ただし、これは家庭や個人の関係性によります)。
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妻から見た夫の母 → 시어머니 (シオモニ)
正式な呼称は「시어머니 (シオモニ)」です。「시 (シ)」は夫の実家(媤宅 – シテク)を意味します。これも直接呼びかける言葉としてはあまり使われず、第三者に対して「夫の母は~」という文脈で使われます。直接呼びかける際は、敬称の「님 (ニム)」を付けずに「어머니 (オモニ)」または、より丁寧に「어머님 (オモニム)」と呼ぶのが一般的です。「オンマ」と呼ぶこともありますが、「チャンモニム」の場合よりも一般的ではないかもしれません。
呼び方のポイント:義理の母親への呼び方は、まず「어머님 (オモニム)」と呼ぶのが最も無難で丁寧です。関係性が深まるにつれて、相手や家族の雰囲気に合わせて「어머니」や、場合によっては「엄마」へと変化させるのが良いでしょう。勝手に呼び方を変えるのではなく、相手の意向を確認したり、夫や妻に相談したりするのが賢明です。

義理の両親への敬意を示す場面
義理のお父さん:시아버지 (シアボジ) と 장인어른 (チャンインオルン)
義理のお母さんと同様に、義理のお父さんの呼び方も覚えておきましょう。
- 夫から見た妻の父 → 장인 (チャンイン) / 장인어른 (チャンインオルン)
直接呼びかける際は「장인어른 (チャンインオルン)」が最も一般的で丁寧。「어른 (オルン)」は大人・目上の人を意味します。より親しみを込めて「아버님 (アボニム)」と呼ぶことも多いです。 - 妻から見た夫の父 → 시아버지 (シアボジ)
直接呼びかける際は「아버지 (アボジ)」または、より丁寧に「아버님 (アボニム)」と呼ぶのが一般的です。
他人の母親を呼ぶ時:敬意を込めた「어머님 (オモニム)」
友人や知人など、他人の母親について話したり、直接呼びかけたりする際には、敬意を示すことが重要です。この場合に最も適した丁寧な呼び方が「어머님 (オモニム)」です。
어머님 (オモニム)
「어머니 (オモニ)」に敬称の「님 (ニム) – 様」が付いた形です。日本語の「お母様」に近い、非常に丁寧な響きを持ちます。
例文:友人の母親に挨拶する
안녕하세요, 어머님. 처음 뵙겠습니다. 〇〇 친구 △△입니다.
[アンニョンハセヨ、オモニム。チョウム ペッケッスムニダ。〇〇 チング △△イムニダ。]
(こんにちは、お母様。初めてお目にかかります。〇〇さんの友人の△△です。)
例文:友人に母親の様子を尋ねる
요즘 어머님은 잘 지내셔?
[ヨジュム オモニムン チャル チネショ?]
(最近、お母様はお元気?)(親しい友人同士なら、このように友人自身の母親に対しても敬称を使うのが一般的)
相手の母親に対して「어머니 (オモニ)」と呼ぶのは、場合によっては少し馴れ馴れしく聞こえる可能性があるため、「어머님 (オモニム)」を使うのが最も安全で礼儀正しいと言えます。
友達のお母さんは? 親しみを込めた呼び方
非常に親しい友人の母親で、自分もその母親と親しい関係にある場合、状況によっては「어머님」よりも少しくだけた呼び方をすることもあります。
- 〇〇(友達の名前) 엄마 (オンマ) / 〇〇(友達の名前) 어머니 (オモニ): 例えば「지수 엄마 (ジス オンマ – ジスのお母さん)」のように、友達の名前に「オンマ」や「オモニ」を付けて呼ぶことがあります。これは比較的カジュアルで親しみを込めた呼び方です。
- 아주머니 (アジュンマ): 直訳すると「おばさん」ですが、親しい友人の母親に対して、愛情を込めてこう呼ぶこともあります。ただし、一般的に知らない中年女性に対して「アジュンマ」と呼ぶのは失礼にあたる場合があるので注意が必要です。関係性が築けている場合に限ります。
これらの呼び方は、相手との関係性やその場の雰囲気をよく読んで使う必要があります。基本的には「어머님」を使うのが無難です。
なぜ呼び方が変わる?韓国の儒教文化と家族観
韓国語の呼称が年齢や関係性によって細かく使い分けられる背景には、韓国社会に深く根付いている儒教の思想と、それに基づく家族観が大きく影響しています。
年長者を敬う文化と呼称の関係
儒教では、長幼の序(ちょうようのじょ)、つまり年齢や立場による上下関係を重んじ、目上の人に対して敬意を払い、礼儀正しく接することが美徳とされています。これは言葉遣いにも顕著に表れており、相手の年齢や社会的地位、自分との関係性に応じて、使う単語や語尾を変化させる敬語体系が非常に発達しています。
「オンマ」から「オモニ」へ呼び方が変わるのも、子供が成長し、親を一人の敬うべき対象として認識するようになる過程を示すものと言えます。同様に、義理の両親や他人の親に対して「オモニム」「アボニム」といった敬称を使うことも、この年長者を敬う文化の表れです。
