「これは何ですか」「あの人は誰ですか」「駅はどこですか」といった、モノ・人・場所を指し示す表現は、韓国語の日常会話において最も頻繁に使う基礎知識です。日本語では「これ・それ・あれ・どれ」「ここ・そこ・あそこ・どこ」のように、頭文字をとって「こそあど言葉(指示代名詞)」と呼ばれますが、韓国語にもまったく同じ役割を果たす体系的な仕組みが存在します。

韓国語の指示表現の軸となるのは、이(この)・그(その)・저(あの)の3つです。基本となる物理的な距離感さえつかめば、後ろにつく単語を変えるだけで「物・場所・方向・人」へと一気に語彙を広げることができます。独学で韓国語を学び始めたばかりの方でも、仕組みさえ理解できれば今日からすぐに使いこなせるようになります。

ただし、日本語と韓国語は一対一で単純に置き換えられない場面もあります。特に日本語の「あの」に対応する韓国語が그 と 저 の2通りに分かれる点や、書き言葉の「이것」が会話では「이거」「이게」へと変化する縮約形は、初学者が最初につまずきやすいポイントです。基礎から会話表現までを正しく学べる環境を整えるなら、プロの指導が受けられる 韓国語教室 も活用しながら、着実にステップアップしていきましょう。

目次 [ close ]
  1. 韓国語の指示代名詞(こそあど)基本一覧表
  2. 이・그・저の根本的な使い分けと距離感
    1. 話し手の空間や現在進行形の話題を指す「이(この)」
    2. 相手側にあるもの・共通の話題・記憶を指す「그(その・例の)」
    3. 双方から離れた遠くの対象を指す「저(あの)」
  3. 「これ・それ・あれ」を表す이것・그것・저것と会話の縮約形
    1. 書き言葉の基本形と口語変化(이거・그거・저거)
    2. 助詞がついた会話の縮約形一覧
  4. 「ここ・そこ・あそこ・どこ」場所の指示表現と助詞
    1. 基本の4単語(여기・거기・저기・어디)の役割
    2. 場所につく助詞(에 と 에서)の絶対的なルール
  5. 「こちら・そちら・あちら・どちら」方向と人を丁寧に表す쪽
  6. 「この人・あの方」人を指す指示表現と敬語の使い分け
  7. 「どの(어느)」と「どんな(어떤)」の疑問詞の相違点
    1. 候補から選択する「어느」
    2. 性質や属性を尋ねる「어떤」
  8. 実践!買い物や旅行の場面別会話シチュエーション
    1. 場面1:韓国のセレクトショップで買い物をする時の対話
    2. 場面2:街中で駅や目的地を尋ねる道案内の対話
  9. 初心者によくある勘違いと注意すべき落とし穴
    1. 落とし穴1:「이・그・저」だけで「これ・それ・あれ」と言ってしまう
    2. 落とし穴2:時間の「この~」を何でも「이」にしてしまう
  10. 効果的に身につく!おすすめの学習計画と復習ステップ
    1. 1週間でマスターするステップアップ計画
  11. 理解度チェック!確認テスト10問
  12. よくある質問(Q&A)
  13. 次のステップへ:自然な発音と会話力を伸ばすために

韓国語の指示代名詞(こそあど)基本一覧表

この章の要点
  • 韓国語の指示表現は「이(近称)・그(中称/文脈)・저(遠称)・어느/어디(疑問)」が根幹をなす
  • 接尾尾(것、쪽、곳、사람など)を組み合わせることで、モノ・場所・方向・人を体系的に表現できる
  • 会話では「이것」が「이거」になるなど、話し言葉特有の縮約形が多用される

まずは、韓国語の「こそあど言葉」の全体像を一覧表で把握しましょう。名詞の前に置く連体形から、物、場所、方向、人を表す形まで、ルールに基づいて綺麗に整列しています。

