韓国語の上級表現をマスター!ニュースや論文で頻出のかしこまった接続語尾4選
韓国語のニュースサイトを読んだり、論文を読んだりしていると、「普段の会話ではあまり聞かないけれど、文章ではよく見るな…」と感じる表現に出会うことはありませんか?
韓国語には、日常会話で使われる表現とは別に、ニュース、公式文書、発表、論文といったフォーマルな場や書き言葉で好んで用いられる、少しかしこまった表現が存在します。
これらの表現を理解し、使いこなせるようになると、韓国語の読解力が格段に向上し、より深い内容を理解できるようになります。さらに、ビジネスシーンやアカデミックな場面で、より適切で洗練された韓国語を話したり書いたりできるようになるでしょう。
この記事では、そうした「かしこまった表現」の中でも特に重要な接続語尾「~(으)며」「~(으)나」「~아/어/여」「~(으)므로」の4つをピックアップし、その意味、使い方、そして日常会話表現との違いを、豊富な例文とともに詳しく解説していきます。
目次
なぜ、かしこまった韓国語表現を学ぶ必要があるのか?
「日常会話ができれば十分では?」と思う方もいるかもしれません。しかし、かしこまった表現を学ぶことには、以下のような大きなメリットがあります。
日常会話とのギャップを埋める
韓国語学習が進むにつれて、多くの人が直面するのが、会話レベルと読解レベルのギャップです。友達との会話は問題なくても、ニュース記事や専門書になると途端に難しく感じることがあります。その原因の一つが、この「かしこまった表現」の知識不足です。これらを学ぶことで、ギャップを埋め、より幅広い韓国語に触れる準備ができます。
ニュースや専門文書の読解力向上
新聞、テレビニュース、政府の発表、企業の報告書、学術論文などでは、正確さと客観性が求められるため、かしこまった接続語尾が頻繁に使われます。これらの表現を知っているかどうかで、情報の理解度が大きく変わってきます。韓国社会の動向を深く知りたい、専門分野の研究をしたいという方には必須の知識と言えるでしょう。
ビジネスやフォーマルな場での信頼性向上
韓国企業との取引や、学会での発表など、フォーマルな場面で韓国語を使う機会がある場合、適切な言葉遣いは相手に与える印象を大きく左右します。かしこまった表現を適切に使いこなすことで、知的で信頼できる印象を与え、円滑なコミュニケーションを築くことができます。
同時・並列を表す「~(으)며」(~しながら、~く、~で)
「~(으)며」は、主に二つの動作が同時に行われることや、二つの同等の事実・状態を並べて述べるときに用いられる接続語尾です。日常会話でよく使われる「~(으)면서」(~しながら)や「~고」(~して、~で)の、よりフォーマルで文語的な表現と位置づけられます。
基本的な用法と「~고」「~(으)면서」との違い
「~(으)며」は、「~고」や「~(으)면서」と似た意味を持ちますが、ニュアンスに違いがあります。
- ~(으)며: 最も文語的で硬い表現。ニュース記事、論文、公式発表などで頻出。動作の同時性だけでなく、性質や状態の並列にも広く使われます。
- ~(으)면서: 主に「~しながら」という同時動作を表す際に使われます。会話でも書き言葉でも使われますが、「~(으)며」ほど硬い印象はありません。
- ~고: 最も一般的で、会話で頻繁に使われます。動作の順序、単純な並列など、幅広い意味で使われます。
つまり、「~(으)며」は、より客観的で、書き言葉としての格調高さを出す際に選択される傾向があります。
「~(으)며」の活用ルール
動詞や形容詞の語幹に接続します。活用のルールは以下の通りです。
- 語幹が母音で終わる場合 (例: 가다, 보다): 「~며」を付けます。 (가며, 보며)
- 語幹がㄹパッチムで終わる場合 (例: 살다, 만들다): 「~며」を付けます。 (살며, 만들며)
- 語幹がㄹ以外のパッチムで終わる場合 (例: 먹다, 읽다): 「~으며」を付けます。 (먹으며, 읽으며)
例文で学ぶ「~(으)며」
한국 사람은 정이 많으며 잘 뭉치는 편인 것 같다.