家族内の呼称ルール:関係性を反映する言葉遣い
韓国の家族呼称は、単に相手を指し示すだけでなく、その人との関係性(性別、年齢差、既婚・未婚、父方か母方かなど)を明確に示す役割も担っています。例えば、兄や姉の呼び方が、自分が男性か女性かによって異なる(男性→兄: 형(ヒョン), 姉: 누나(ヌナ) / 女性→兄: 오빠(オッパ), 姉: 언니(オンニ))のはその代表例です。
義理の家族の呼び方が複雑なのも、結婚によって新たに形成される家族関係(夫の実家=시댁(シテク)、妻の実家=처가(チョガ))を明確に区別し、それぞれの立場に応じた敬意を示すためのルールに基づいているからです。
近年、核家族化や個人主義の浸透により、こうした厳格な呼称ルールは少しずつ変化してきていますが、依然として韓国社会の根底には、呼称を通じて適切な人間関係を築こうとする意識が強く残っています。呼称を正しく使うことは、相手への敬意を示すだけでなく、韓国文化への理解を示すことにも繋がるのです。
「オンマ」「オモニ」を使った愛情表現フレーズ集
お母さんへの感謝や愛情を伝える表現は、世界共通で心温まるものです。ここでは、「オンマ」や「オモニ(ム)」を使った、気持ちが伝わるフレーズをいくつかご紹介します。
お母さんへの愛情・感謝フレーズ
- 엄마, 사랑해요! (オンマ、サランヘヨ!) – ママ、愛してる! (子供から、または親しい関係で)
- 어머니, 사랑합니다. (オモニ、サランハムニダ。) – お母さん、愛しています。 (大人から、より丁寧に)
- 항상 고마워, 엄마. (ハンサン コマウォ、オンマ。) – いつもありがとう、ママ。 (タメ口)
- 어머니, 항상 감사합니다. (オモニ、ハンサン カムサハムニダ。) – お母さん、いつもありがとうございます。 (丁寧)
- 우리 엄마 최고! (ウリ オンマ チェゴ!) – うちのママ最高! (親しみを込めて)
- 어머니는 제게 세상 전부예요. (オモニヌン チェゲ セサン チョンブエヨ。) – お母さんは私にとって世界の全てです。 (深い愛情を込めて)
- 어머니, 걱정 마세요. 제가 있잖아요. (オモニ、コクチョン マセヨ。チェガ イッチャナヨ。) – お母さん、心配しないでください。私がいるじゃないですか。 (励ます時)
- 어머님, 오래오래 건강하세요. (オモニム、オレオレ コンガンハセヨ。) – お母様、いつまでも元気でいてください。 (健康を願う時、義母や他人のお母さんにも使える)
- 엄마/어머니, 보고 싶어요. (オンマ/オモニ、ポゴ シポヨ。) – ママ/お母さん、会いたいです。 (離れている時)
- 어버이날 축하드려요, 어머니. (オボイナル チュカドゥリョヨ、オモニ。) – 両親の日おめでとうございます、お母さん。 (韓国の「父母の日」に)

離れていても伝える気遣いの言葉
まとめ:「オンマ」「オモニ」を使いこなして、韓国の家族文化を理解しよう!
今回は、韓国語で「お母さん」を意味する「엄마 (オンマ)」と「어머니 (オモニ)」を中心に、その違い、使い分け、関連する家族呼称、文化的背景などを詳しく解説しました。
「お母さん」呼び方マスターのキーポイント
- 子供は親しみを込めて「엄마 (オンマ)」、大人は敬意を込めて「어머니 (オモニ)」と呼ぶのが基本。
- 近年は大人でも「オンマ」と呼ぶ人が増加傾向にあるが、TPOに合わせた使い分けは依然として重要。
- 義母の呼び方は「어머님 (オモニム)」が最も丁寧で一般的(夫から妻の母へは장모님、妻から夫の母へは어머님/어머니)。
- 他人の母親には敬称「어머님 (オモニム)」を使うのが礼儀。
- お父さんは「아빠 (アッパ)」(親しみを込めて) / 「아버지 (アボジ)」(敬意を込めて)。
- 呼称の使い分けは、韓国の儒教文化や家族関係を反映している。
- 状況に合わせて適切な呼び方を選び、愛情や感謝を伝えよう。
韓国語の呼称は、単なる呼び名ではなく、相手との関係性や敬意の度合いを示す重要なコミュニケーションツールです。「オンマ」と「オモニ」の使い分けを理解することは、韓国の文化や家族観を理解する上でも役立ちます。
もし韓国人の友人や知人ができたら、その人が家族をどのように呼んでいるか、また自分がその家族と接する際にどのように呼ぶべきか、この記事を参考に考えてみてください。適切な言葉遣いは、きっと相手との良好な関係を築く助けとなるでしょう。
言葉の背景にある文化を学びながら、「オンマ」「オモニ」という言葉に込められた温かい気持ちを感じ取り、あなたの韓国語コミュニケーションをさらに豊かなものにしてくださいね!