分類 話し手に近い(こ) 相手側・話題(そ) 両者から遠い(あ) 疑問(ど)
名詞の前(冠飾語) 이(この) 그(その・例の) 저(あの) 어느(どの)
物・事柄(基本) 이것(これ) 그것(それ) 저것(あれ) 어느 것(どれ)
物・事柄(会話形) 이거(これ) 그거(それ) 저거(あれ) 어느 거(どれ)
場所(日常) 여기(ここ) 거기(そこ) 저기(あそこ) 어디(どこ)
場所(丁寧・文章語) 이곳(ここ・この場所) 그곳(そこ・その場所) 저곳(あそこ・あの場所) 어느 곳(どの場所)
方向・側 이쪽(こちら) 그쪽(そちら) 저쪽(あちら) 어느 쪽(どちら)
人(普通) 이 사람(この人) 그 사람(その人) 저 사람(あの人) 어느 사람(どの人)
人(丁寧・敬称) 이분(この方) 그분(その方) 저분(あの方) 어느 분(どの方)

韓国語の指示代名詞は、根底にある「距離感」の概念が非常にシンプルです。まずは以下のコアとなる原則を頭に入れましょう。

  • 이(イ):話し手の領域にあるもの(近称)
  • 그(ク):聞き手の領域にあるもの、または会話で既に出た話題(中称・文脈指示)
  • 저(チョ):話し手・聞き手の両方から離れている視界内のもの(遠称)
  • 어느(オヌ)/ 어디(オディ):不特定多数の中から特定を求める表現(不定・疑問)

이・그・저の根本的な使い分けと距離感

この章の要点
  • 이・그・저 は必ず名詞の直前に置く修飾表現(「この~」「その~」「あの~」)
  • 「그」は目の前にない「文脈上の話題」や「共通の記憶」に対しても使用される
  • 日本語の「あの」は、目に見えているか(저)記憶の中か(그)で使い分けが必要
韓国語の指示代名詞の整理ノートと学習アイテム
이・그・저の基本概念と距離感の違いを体系的に整理することがマスターへの第1歩

話し手の空間や現在進行形の話題を指す「이(この)」

「이」は、話し手自身の手元にある物、話し手のすぐ近くにいる人、自分が現在身を置いている場所を指すときに使用します。物理的な距離だけでなく、会話の中で「今まさに取り上げているトピック」に対しても心理的距離の近さから「이」が選ばれます。

フレーズ
이 책을 읽어 보세요.
日本語訳
この本を読んでみてください。
使う場面
自分の手元にある本を相手に推薦して手渡すとき。
注意点・誤用例
相手の手元にある本に対して「이 책」と言うと不自然になります。
発音・ニュアンス
発音は「イ」。短くハッキリ発音し、後ろの名詞「책(チェッ)」へスムーズに繋げます。

相手側にあるもの・共通の話題・記憶を指す「그(その・例の)」

「그」は聞き手の近くにある物理的な対象を指すほか、「相手が前に話した内容」「自分と相手が共通して知っている話題・記憶」を指すという極めて重要な機能を持っています。

フレーズ
그 영화 정말 재미있었어요.
日本語訳
あの映画、本当に面白かったです。
使う場面
以前一緒に観に行った映画や、事前に相手から聞いていた映画の感想を話す時。
注意点・誤用例
日本語で「あの映画」と言うからといって「저 영화」にすると、「今遠くに見える映画の看板」という意味に変わってしまいます。
発音・ニュアンス
発音は「ク」。口を横に少し引いて「ウ」の口の形で「ク」と発声します。

双方から離れた遠くの対象を指す「저(あの)」

「저」は、話し手と聞き手の双方から物理的に離れており、かつ「視界に入っている遠くの対象」を指す時に用いられます。指を差して確認できるような距離感が基本です。

フレーズ
저 건물이 서울역이에요.
日本語訳
あの建物がソウル駅です。
使う場面
道を歩いていて、遠くに見えるランドマークを相手に教える時。
注意点・誤用例
視界に見えていない「昨日行ったソウル駅」に対して「저 건물」と言うことはできません。
発音・ニュアンス
発音は「チョ」。口を大きく開けずに「オ」と「ア」の中間のような音を意識します。
注意点:「あの」の翻訳で迷ったときの見分け方

日本語の「あの」は、①今その場で見えているか②お互いの記憶の中にあるかで韓国語が変わります。「目の前に見えている=저」「会話や過去の思い出=그」と覚えるのが最大のコツです。

