【驚きの事実】韓国語に潜む日本語一覧!意外な語源と面白い使い方を徹底解説
日本と韓国は地理的に近いだけでなく、歴史的にも深いつながりがあります。そのため、私たちの身の回りには、実はもう一方の国から来た言葉がたくさん溶け込んでいます。
特に韓国語には、日本語を語源とする単語が数多く存在し、今もなお日常的に使われています。しかし、その多くは日本人にとって意外な形で使われていたり、語源を知らずに使っている韓国人も少なくありません。これから韓国語を学ぼうと考えている方、あるいはすでに学習中の方は、ぜひ当サイトが運営する韓国語教室もご検討ください。
本記事では、そんな韓国語の中に隠された日本語の面白い世界を、具体的な単語とその背景を交えながら徹底的に解説していきます。知れば知るほど、両国の言葉と文化の奥深さに驚くこと間違いなしです!
目次
なぜ韓国語には日本語由来の言葉が多いのか?
韓国語の単語帳をめくっていると、「あれ?この単語、日本語にそっくりだ」と感じた経験はありませんか?それもそのはず、韓国語の語彙には、日本語から借用された言葉が数多く存在します。その背景には、主に2つの大きな理由があります。
避けては通れない歴史的背景
最も大きな影響を与えたのは、1910年から1945年までの日本統治時代です。この期間、朝鮮半島では行政や教育の場で日本語の使用が強制されました。その結果、近代的な概念や文物と共に、多くの日本語が韓国語の中に流入し、そのまま定着していったのです。
戦後、韓国ではこれらの言葉を本来の韓国語に言い換える「国語醇化運動」が進められましたが、あまりにも日常に浸透しすぎて変えることが難しかった単語も少なくありません。それらが、今もなお使われ続けている「日本語の残滓」なのです。
地理的近接性が生んだ自然な言語交流
もちろん、歴史的な背景だけでなく、古代から続く地理的な近さも言語交流を促してきました。特に、九州や対馬といった地域と朝鮮半島は海を挟んで目と鼻の先であり、古くから人やモノの往来が盛んでした。この長い交流の歴史の中で、言葉が互いに影響を与え合ったのはごく自然なことと言えるでしょう。
【ジャンル別】日常に溶け込む日本語由来の韓国語
それでは具体的に、どのような日本語が韓国語として使われているのでしょうか。ここでは代表的な単語をジャンル別に見ていきましょう。
食文化編:「고구마(コグマ)」の意外なルーツ
「さつまいも」は韓国語で「고구마(コグマ)」と言います。この可愛らしい響きから、日本では「小熊」が語源だと思われがちですが、それは間違いです。
さつまいもが朝鮮半島に伝わったのは江戸時代。対馬藩を通じて朝鮮通信使が持ち帰ったとされています。当時、対馬の方言ではさつまいもを「孝行芋(こうこういも)」と呼んでいました。これは、かつて飢饉から島民を救った親孝行な芋、という意味合いがあったそうです。
この「こうこういも」という音が、朝鮮の人々の耳には「고귀위마(コグィウィマ)」という漢字の音として聞こえ、それが時を経て「고구마(コグマ)」に変化した、というのが最も有力な説です。日韓の歴史的な交流が感じられる、非常に興味深いエピソードですね。

さつまいもの伝来は、両国の長い交流の歴史を象徴する出来事でした。
<その他、食に関する日本語由来の言葉>
- 빵 (パン): ポルトガル語の「pão」が日本で「パン」になり、それが韓国に伝わりました。
- 오뎅 (おでん): 日本の「おでん」がそのまま使われています。
- 우동 (うどん): 日本の「うどん」もそのままの名前で親しまれています。
- 다대기 (タデギ): 日本語の「叩き」が語源。唐辛子やニンニクなどを叩いて作る薬味を指します。
仕事・現場編:「시마이(シマイ)」は今も使われる?
日本語の「仕舞い(しまい)」に由来する「시마이(シマイ)」という言葉も、特に年配の世代や建設現場、軍隊などで使われることがあります。
「終わり」「おしまい」という意味で、一日の仕事などを終える際に「자, 오늘 일은 여기서 시마이합시다! (さあ、今日の仕事はここでおしまいにしましょう!)」のように使います。近年は公の場ではあまり使われなくなりましたが、俗語として根強く残っている単語の一つです。
오늘은 여기서 시마이!