韓国人は情が深く、よく団結する方であると思う。(性質の並列)
그는 음악을 들으며 책을 읽는다.
彼は音楽を聴きながら本を読む。(動作の同時性)
정부는 경제 성장을 도모하며 복지 정책을 확대할 계획이다.
政府は経済成長を図るとともに、福祉政策を拡大する計画だ。(政策の並列)
봄은 따뜻하며 꽃이 피는 계절이다.
春は暖かく、花が咲く季節だ。(状態の並列)

「~(으)며」は、ニュース記事などで動作や事実を並列して伝える際によく使われます。
名詞との組み合わせ「~(이)며」
名詞に付ける場合は「~(이)며」となります。
- 名詞にパッチムがある場合 (例: 학생, 한국): 「~이며」を付けます。 (학생이며, 한국이며)
- 名詞にパッチムがない場合 (例: 의사, 친구): 「~이며」または「~며」を付けます。 (의사이며/의사며, 친구이며/친구며)
이것은 책이며 저것은 공책이다.
これは本であり、あれはノートである。
過去形「~았/었/였으며」にもできます。
어제는 날씨가 좋았으며 기온도 높았다.
昨日は天気が良く、気温も高かった。
逆接を表す「~(으)나」(~だが)
「~(으)나」は、先行する文の内容と対照的な、あるいは反対の内容を後続の文で述べるときに使う接続語尾です。日常会話でよく使われる「~지만」のかしこまった表現にあたります。「~지만」よりも硬く、文語的な響きが強いのが特徴です。
基本的な用法と「~지만」との違い
「~(으)나」と「~지만」はどちらも逆接を表しますが、使われる場面やニュアンスが異なります。
- ~(으)나: 文語的で硬い表現。客観的な事実を対比させる際に好んで使われます。新聞の見出しや論説、公式発表などで頻繁に見られます。会話で使うと、非常に硬い、あるいは古風な印象を与えることがあります。
- ~지만: 会話でも書き言葉でも広く使われる一般的な逆接表現。「~(으)나」よりも柔らかい印象です。
重要なのは、客観的な事実を淡々と述べるような文脈では「~(으)나」が、主観的な感情や意見を含むような文脈では「~지만」が使われやすいという傾向がある点です。
「~(으)나」の活用ルール
動詞や形容詞の語幹に接続します。
- 語幹が母音で終わる場合 (例: 가다, 예쁘다): 「~나」を付けます。 (가나, 예쁘나)
- 語幹がㄹパッチムで終わる場合 (例: 살다, 멀다): ㄹを脱落させ、「~나」を付けます。 (사나, 머나)
- 語幹がㄹ以外のパッチムで終わる場合 (例: 먹다, 좋다): 「~으나」を付けます。 (먹으나, 좋으나)
例文で学ぶ「~(으)나」
장우씨는 집은 머나 학교에 제일 먼저 오는 것 같다.
ジャンウさんは家は遠いが、学校に一番先に来るらしい。
날씨는 좋으나 바람이 많이 분다.
天気は良いが、風が強く吹く。
수술은 성공적이었으나 회복에는 시간이 걸릴 것이다.
手術は成功的だったが、回復には時間がかかるだろう。
가격은 비싸나 품질은 우수하다.
価格は高いが、品質は優秀だ。

「~(으)나」は、このように対照的な状況を描写するのに適しています。
名詞との組み合わせ「~(이)나」
名詞に付ける場合は「~(이)나」となります。この形は「~だが」という意味の他に、「~か、~でも」という意味でも使われるため、文脈での判断が必要です。ここでは逆接の意味で使われる場合を考えます。
- 名詞にパッチムがある場合 (例: 학생): 「~이나」を付けます。 (학생이나)
- 名詞にパッチムがない場合 (例: 의사): 「~나」を付けます。 (의사나)
그는 어린 나이나 생각은 깊다.
彼は幼い年齢だが、考えは深い。
過去形「~았/었/였으나」にすることもできます。
발목을 많이 삐었으나 학교에 왔다.