「これ・それ・あれ」を表す이것・그것・저것と会話の縮約形

この章の要点
  • 指示代名詞(이・그・저)に不完全名詞「것(モノ・コト)」を付けると「これ・それ・あれ」になる
  • 日常会話では「이것→이거」「그것→그거」「저것→저거」という話し言葉の形が圧倒的に使われる
  • 助詞が合体した「이게(これが)」「이건(これは)」「이걸(これを)」は必須リスニングポイント

物や抽象的な事柄を指す場合、「이・그・저」の後ろに「もの」を意味する「것(コッ)」を接続させます。書き言葉の基本形と、日常会話で頻出する口語形の違いをしっかり比較しましょう。

書き言葉の基本形と口語変化(이거・그거・저거)

教科書では「이것(イゴッ)」「그것(クゴッ)」「저것(チョゴッ)」として学習しますが、実際にネイティブが会話をする際は、パッチムが脱落した「이거(イゴ)」「그거(クゴ)」「저거(チョゴ)」が使われます。

基本形(文章・丁寧) 会話形(口語) 日本語訳
이것 이거 これ
그것 그거 それ
저것 저거 あれ
어느 것 어느 거 どれ

助詞がついた会話の縮約形一覧

「~が」「~は」「~を」といった助詞が結合すると、さらに短く音の変化が起こります。ドラマや歌の歌詞で頻出するため、音ごと暗記してしまうのが効果的です。

助詞の種類 基本文法形 会話での短縮形 発音の目安 意味
主格(〜が) 이것이 이게 イゲ これが
그것이 그게 クゲ それが
저것이 저게 チョゲ あれが
主題(〜は) 이것은 이건 イゴン これは
그것은 그건 クゴン それは
저것은 저건 チョゴン あれは
目的格(〜を) 이것을 이걸 イゴル これを
그것을 그걸 クゴル それを
저것을 저걸 チョゴル あれを
フレーズ
이게 뭐예요? / 이걸로 주세요.
日本語訳
これは何ですか? / これにしてください(これにします)。
使う場面
飲食店やショップでの買い物の際、メニューや指し示した商品を注文する超定番表現。
注意点・誤用例
「이것이 뭐예요?」と言っても通じますが、やや硬く不自然な印象を与えます。
発音・ニュアンス
「イゲ」「イゴルロ」と1つの単語のように流暢に発音するのがポイントです。

「ここ・そこ・あそこ・どこ」場所の指示表現と助詞

この章の要点
  • 場所は「여기(ここ)・거기(そこ)・저기(あそこ)・어디(どこ)」が基本セット
  • 助詞「에(~に・存在)」と「에서(~で・動作)」を正しく使い分ける
  • 「저기요(すみません)」は呼びかけ専用表現として覚える

旅行中や日常の道案内で絶対に欠かせないのが場所の指示表現です。単体の単語だけでなく、後ろにつく「助詞の使い分け」に注目して学習を進めましょう。

基本の4単語(여기・거기・저기・어디)の役割

それぞれの単語は、物指しの「이・그・저」と同じ感覚で距離に応じた位置を示します。

  • 여기(ヨギ):話し手がいる場所、または自分の手元の場所(ここ)
  • 거기(コギ):相手がいる場所、または会話に登場した場所(そこ)
  • 저기(チョギ):お互いから離れた視界内の場所(あそこ)
  • 어디(オディ):疑問を表す場所(どこ)
フレーズ
화장실이 어디예요? / 저기요, 주문할게요.
日本語訳
トイレはどこですか? / すみません(呼びかけ)、注文します。
使う場面
目的地を探す時、および飲食店で店員を呼んで注文する場面。
注意点・誤用例
呼びかけの「저기요」を「あそこです」という意味で使うと誤解を生むので文脈に注意しましょう。
発音・ニュアンス
「チョギヨ」は語尾を少し上げて優しく発音すると、丁寧な呼びかけになります。