(今日はここでおしまい!)
<その他、仕事や現場で使われる言葉>
- 노가다 (ノガタ): 日本語の「土方(どかた)」が語源で、主に肉体労働を指す俗語。
- 공구리 (コングリ): 「コンクリート」の日本語なまりが語源です。
- 함바 (ハンバ): 飯場(はんば)」という日本語が語源で、工事現場の簡易食堂を指します。
生活・一般編:「가방(カバン)」も実は日本語だった!
非常に広く使われている「가방(カバン)」も、実は日本語の「鞄(かばん)」がそのまま定着した言葉です。今では完全に韓国語として認識されており、語源を知らない韓国人がほとんどです。
<その他、生活に根付く日本語由来の言葉>
- 구두 (クドゥ): 「靴(くつ)」が語源。
- 사라 (サラ): 「皿(さら)」が語源ですが、今はあまり使われず「접시(チョプシ)」が一般的です。
- 요이 땅 (ヨイタン): かけっこの「用意、ドン!」がそのまま使われています。
- 땡 (テン): クイズなどで不正解の時の「チーン!」というブザー音。「땡! 틀렸습니다! (テン!違います!)」のように使われます。
意味やニュアンスが変化した面白い単語
言葉は生き物です。他の言語から借用される過程で、元の意味やニュアンスが変化することは珍しくありません。ここでは、日本語を語源としながらも、韓国で独自の進化を遂げた面白い単語たちを見ていきましょう。
カッコいいの代名詞「간지(カンジ)」
若者言葉としてすっかり定着した「간지(カンジ)」は、日本語の「感じ」が語源です。しかし、意味は大きく変化しました。韓国語の「간지」は、単なる「感じ」や「雰囲気」ではなく、「かっこよさ」「イケてる」「センスが良い」といった、非常にポジティブな意味で使われます。
主に「出る」を意味する「나다(ナダ)」と一緒に使い、「간지나다(カンジナダ)」という形で「かっこいい」「様になっている」と表現します。おしゃれな服装の人や、スタイリッシュなアイテムに対して使われることが多いです。
와, 저 배우 스타일 완전 간지나는데?
(うわ、あの俳優のスタイル、めっちゃイケてるんだけど?)
さらに、「~男」「~女」を意味する「남(ナム)」「녀(ニョ)」と組み合わせて、「간지남(カンジナム)」(イケてる男)、「간지녀(カンジニョ)」(イケてる女)といった造語も生まれました。元の「感じ」という言葉からは想像もつかない、ダイナミックな意味の変化です。

「간지(カンジ)」は、現代韓国の若者文化を象徴するキーワードの一つです。
微妙に違う?「애매하다(エメハダ)」と「曖昧」
「애매하다(エメハダ)」は、日本語の「曖昧(あいまい)」が語源です。どちらも「はっきりしない状態」を指す点では共通していますが、韓国語ではもう少し広いニュアンスで使われます。
日本語の「曖昧」が「曖昧な返事」のように態度や表現がぼんやりしている様子を指すのに対し、韓国語の「애매하다」はそれに加えて「どちらか一方を選ぶのが難しい、判断に迷う、微妙だ」という状況で非常によく使われます。例えば、食事に誘われて、行きたいような行きたくないような微妙な気持ちの時に「약속이 좀 애매한데… (約束がちょっと微妙なんだけど…)」と言ったりします。
ネガティブな響きを持つ「무대포(ムデッポ)」と「無鉄砲」
「무대포(ムデッポ)」は日本語の「無鉄砲(むてっぽう)」から来ています。日本語の「無鉄砲」は、後先を考えない向こう見ずな行動を指し、若さゆえの過ちのような、少しポジティブなニュアンスを含むこともあります。
しかし、韓国語の「무대포」は、「計画性がなく、人の話を聞かずに強引に物事を進める」「頑固で一方的」といった、かなりネガティブな意味合いで使われるのが一般的です。「그 사람은 너무 무대포야. (あの人は本当に無鉄砲だ)」と言った場合、それは単なる向こう見ずではなく、協調性のない独善的な人だという非難のニュアンスが強くなります。
日韓ハイブリッド言語「한본어(韓本語)」のユニークな世界
