韓国語試験対策&学習法|TOPIK攻略のコツと「楽しく続ける」秘訣を徹底解説
韓国ドラマやK-POPにハマって韓国語の勉強を始めた方、留学や就職のために本格的に学習している方…様々な目的で韓国語に取り組んでいる方がいらっしゃると思います。そして、学習を進める中で目標となるのが、「韓国語能力試験(TOPIK)」や「ハングル能力検定試験(ハン検)」といった資格試験ではないでしょうか。
これらの試験は、自分の実力を客観的に測ったり、学習のモチベーションを維持したりする上で非常に有効です。しかし、「試験」となると、途端にプレッシャーを感じたり、何から手をつければいいか分からなくなったりすることもありますよね。
この記事では、韓国語の主要な試験であるTOPIKとハングル検定の概要から、効果的な勉強法、試験攻略のヒント、そして何よりも大切な「楽しく学習を続けるコツ」まで、あなたの韓国語レベルアップを全力でサポートする情報をお届けします!
目次
目標設定の第一歩!韓国語能力試験(TOPIK)とハングル検定を知る
まずは、代表的な韓国語の試験について、その特徴を理解し、自分の目的に合った試験を選びましょう。
なぜ試験を受けるのか?目的を明確に
試験対策を始める前に、「なぜ自分はこの試験を受けるのか?」という目的を明確にすることが大切です。
- 実力確認のため: 現時点での自分の韓国語レベルを知りたい。
- 学習のモチベーション維持: 試験合格を目標にすることで、学習意欲を高めたい。
- 資格として活用したい: 韓国への留学、就職、あるいは日本での就職・転職活動で語学力を証明したい。
- 学習の成果を形にしたい: これまでの学習の集大成として挑戦したい。
目的によって、目指すべきレベルや必要な対策も変わってきます。
TOPIK(韓国語能力試験)とは?特徴と最新情報(級、科目、IBT、スピーキング)
TOPIK (Test of Proficiency in Korean) は、韓国政府(国立国際教育院)が主催する、韓国語を母語としない外国人や在外韓国人を対象とした世界的に最も広く実施されている韓国語能力試験です。(※情報は2025年4月現在のものです。最新情報はTOPIK公式サイト等でご確認ください。)
- レベル: 大きく2つのレベルに分かれています。
- TOPIK Ⅰ: 初級レベル(1級・2級)
- TOPIK Ⅱ: 中級~上級レベル(3級・4級・5級・6級)
※TOPIK Ⅰ、TOPIK Ⅱそれぞれを受験し、獲得した点数によって級が決まります。
- 試験科目:
- TOPIK Ⅰ: 聞き取り(듣기)、読解(읽기)
- TOPIK Ⅱ: 聞き取り(듣기)、読解(읽기)、作文(쓰기)
※TOPIK Ⅱには記述式の作文試験が含まれるのが大きな特徴です。
- 評価: 各科目の合計点によって級が認定されます。
- 実施形式: 従来のPBT(Paper Based Test:紙媒体)に加え、近年はIBT(Internet Based Test:インターネット基盤テスト)形式の導入が進められています。IBTでは、コンピューター上で試験が行われ、結果発表までの期間が短縮されるなどのメリットがあります。
- スピーキングテスト: 2022年より、話す能力を評価する「TOPIK Speaking」も別途導入され、一部の大学や企業で活用され始めています。IBT形式で実施されます。
- 特徴: 問題文や選択肢も含め、全て韓国語で出題されます。アカデミックな内容や社会的なテーマに関する問題も多く、総合的な韓国語運用能力が問われます。留学や韓国企業への就職などで、級の取得が要件とされることが多いです。
ハングル検定とは?TOPIKとの違いと比較
「ハングル能力検定試験(ハン検)」は、日本の特定非営利活動法人ハングル能力検定協会が主催する、主に日本語話者を対象とした韓国語能力の検定試験です。
- レベル: 5級(初級前半)から1級(上級)までの5段階に加え、準2級というレベルもあります。TOPIKよりもレベル設定が細かく、段階的にステップアップしやすいのが特徴です。
- 試験科目: 聞き取り、筆記(級によって内容が異なる。単語、文法、読解、作文、翻訳など)。
- 評価: 各級ごとに合格基準点が設けられています。
- 実施形式: 基本的にPBT(紙媒体)形式です。
- 特徴: 問題文や設問の一部が日本語で書かれており、日本語話者にとって取り組みやすい構成になっています。また、単語や文法知識、日韓翻訳能力なども問われるのが特徴です。日本国内での韓国語学習者や、日本企業での評価指標として広く認知されています。
【TOPIKとハングル検定の主な違い(まとめ)】
項目 | TOPIK | ハングル検定 |
---|---|---|
主催 | 韓国政府(国立国際教育院) | NPO法人ハングル能力検定協会(日本) |