足首をひどく捻挫したが、学校に来た。
理由・順序を表す「~아/어/여」(~だから、~し)
「~아/어/여」は、日常会話で「~아/어/여서」が使われる場面で、「서」を省略した形です。これにより、文がより簡潔になり、文語的でやや硬いニュアンスが生まれます。主な用法は二つあります。
- 先行する文が後続する文の理由や原因、きっかけとなる場合。
- 二つの動作が時間的な順序で起こることを示す場合。
特に書き言葉や、やや改まったスピーチなどで、文をスムーズにつなぎ、簡潔にするために使われます。
基本的な用法と「~아/어/여서」との違い
「~아/어/여」と「~아/어/여서」の基本的な意味は同じですが、「서」があるかないかでニュアンスが変わります。
- ~아/어/여: 「서」がない分、より簡潔でテンポが良い印象を与えます。書き言葉、特に説明文や指示文、ニュースの見出しなどで好まれます。会話で使うと、少しぶっきらぼうに聞こえる場合もありますが、状況によっては自然です。
- ~아/어/여서: 「서」があることで、理由や順序の関係がより明確になります。会話でも書き言葉でも非常に一般的に使われます。
重要な注意点として、「~아/어/여」の後には、命令形(~(으)세요)や勧誘形(~(으)ㅂ시다)を続けることができますが、「~아/어/여서」の後には通常続けることができません。(例: 시간이 없으니, 서둘러 갑시다. ○ / 시간이 없어서, 서둘러 갑시다. × → 시간이 없으니까 서둘러 갑시다. ○)
「~아/어/여」の活用ルール
動詞や形容詞の語幹に接続します。これは「~아요/어요」の活用と同じです。
- 語幹の最後の母音がㅏまたはㅗの場合 (例: 가다, 보다): 「~아」を付けます。 (가, 보아 → 봐)
- 語幹の最後の母音がㅏ, ㅗ以外の場合 (例: 먹다, 읽다): 「~어」を付けます。 (먹어, 읽어)
- 「하다」で終わる場合 (例: 공부하다, 일하다): 「~여」を付け、「하여」または縮約形の「해」を使います。 (공부하여/공부해, 일하여/일해)
例文で学ぶ「~아/어/여」
학교는 서울역에서 내려 10분정도 오시면 됩니다.
学校はソウル駅で降り、10分程度お越しいただければ行けます。(順序)
비가 많이 와 길이 미끄럽습니다.
雨がたくさん降って(降ったので)、道が滑りやすいです。(理由)
친구를 만나 밥을 먹었다.
友達に会ってご飯を食べた。(順序)
그는 열심히 공부해 시험에 합격했다.
彼は熱心に勉強して(勉強したので)試験に合格した。(理由・順序)
名詞との組み合わせ「~(이)라」
名詞に付けて理由を表す場合は、「~(이)라서」の「서」が省略された「~(이)라」を使います。
- 名詞にパッチムがある場合 (例: 학생): 「~이라」を付けます。 (학생이라)
- 名詞にパッチムがない場合 (例: 의사): 「~라」を付けます。 (의사라)
지금은 식사 시간이라 전화를 받을 수 없습니다.
今は食事時間なので、電話に出ることができません。
原因・理由を表す「~(으)므로」(~なので)
「~(으)므로」は、先行する文が後続する文の当然の理由や、論理的な根拠となることを示す接続語尾です。これは「~(으)니까」や「~기 때문에」のかしこまった表現に相当します。特に、客観的な事実に基づいて結論を導き出すような、硬い文章や公式的な発表でよく使われます。
基本的な用法と「~(으)니까」「~때문에」との違い
これらの表現はすべて理由を表しますが、ニュアンスと使われる文脈が異なります。
- ~(으)므로: 最もフォーマルで文語的。客観的な事実や論理的な根拠を提示し、そこから導かれる結論を述べる際に使われます。法律、規定、公式発表、論文などで多用されます。後続の文に命令形や勧誘形は通常来ません。
- ~(으)니까: 会話でよく使われます。話者の主観的な判断や発見に基づいて理由を述べることが多く、後続の文に命令形や勧誘形が来ることが多いのが特徴です。
- ~기 때문에: 会話でも書き言葉でも使われますが、「~(으)니까」よりは客観的な理由を述べるときに使われる傾向があります。「~(으)므로」ほど硬くはありません。
「~(으)므로」は、「(当然)~であるから、したがって~だ」という論理的な流れを強調したい場合に最適な表現です。
「~(으)므로」の活用ルール
動詞や形容詞の語幹に接続します。
- 語幹が母音で終わる場合 (例: 오다, 하다): 「~므로」を付けます。 (오므로, 하므로)
- 語幹がㄹパッチムで終わる場合 (例: 만들다, 알다): 「~므로」を付けます。 (만들므로, 알므로)
- 語幹がㄹ以外のパッチムで終わる場合 (例: 있다, 좋다): 「~으므로」を付けます。 (있으므로, 좋으므로)
例文で学ぶ「~(으)므로」
장마철에는 비가 자주 오므로 우산을 가지고 다니는 것이 좋다.