場所につく助詞(에 と 에서)の絶対的なルール

場所に接続する格助詞「에」と「에서」は、動詞の性質によって使い分けが厳格に決まっています。

  1. 에(~に):静止した存在(있다/없다)や、移動の目的地(가다/오다)を表す
  2. 에서(~で):特定の場所で「動的なアクション(食べる・勉強する・遊ぶ等)」を行う場合を表す(※会話では「서」に縮約)
フレーズ
여기에 가방이 있어요. / 여기서 기다려 주세요.
日本語訳
ここにカバンがあります。 / ここで待ってください。
使う場面
単なるモノの存在場所を示す時と、「待つ」という行動を行う場所を指定する時の違い。
注意点・誤用例
「여기에 기다려 주세요」とすると、韓国語としては不自然な助詞ミスになります。
発音・ニュアンス
「여기에서」は会話ではほぼ「여기서(ヨギソ)」と略して発音されます。

「こちら・そちら・あちら・どちら」方向と人を丁寧に表す쪽

この章の要点
  • 「쪽(~側・方向)」をつけることで、方角や丁寧な位置表現が可能
  • 道案内では「이쪽으로(こちらへ)」など、助詞「(으)로」との組み合わせが基本
  • 人に対して「그쪽(そちら)」を使う場合は失礼にならないよう注意が必要

「~側、~の方角」を意味する「쪽(チョッ)」を繋げると、より丁寧でソフトな方向表現になります。

  • 이쪽(イッチョッ):こちら・こちら側
  • 그쪽(クチョッ):そちら・そちら側
  • 저쪽(チョチョッ):あちら・あちら側
  • 어느 쪽(オヌ チョッ):どちら・どちら側
フレーズ
이쪽으로 오세요. / 어느 쪽이 출구예요?
日本語訳
こちらへお越しください(どうぞ)。 / どちらが出口ですか?
使う場面
案内や誘導、複数の選択肢から方向を確認する会話。
注意点・誤用例
相手個人を直接「그쪽(そちら)」と呼ぶと、冷たい・ぶっきらぼうな響きに聞こえることがあるため、初対面では名前や役職で呼ぶのが無難です。
発音・ニュアンス
濃音「쪽(チョッ)」を強めに息を出さずに発音するのがコツです。

「この人・あの方」人を指す指示表現と敬語の使い分け

この章の要点
  • 人を指す基本表現は「사람(人)」を付けて「이 사람 / 그 사람 / 저 사람」
  • 目上の人や初対面、丁寧な場面では「분(方)」を用いて「이분 / 그분 / 저분」を使う
  • 「誰」と尋ねる際は「누구」と「어느 분」のニュアンスの違いを意識する

人物を指示する際は、対象との関係性や敬意の度合いに応じて表現を切り替えます。韓国語は敬語文化が非常に発達しているため、使い分けが大切です。

対象の位置 一般表現(사람) 敬語表現(분) 日本語訳
近い人 이 사람 이분 この人 / この方
相手の近く・話題の人 그 사람 그분 その人 / その方・あの方
遠くの人 저 사람 저분 あの人 / あの方
疑問(どの人) 어느 사람 어느 분 どの人 / どの方
フレーズ
이분이 김 선생님이세요. / 저분은 누구세요?
日本語訳
この方がキム先生です。 / あの方はどなたですか?
使う場面
第三者を紹介する場面や、離れた場所にいる目上の人物について尋ねる時。
注意点・誤用例
目上の人を指して「이 사람」と言うと非礼になります。「이분」を意識して使いましょう。
発音・ニュアンス
「이분(イブン)」のようにパッチムを意識してしっかり発声します。

「どの(어느)」と「どんな(어떤)」の疑問詞の相違点

この章の要点
  • 「어느」は複数の選択肢・候補の中から1つを選ぶ(どの)
  • 「어떤」は相手の好みや対象の性質・特徴を尋ねる(どんな)
  • 「何」を表す「무엇/뭐」との違いも整理して誤用を防ぐ

日本語の「どのような」という質問は、韓国語では目的によって明確に単語が使い分けられます。

候補から選択する「어느」

明確にいくつか存在する選択肢(国、本、選択肢など)の中から「どれか1つ」を特定してもらう際に使います。

フレーズ
어느 나라에서 왔어요?
日本語訳
どの国から来ましたか?
使う場面
世界各国という限定された候補から出身国を尋ねる場面。
注意点・誤用例
分かち書きが必要なので「어느나라」とくっつけて書かないように注意しましょう。
発音・ニュアンス
「オヌ」とクリアに発声します。