対象者 | 韓国語を母語としない人全般 | 主に日本語話者 |
レベル | I (1-2級), II (3-6級) | 5級, 4級, 3級, 準2級, 2級, 1級 |
出題言語 | 全て韓国語 | 韓国語+日本語(問題指示など) |
主な科目 | 聞き取り、読解、作文(IIのみ) | 聞き取り、筆記(単語、文法、読解、翻訳など級による) |
スピーキング | 別途TOPIK Speakingあり | なし |
主な活用場面 | 韓国への留学・就職、国際的な証明 | 日本国内での学習レベル証明、就職 |
自分に合った試験を選ぼう
どちらの試験が良い・悪いということはありません。自分の学習目的やレベル、試験の特徴を考慮して、最適な試験を選びましょう。両方の試験を段階的に受験していくのも良い方法です。
合格へのマインドセット:「試験のための勉強」から「使える韓国語」へ
試験対策を始めるにあたって、心構えも大切です。
初級と中級の間にそびえる壁
韓国語は日本語と語順が同じで、漢字語由来の単語も多いため、初級レベルでは比較的スムーズに学習が進むことが多いです。しかし、中級レベルに進むと、覚えるべき文法や語彙が格段に増え、複雑な表現も出てくるため、多くの学習者が「壁」を感じます。ここでモチベーションを維持し、学習を継続できるかどうかが、その後の上達を大きく左右します。
試験は「実力測定」と「目標設定」のツール
試験合格だけを最終目標にしてしまうと、勉強が辛くなったり、合格後に燃え尽きてしまったりすることがあります。試験はあくまで、現時点での自分の実力を客観的に知り、次の学習目標を設定するための「ツール(道具)」と捉えるのがおすすめです。「試験をうまく活用する」という意識で臨むことで、肩の力が抜け、より前向きに取り組めるかもしれません。
資格取得の先にある「使いこなす」目標を持つ
試験に合格することは素晴らしい成果ですが、それがゴールではありません。大切なのは、取得した級に見合った韓国語能力を、実際にコミュニケーションや仕事、趣味などで「使いこなせる」ようになることです。「試験のための勉強」ではなく、「韓国語を使って〇〇したい」という具体的な目標を持ち、その達成過程の一つとして試験を活用するという考え方が理想的です。

試験は実力測定のツール。目標を持って計画的に学習を進めよう。
日本人が苦手?「Output(話す・書く)」を克服するコツ
言語学習には、知識をインプット(Input:聞く、読む)するだけでなく、それを実際にアウトプット(Output:話す、書く)する練習が不可欠です。しかし、日本の英語教育の影響などもあり、インプットに比べてアウトプットが苦手、という方も多いのではないでしょうか。
Input偏重からの脱却:なぜOutputが重要か?
いくら単語や文法をたくさん覚えても、実際に使ってみなければ、本当に身についているとは言えません。アウトプットの練習を通して初めて、知識が定着し、応用力がつき、より自然な表現ができるようになります。また、自分の弱点や理解不足な点にも気づくことができます。
「恥ずかしい」「間違えたらどうしよう」を乗り越える
アウトプットをためらう大きな理由の一つが、「間違えることへの恐れ」や「恥ずかしさ」です。特に、日本文化には「完璧主義」や「他人の目を気にする」傾向があるとも言われ、それがアウトプットへの心理的な壁になることがあります。しかし、語学学習において間違いは当然のこと。「間違えたら、その場で直してもらえてラッキー!」くらいの気持ちで、積極的に挑戦することが上達への近道です。
実践!Output練習法
- 独り言(혼잣말:ホンジャンマル): 日常の出来事や自分の考えを、簡単な韓国語で声に出してみる。
- 音読(소리 내어 읽기:ソリネオ イルキ): 教材の例文や好きなドラマのセリフなどを声に出して読む。
- シャドーイング(그림자 따라 말하기:クリムジャ タラ マラギ): 聞こえてくる韓国語の音声に少し遅れて、影のようについていく練習。発音やイントネーションの矯正に効果的。
- 会話練習(회화 연습:フェファ ヨンスプ): オンラインレッスンや言語交換パートナー、韓国語教室、スタディグループなどを活用し、実際に韓国語で話す機会を作る。
- 作文練習(쓰기 연습:スギ ヨンスプ): 短い日記やSNSへの投稿、メールなどを韓国語で書いてみる。TOPIK II対策としても重要。
間違いは成長の糧!フィードバックを活かす
アウトプットして間違いを指摘されたら、それは落ち込むことではなく、むしろ成長のチャンスです。なぜ間違えたのかを考え、正しい表現を学び直すことで、着実に実力が向上します。積極的にフィードバックを求め、それを次に活かす姿勢が大切です。
【会話例:試験の感想】
가: 어제 한국어능력시험을 봤는데 정말 어려웠어.
