韓国語の流行語&新造語マスター!意味・使い方・文化的背景を最新情報で解説【2025年版】
「중꺾마(チュンコンマ)」「폼 미쳤다(ポムミチョッタ)」「알잘딱깔센(アルジャルタッカルセン)」…??? 韓国ドラマやバラエティ番組を見たり、韓国人の友達とSNSで交流したりしていると、意味がさっぱり分からない不思議な言葉に出くわすことはありませんか? それらは、韓国で次々と生まれては消えていく「신조어(シンジョオ:新造語)」や「유행어(ユヘンオ:流行語)」かもしれません。
言葉は時代を映す鏡。これらの新しい言葉を知ることは、韓国の「今」の文化や社会、人々の考え方を理解する上で、非常に面白い手がかりとなります。今回は、過去に話題となった言葉から、2025年現在使われている最新トレンドまで、韓国の新造語・流行語の世界を深掘り!その意味や使い方、生まれた背景、そして使う際の注意点まで、詳しく解説していきます。
目次
なぜ次々生まれる?韓国で新造語・流行語が多い理由
韓国では、日本以上に新造語や流行語が生まれやすく、そして広まりやすいと言われています。その背景にはいくつかの理由が考えられます。
言葉遊びが好き?ハングルの特性と短縮文化
ハングルは子音と母音を組み合わせて音節を作るため、既存の単語の一部を省略したり、頭文字だけを取ったりして、新しい言葉を作りやすいという特性があります(例:알아서 잘 딱 깔끔하고 센스있게 → 알잘딱깔센)。また、韓国の人々は言葉遊びを楽しむ傾向があり、語呂合わせやダジャレのような感覚で新しい言葉が生み出されることもあります。
IT大国&SNSの普及:情報拡散スピードの速さ
世界トップクラスのインターネット普及率とスマートフォン保有率を誇る韓国では、情報が瞬時に、そして広範囲に拡散されます。特に、カカオトーク、Instagram、YouTube、TikTokといったSNSは、若者を中心にコミュニケーションの中心となっており、新しい言葉や表現がこれらのプラットフォームを通じて生まれ、あっという間に流行するのです。
社会の変化や世相を反映
新造語や流行語は、その時代の社会状況や人々の関心事を色濃く反映します。経済状況(就職難、格差など)、社会問題、政治への関心、あるいは特定の出来事やブームなどが、新しい言葉を生み出すきっかけとなります。言葉を通して、その時代の空気感を知ることができるのです。
若者文化と仲間意識
特に若者世代は、仲間内だけで通じる言葉を使うことで、一体感や連帯感を高めようとする傾向があります。流行語を使いこなすことが、グループへの所属意識を確認したり、「イケてる(인싸:インサ – インサイダーの略)」存在であることを示したりする手段にもなり得ます。
【過去の流行語】時代を映した言葉たち
最新トレンドを見る前に、かつて韓国社会で話題になった言葉をいくつか振り返ってみましょう。これらの言葉が生まれた背景を知ることで、社会の変化が見えてきます。(※現在ではあまり使われなくなった言葉も含まれます。)
「된장녀(テンジャンニョ)」と「간장녀(カンジャンニョ)」:消費文化と女性像
2000年代半ば頃に登場し、大きな議論を呼んだのが、特定のタイプの女性を指す「된장녀(テンジャンニョ:味噌女)」と「간장녀(カンジャンニョ:醤油女)」という言葉です。
- 된장녀 (テンジャンニョ): 自分の経済力に見合わないブランド品を買い漁ったり、高級カフェを好んだりする、見栄っ張りで浪費家の女性を揶揄する言葉。親や恋人のお金に頼っている、というニュアンスも含まれていました。由来には諸説ありますが、「젠장(チェンジャン:くそっ)」が転じた説、味噌汁より高いスタバのコーヒーを飲むことを皮肉った説などがあります。当時の韓国社会における消費主義や外見至上主義への批判、そして一部の女性に対する反発が背景にあったと考えられています。
현빈; 젠장, 여자친구가 또 핸드백 사달라고 해.
ヒョンビン:くそっ、彼女がまたバッグ買ってくれって。종민; 사주지 마.
ジョンミン:買ってあげるなよ。현빈; 절대로 안사줄거야. 헤어져야지.
ヒョンビン:絶対に買ってやらないぞ。別れるよ。종민; 된장녀 무섭구나.
ジョンミン:味噌女、怖いね。 - 간장녀 (カンジャンニョ): テンジャンニョと対比される形で登場した言葉。自分で稼いだお金で堅実に生活し、無駄遣いをせず、賢く消費する倹約家の女性を指します。由来は、「ケチだ」を意味する俗語「짜다(ッチャダ:しょっぱい)」から、塩よりはイメージの良い「醤油(간장:カンジャン)」が連想された、などと言われています。こちらは比較的ポジティブな意味合いで使われました。
희애; 미애야, 우리 밥먹으러 가자. 어디가 좋을까?
ヒエ:ミエちゃん、私たちご飯食べに行こうよ。どこがいい?미애; 우리집에 가서 먹을래? 밖에서 먹으면 비싸잖아.
ミエ:うちの家に行って食べる?外で食べると高いじゃない。희애; 그래.
ヒエ:そうしよう。(식사 후・食事後)
희애; 미애야, 우리 커피마시러 갈래?
ヒエ:ミエちゃん、私たちコーヒー飲みに行く?미애; 그냥 집에서 마시자.