性質や属性を尋ねる「어떤」

選択肢ではなく、ジャンル・雰囲気・好み・人物像など「どのような性質を持っているか」を幅広く質問する際に使います。

フレーズ
어떤 음식을 좋아해요?
日本語訳
どんな食べ物が好きですか?
使う場面
相手の嗜好や料理のタイプ(辛いもの、甘いもの等)を尋ねる時。
注意点・誤用例
メニューを見て「どれにしますか」と選ぶ場面で「어떤 거」を使うと曖昧になるため、「어느 거」が適切です。
発音・ニュアンス
「オットン」とパッチム「ㄴ」を鼻に抜かせるように発音します。

実践!買い物や旅行の場面別会話シチュエーション

この章の要点
  • 実際のシチュエーションを通して指示表現がどう変化するかを確認する
  • 買い物の会話では「이거 / 그거 / 저거」の切り替わりが重要な鍵
  • 道案内では1度話題に出た場所が「저기」から「그」へと切り替わる
韓国のショップで指示代名詞を使って買い物をするシチュエーション
お店で「이거 주세요(これをください)」と指さす場面は、最も頻繁に使う実践フレーズの代表例

場面1:韓国のセレクトショップで買い物をする時の対話

客(あなた)と店員のやり取りの中で、視点によって指示詞が「이거」「그거」「저거」と鮮やかに切り替わる様子を体感しましょう。

買い物ロールプレイ
客:이거 얼마예요?(これ、いくらですか?)
店員:그거는 삼만 원이에요.(それは3万ウォンです。)
客:저거는요?(あれはどうですか?)
店員:저건 이만 원이에요.(あれは2万ウォンです。)
客:그럼 이걸로 주세요.(じゃあ、これをください。)
ポイント解説
客の手元にあるモノは客からは「이거(これ)」、店員からは「그거(それ)」になります。一方、奥の棚にある商品は双方から離れているため「저거(あれ)」で統一されています。

場面2:街中で駅や目的地を尋ねる道案内の対話

旅行先で現地の人に道を聞く際にも、指示表現は大活躍します。

道案内ロールプレイ
旅行者:실례합니다. 지하철역이 어디예요?(すみません。地下鉄の駅はどこですか?)
通行人:이쪽으로 쭉 가세요.(こちらへまっすぐ行ってください。)
旅行者:저기 보이는 건물 앞이에요?(あそこに見える建物の前ですか?)
通行人:아니요. 그 건물을 지나서 오른쪽으로 가세요.(いいえ。その建物を通り過ぎて右に行ってください。)
ポイント解説
視界に見える建物は「저기 보이는 건물(あそこに見える建物)」と「저」を使いますが、一度話に出た後は文脈上の話題となるため通行人は「그 건물(その建物)」と受けています。

初心者によくある勘違いと注意すべき落とし穴

この章の要点
  • 「이・그・저」単体で「これ・それ・あれ」として使う誤用が多い
  • 時間表現(今週、今年、この前など)の「この」を無条件に「이」と直訳しない
  • 語尾のパッチム「ㅅ」の発音変化(パッチム化と連音化)をマスターする

落とし穴1:「이・그・저」だけで「これ・それ・あれ」と言ってしまう

初学者が最もやりがちな間違いが、「이, 주세요(この、ください)」のように単体で使ってしまうことです。「이・그・저」は英語でいう「this / that」の冠飾語(形容詞的役割)であるため、必ず直後に名詞を伴わなければなりません。単独で使いたい場合は必ず「이것 / 이거」にしましょう。

落とし穴2:時間の「この~」を何でも「이」にしてしまう

日本語の「この前」「今週」「今年」などは、「이」を使わない固有の表現が存在します。

日本語 不自然な直訳 正しい韓国語表現
この前 이 전(✕) 지난번 / 요전
今週(この週) 이 주(✕) 이번 주
今年(この年) 이 년(✕) 올해
この夏 이 여름(✕) 올여름

効果的に身につく!おすすめの学習計画と復習ステップ

この章の要点
  • 1週間単位の明確なロードマップに沿って段階的に覚える
  • 身の回りのものを実際に指差しながら口に出す「五感学習」が有効
  • 韓国ドラマやバラエティの音声から縮約形を聞き取る耳を養う