昨日韓国語能力試験を受けたんだけど、本当に難しかったよ。나: 그랬어? 왜?
そうだったんだ。どうして?가: 모르는 단어가 많았어…
知らない単語が多かったんだ・・・
TOPIK攻略のヒント:読解問題の解き方
試験対策として、具体的な解き方のヒントもご紹介します。ここでは、元記事で触れられている読解問題のコツを見てみましょう。
全て理解できなくてもOK!文脈推測力を鍛える
TOPIKの読解問題では、知らない単語や難しい表現が出てくることもあります。しかし、そこで諦めてはいけません。全ての単語の意味が分からなくても、前後の文脈や文章全体の流れから、その単語の意味や答えを推測できる場合が多いのです。
【元記事の例題】
1ー아침에 일찍 ( ) 일곱 시 비행기를 탈 수 있다.
(朝に 早く ( ) 7時の飛行機に乗ることができる。)➀일어나야 (起きなければ) ②일어나려고 (起きようと) ③일어나며 (起きながら) ④일어나더니 (起きたと思ったら)
この問題で、もし選択肢の文法が分からなくても、「朝早く〇〇すれば、7時の飛行機に乗れる」という文脈を掴めれば、「起きなければならない」という意味の➀「일어나야 (-아/어야 하다)」が正解だと推測しやすくなります。日頃から文章を読む練習を通して、文脈から意味を類推する力を養いましょう。
時間配分を意識する
TOPIKは問題数が多く、時間との勝負でもあります。特に読解や作文では、時間配分を間違えると最後まで解ききれないことも。普段から時間を計って問題を解く練習をし、自分なりのペース配分を掴んでおくことが重要です。
日本語力も武器になる?(ただし頼りすぎ注意)
漢字語など、日本語の知識が韓国語学習の助けになる場面は確かにあります。知らない単語でも、漢字を類推することで意味が分かることも。しかし、意味が異なる単語(例:「애인」)もあるため、常に日本語に置き換えて考えるのではなく、韓国語を韓国語のまま理解しようと努めることが、中級以上へのステップアップには不可欠です。
過去問・模擬試験の活用
試験対策の王道は、やはり過去問や模擬試験を繰り返し解くことです。出題傾向や形式に慣れるだけでなく、時間配分の練習や自分の弱点把握にも繋がります。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを徹底的に分析し、復習することが重要です。
【会話例:学習の楽しさ】
가: 하나코는 한국어 공부한 지 얼마나 됐어?
花子は韓国語の勉強をはじめてどのぐらい?나: 나는 얼마 되지 않았는데…
私はまだそんなにたってないよ。가: 그래? 공부하기 힘들지 않아?
そう。勉強しんどくない?나: 응. 재미있어.
うん。おもしろいよ。
挫折しない!韓国語学習を「楽しく続ける」ための秘訣
語学学習は、一朝一夕には成果が出ません。だからこそ、「楽しく続ける」ことが何よりも大切です。ここでは、学習を習慣化し、モチベーションを維持するためのヒントをご紹介します。

ドラマ、音楽、アプリ… 好きなことを通じて、韓国語を生活の一部に!
「勉強」から「生活の一部」へシフトする
「勉強しなきゃ」と思うと、義務感やプレッシャーを感じてしまいがちです。そうではなく、韓国語を「特別な勉強」ではなく、「日常生活の一部」として自然に取り込んでしまいましょう。
- 日常のモノや行動を韓国語で考えてみる: 顔を洗う時「세수하다 (セスハダ)」、歯を磨く時「이를 닦다 (イルル タクタ)」、料理中に「冷蔵庫(냉장고:ネンジャンゴ)から卵(계란:ケラン)を取り出す」…など、目にするもの、行うことを韓国語で意識してみる。
- 家族や友人を巻き込む?(筆者の体験談): 記事の筆者のように、家族に韓国語で話しかけてみるのも面白い試みかもしれません(理解されなくてもOK!)。アウトプットの練習になりますし、周りの人も巻き込んで楽しむきっかけになるかも?