梅雨期には雨がしばしば降るので傘を持ち歩いた方が良い。
본 제품은 방수 기능이 없으므로 물에 닿지 않도록 주의하십시오.
本製品は防水機能がないため、水に触れないようご注意ください。
모든 국민은 법 앞에 평등하므로 차별받지 아니한다.
すべての国民は法の下に平等であるため、差別されない。
내일은 시스템 점검이 있으므로 서비스 이용이 제한될 수 있습니다.
明日はシステム点検があるので、サービスの利用が制限されることがあります。

「~(으)므로」は、注意書きや告知文などで理由を明確に示す際に使われます。
名詞との組み合わせ「~(이)므로」
名詞に付ける場合は「~(이)므로」となります。
- 名詞にパッチムがある場合 (例: 휴일): 「~이므로」を付けます。 (휴일이므로)
- 名詞にパッチムがない場合 (例: 사실): 「~므로」を付けます。 (사실이므로)
내일은 휴일이므로 월요일에 다시 오시기 바랍니다.
明日は休日ですから月曜日に再度お越しください。
過去形「~았/었/였으므로」にもできます。
이미 신청 기간이 지났으므로 접수가 불가능합니다.
すでに申請期間が過ぎたため、受付は不可能です。
かしこまった接続語尾を使いこなすためのヒント
これらの表現は、知っているだけではなかなか身につきません。実際に使いこなせるようになるためのヒントをいくつかご紹介します。
ニュース記事や論文を積極的に読む
今回学習した表現が最も多く使われるのは、やはりニュース記事や論文です。毎日少しずつでも良いので、韓国のニュースサイト(NAVERニュース、Daumニュースなど)や、興味のある分野の論文・専門記事を読む習慣をつけましょう。実際に使われている文脈でこれらの表現に触れることで、自然な使い方やニュアンスが身についていきます。
書き言葉で練習する(作文、要約)
読んだニュース記事の内容を要約したり、特定のテーマについて自分の意見を韓国語で書いてみたりする練習は非常に効果的です。その際に、意識して「~(으)며」「~(으)나」「~(으)므로」などを使ってみましょう。実際に自分で使ってみることで、定着率が格段に上がります。
類似表現とのニュアンスの違いを意識する
なぜここでは「~지만」ではなく「~(으)나」が使われているのか? なぜ「~(으)니까」ではなく「~(으)므로」なのか? このように、類似表現との違いを常に意識しながら読む・書く練習をすることが重要です。これにより、それぞれの表現が持つ独自のニュアンスを掴み、より適切な場面で使い分けられるようになります。
まとめ:かしこまった表現で韓国語力をレベルアップさせよう
今回は、韓国語のかしこまった接続語尾「~(으)며」「~(으)나」「~아/어/여」「~(으)므로」について、その意味、用法、そして日常会話表現との違いを詳しく見てきました。
これらの表現は、一見すると難しく感じるかもしれませんが、韓国語のニュースや専門的な文章を理解するためには避けて通れない道です。また、これらを使いこなせれば、あなたの韓国語はより知的で洗練されたものになるでしょう。
最初は難しくても、ニュース記事や文章を読む中で意識的に探し、自分で使ってみる練習を重ねることで、必ず身についていきます。ぜひ、今回学んだ表現を活用して、韓国語のスキルをさらに一段階レベルアップさせてくださいね!