暗記作業を一気に進めようとすると途中で挫折しやすくなります。以下の1週間学習スケジューリングを参考に、無理なく定着させていきましょう。

1週間でマスターするステップアップ計画

  1. 1日目〜2日目:「이・그・저」の軸と距離感の概念を理解し、身の回りのモノ(이 책、그 컵など)を指差す練習
  2. 3日目〜4日目:「이거・그거・저거」および縮約形(이게・이건・이걸)を徹底的に口になじませる
  3. 5日目:場所・方向(여기・거기・저기・이쪽)と助詞(에/에서)の組み合わせをマスター
  4. 6日目:ドラマやYouTubeを観ながら「이건」「그게」などのリスニング実戦テスト
  5. 7日目:確認問題で総復習を行い、言えなかった部分をチェック

理解度チェック!確認テスト10問

この章の要点
  • 学んだ知識を定着させるためにアウトプット問題に挑戦する
  • 会話の自然な口語形(縮約形)を使って韓国語に訳せるか試す
  • 解答例と比較して自分の苦手な箇所を洗い出す

以下の日本語を、自然な韓国語に訳してみましょう。(※答えは折りたたみの下で確認できます)

  1. この本を読んでみてください。
  2. あの人は誰ですか?
  3. これは何ですか?
  4. それは私のものです。
  5. あれはいくらですか?
  6. ここで待ってください。
  7. トイレはどこですか?
  8. こちらへどうぞ。
  9. どちらが出口ですか?
  10. (お互いが知っている)あの映画、覚えていますか?
【解答例】

1. 이 책을 읽어 보세요.
2. 저 사람이 누구예요?
3. 이게 뭐예요?
4. 그건 제 거예요.
5. 저건 얼마예요?
6. 여기서 기다려 주세요.
7. 화장실이 어디예요?
8. 이쪽으로 오세요.
9. 어느 쪽이 출구예요?
10. 그 영화 기억나요?

よくある質問(Q&A)

Q1. 「이것」と「이거」のどちらを覚えればいいですか?

どちらも同じ意味ですが、実際の日常会話や旅行先では「이거」が圧倒的に使われます。文章を書くテストなどでは「이것」が好まれますが、まずは口になじみやすい「이거」から覚えるのがおすすめです。

Q2. 「あの」と言いたい時に「그」と「저」で迷ったらどう判別しますか?

今、自分と相手の目の前(視界)に見えているなら「저」、目には見えておらず、過去の思い出や会話の話題に出ているだけなら「그」を使います。

Q3. 「어느」と「어떤」の違いを簡単に覚える方法は?

「어느」は「どれ/どの(選択肢から選ぶ)」、「어떤」は「どんな(特徴やタイプを聞く)」と覚えておくとスムーズです。

Q4. レストランで「すみません」と呼ぶ時の「저기요」はなぜ「あそこ」なのですか?

もともとは「あそこにいる方」へ視線を送る呼びかけから派生し、現在では店員を呼ぶ際の固まった挨拶(呼びかけ用語)として定着したためです。

Q5. 韓国語の指示代名詞を最短でマスターするコツは何ですか?

文法書を読むだけでなく、手元のペンを「이거」、少し離れたスマホを「그거」と指差しながら自分の声で発声する実体験トレーニングが最も効果的です。

次のステップへ:自然な発音と会話力を伸ばすために

韓国語の継続学習と次のステップをイメージさせるデスク環境
指示表現の基礎を固めたら、実際の会話でネイティブの反応を見ながら自分のペースでレベルアップしましょう

本記事で解説した「이・그・저」の仕組みと各種表現を理解できれば、独学でも韓国語の指示代名詞を十分に使いこなせるようになります。まずは身近なものを指差しながら声に出し、ドラマや日常会話の中で使われるタイミングを意識して聞いてみてください。

一方で、「自分の発音(パッチムや連音化)が相手に通じるか不安」「微妙なニュアンスの違いを直接プロに質問したい」と感じる場面も出てくるでしょう。独学と並行して講師からのフィードバックを受ける環境を組み合わせると、学習スピードや実践的な発音の美しさは飛躍的に向上します。ご自身の学習スタイルや目的に合わせて、最適な学習環境を選択していきましょう。