スキマ時間をフル活用!
まとまった勉強時間が取れなくても大丈夫。日常生活の中には、活用できる「スキマ時間」がたくさんあります。
- PC・スマホ設定変更: パソコンのホームページを韓国のポータルサイト(NAVERなど)にしたり、スマートフォンの言語設定を韓国語にしたりするだけでも、日常的に韓国語に触れる機会が増えます。(最初は大変かもしれませんが…)
- 通勤・通学中に: 単語学習アプリ(Duolingo, Memriseなど)を使ったり、好きなK-POPや韓国語のポッドキャスト、オーディオブックを聞いたりする。
- 短い休憩時間に: 韓国のニュースサイトをチェックしたり、SNSで韓国語の投稿を読んだりする。
5分、10分といった短い時間でも、積み重ねれば大きな力になります。
好きなコンテンツで学ぶ!
自分の好きなことと結びつけるのが、楽しく続ける一番のコツです。
- 韓国ドラマ・映画: 字幕を活用して、聞き取りや表現の練習に。最初は日本語字幕で内容を理解し、次に韓国語字幕で表現を確認、最後は字幕なしで挑戦、といったステップで進めると効果的。好きなシーンのセリフを書き起こしたり、真似して言ってみたりするのも◎。
- K-POP: 歌詞を和訳してみたり、好きなフレーズを覚えたり、歌ったりする。応援しているアイドルのインタビュー動画やバラエティ番組を見るのも、リアルな会話表現に触れる良い機会です。
- ウェブトゥーン(Web漫画): 絵と一緒にストーリーを追えるので、読解の練習に最適。日常会話が多く使われている作品も豊富です。
- YouTube: 韓国語学習チャンネル、韓国のVlog、ビューティーチャンネル、料理チャンネルなど、自分の興味に合ったチャンネルを見つけて視聴する。
「楽しい!」が最強のモチベーション
結局のところ、「楽しい」「面白い」と感じられることが、学習を継続させる最大の原動力です。試験の点数や級に一喜一憂しすぎず、韓国語という言語そのものや、それを通じて触れる文化の面白さを味わうことを大切にしましょう。
無理せず自分のペースで、でも「毎日少しでも触れる」
「毎日1時間勉強する!」と高い目標を立てて挫折するよりも、「毎日5分でも単語を見る」「毎日1曲K-POPを聴く」といった、無理なく続けられる目標を設定する方が効果的です。大切なのは、完璧を目指すことではなく、**毎日少しでも韓国語に触れる習慣**をつけることです。「歯磨き」や「お風呂」と同じように、韓国語に触れることが当たり前の日常になれば、しめたものです。
【会話例:毎日の習慣】
가: 민주야, 잘 먹었어?
ミンジュ~。よく食べた(たくさん食べた)?나: 응, 정말 맛있었어. 아참, 엄마 오늘은 내가 설거지 할게!
うん。本当においしかったよ。そうだ、お母さん、今日は私が皿洗いするね!가: 그래, 도와줘서 고마워.
そう、手伝ってくれてありがとう。—
가: 왜 그렇게 안색이 안 좋아?
なんでそんなに顔色が悪いの?나: 오늘은 회사에서 좋은 일이 없었어.
今日は会社でいいことがなかったんだよ。가: 그렇구나.
そうなんだね~。
(※これらの日常会話も、一つ一つが韓国語学習の素材になりますね。)
まとめ:自分に合った方法で、楽しく着実にステップアップ!
韓国語能力試験(TOPIK)やハングル検定は、あなたの韓国語学習の羅針盤となり、目標達成への大きな推進力となってくれます。しかし、試験合格だけが目的ではありません。大切なのは、試験というツールをうまく活用しながら、実際に「使える」韓国語能力を身につけ、そして何よりも「楽しく」学習を続けていくことです。
InputとOutputのバランスを意識し、間違いを恐れずに積極的にアウトプットする機会を作りましょう。そして、「勉強」と身構えずに、ドラマや音楽、アプリなど、自分の好きなものを通して、韓国語を「生活の一部」として楽しんでみてください。毎日少しずつでも触れ続けることで、あなたの韓国語は着実に、そして確実にステップアップしていくはずです。
화이팅! (ファイティン!)