近年、特に若者やネットユーザーの間で、韓国語と日本語を意図的にミックスして使う面白い現象が見られます。それが「한본어(韓本語)」です。「韓国語(한국어)」と「日本語(일본어)」を組み合わせた造語で、そのユニークな響きと面白さから広く使われるようになりました。
「韓本語」とは?若者文化が生んだ言葉遊び
韓本語は、2010年代にテレビのコント番組やSNSを通じて広まりました。特に、日本のアニメや漫画、ゲームなどのサブカルチャーに親しむ層が、面白半分で使い始めたのがきっかけと言われています。
韓国語と日本語は文法構造(主語-目的語-動詞)が非常に似ているため、単語を入れ替えるだけで簡単に文章が作れてしまいます。この手軽さが、言葉遊びとしての韓本語の流行を後押ししました。

韓本語は、ネットカルチャーが生んだ新しいコミュニケーションの形です。
笑える!面白い「韓本語」の具体例
百聞は一見に如かず。実際にどのような韓本語があるのか見てみましょう。
깜짝놀랐다데스. (カムチャクノルラッタデス)
訳:びっくりしたです。
解説:韓国語の「깜짝 놀랐다(びっくりした)」に、日本語の「~です」をくっつけた形。
도움구다사이! (ドウㇺクダサイ)
訳:助けてください!
解説:韓国語で「助け」を意味する名詞「도움」に、日本語の「ください」を付け足しています。
설마사카… (ソルマサカ)
訳:まさか…
解説:「まさか」という意味の韓国語「설마」と日本語「まさか」を合体させた、強調表現です。
なぜ「韓本語」は若者に受け入れられるのか?
韓本語が若者にウケる理由は、その独特のユーモラスな響きにあります。また、仲間内だけで通じる隠語のような側面もあり、親密なコミュニケーションツールとして機能しています。歴史的な背景を持つ日本語由来の言葉とは異なり、韓本語は現代のポップカルチャーを土台にした、よりポジティブで軽やかな日韓言語交流の象徴と言えるかもしれません。
韓国社会は日本語の残滓をどう見ているか
ここまで見てきたように、韓国語の中には多くの日本語が根付いています。では、現代の韓国社会はこれらの言葉をどのように捉えているのでしょうか。そこには、二つの側面があります。
国策としての「国語醇化運動」
韓国では、国立国語院を中心に、日本語由来の言葉を固有語や新しい韓国語に言い換える「国語醇化運動(국어 순화 운동)」が長年にわたり行われてきました。例えば、「弁当」を意味していた「벤토(ベント)」は「도시락(トシラク)」に、「鶏の炒め煮」を指していた「닭도리탕(タクトリタン)」の「도리」が日本語の「鳥」であるとして「닭볶음탕(タクポックムタン)」へと、言い換えが推奨され、成功した例も多くあります。
しかし、「うどん」や「おでん」のように、代わりとなる言葉がなく、あまりにも生活に密着しすぎた言葉は、醇化運動の対象とされながらも、今なお広く使われ続けています。
文化交流が育む新しい言葉の未来
一方で、近年はK-POPや韓国ドラマ、日本のアニメや漫画といったポップカルチャーを通じて、双方向の言語交流が活発になっています。例えば、日本語の「推し(오시)」や「沼(누마)」といった言葉が、韓国のファンの間でも使われるようになっています。
歴史的な背景から生まれた言葉だけでなく、現代の文化交流から新しい言葉が生まれているのです。これは、日韓の言語交流が新たなステージに入ったことを示しているのかもしれません。
まとめ
今回は、韓国語の中に隠れている面白い日本語の世界を探訪しました。「고구마」の意外な語源から、意味が変化した「간지」、そして現代の言葉遊び「한본어」まで、様々な事例をご紹介しました。
言葉は、時代や社会を映す鏡であり、文化交流の生き証人です。日本語由来の韓国語を知ることは、単なる単語の暗記にとどまらず、両国の複雑な歴史や文化の深いつながりを理解する、素晴らしいきっかけとなります。
皆さんもぜひ、韓国ドラマや音楽、友人との会話の中で、今回ご紹介したような言葉を探してみてください。きっと、韓国語の学習がもっと楽しく、奥深いものになるはずです。