ミエ:まあ家で飲もうよ。희애; 정말 짜다…이 간장녀!
ヒエ:本当にケチだね…この醤油女!
これらの言葉は、当時の社会状況やジェンダー観を反映していましたが、女性を特定のタイプに分類し、レッテル貼りする側面もあったため、現在ではほとんど使われなくなった死語に近い表現と認識されています。(男性版の「된장남」「간장남」という言葉も存在しました。)
2010年代の新造語:就職難や世代観を反映?
2010年代、特に2016年前後に流行したとされる言葉には、当時の若者たちが置かれた厳しい社会状況や、彼らの価値観を反映したものが多く見られました。
- 삼포세대 (サムポセデ) / N포세대 (Nポセデ): 恋愛・結婚・出産(三放)や、さらにマイホーム、人間関係、夢、希望など、多くのことを諦めざるを得ない世代を指す言葉。深刻な就職難や経済格差が背景にあります。
- 달관세대 (タルグァンセデ): 高望みせず、ほどほどの生活で満足する世代。日本の「さとり世代」に相当する言葉。
- 이태백 (イテベク): 「이십대 태반이 백수(20代の大半が無職=プータロー)」の略。青年失業率の高さを表す言葉。
- 복세편살 (ポクセピョンサル): 「복잡한 세상 편하게 살자(複雑な世の中、楽に生きよう)」の略。ストレスの多い社会で、気楽な生き方を志向する態度。
- 사바사 (サバサ): 「사람 by 사람 (人 by 人)」の略。文字通り「人それぞれ」「ケースバイケース」という意味。
- 〇〇is뭔들 (〇〇イズムォンドゥル): 「〇〇なら何(뭔들=무엇인들)をしても素敵/許される/最高」という意味。好きなアイドルや俳優などに対して使うことが多い。(例:박보검 is 뭔들 – パク・ボゴムなら何しても最高)
- 세젤〇 (セジェル〇): 「세상에서 제일 〇〇(世界で一番〇〇)」の略。(例:세젤예 – 世界で一番きれい、세젤귀 – 世界で一番可愛い)
- 가싶남 (カシプナム): 「가지고 싶은 남자(手に入れたい男)」の略。非常に魅力的で、彼氏にしたいと思うような男性。
- 반모 (パンモ): 「반말 모드(タメ口モード)」の略。オンライン上などで、お互いにタメ口で話す関係になること。
これらの言葉の中には、現在も比較的使われるもの(사바사、〇〇is뭔들、세젤〇など)もありますが、多くは流行語としての寿命を終えつつあるか、新しい言葉に取って代わられています。
【会話例:世相を反映?】
가: 올해 신조어는 좀 경기가 반영되어 있네
今年の新造語は、景気が反映されてるね。나: 그러게 말이네
本当にそうだね。가: 경기가 빨리 회복되었으면 좋겠네
景気が早く回復するといいね。

流行はあっという間!最新の新造語をチェックして、コミュニケーションを楽しもう。
【2024~2025年】最新!韓国の新造語・流行語トレンド
では、最近(2024年~2025年初頭)韓国の若者たちの間で実際に使われている、あるいは話題になった新造語・流行語の例をいくつかご紹介しましょう。(※流行の移り変わりは非常に速いため、あくまで一例として参考にしてください。)
SNS・ネットミーム発の言葉
- 도파밍 (トパミン / ドーパミング): 「ドーパミン」+「ファーミング(ゲーム用語でアイテムなどを集める行為)」。面白い動画や刺激的なコンテンツを探し求めて、SNSなどを延々と見続けてしまう行為を指します。現代人のデジタル依存や快楽追求を表す言葉。
- 폼 미쳤다 (ポム ミチョッタ): 直訳すると「フォームが狂った」。元々はスポーツ選手などの優れたパフォーマンスを称賛する言葉でしたが、転じて、人や物の見た目、能力、状態などが「最高だ」「ヤバい」「神がかっている」と感嘆する際に広く使われます。
- ~는 그냥 레전드 (~ヌン クニャン レジョンドゥ): 「~はマジでレジェンド(伝説)」。人や物事を最高だと褒め称えるときの決まり文句。「그냥(クニャン:ただ、マジで)」が強調のポイント。
- 웃안웃 (ウッアヌッ): 「웃긴데 안 웃기다 (ウッキンデ アン ウッキダ:笑えるけど笑えない)」の略。状況は面白いけれど、悲しかったり、共感しすぎて素直に笑えなかったりする複雑な心境を表します。
K-POPアイドル発?ファンコミュニティ用語
- 알잘딱깔센 (アルジャルタッカルセン): 「알아서 잘 딱 깔끔하고 센스있게 (アラソ チャル ッタク ッカルックマゴ センスイッケ:言われなくても上手く、ちょうどよく、スマートに、センス良く)」。SEVENTEENのメンバーが使い始めた言葉で、「言われなくても、気が利いていて、いい感じにやってくれる」という理想的な状態や人を指します。
- 최최차차 (チェチェチャチャ): 「최애는 최애고 차은우는 차은우다 (チェエヌン チェエゴ チャウヌヌン チャウヌダ:推しは推し、チャ・ウヌはチャ・ウヌだ)」。自分の最推しは別にいるけれど、ASTROのチャ・ウヌのビジュアルは別格で認めざるを得ない、という意味。
- 어쩔티비 (オッチョルティビ): 「어쩌라고 가서 TV나 봐 (オッチョラゴ カソ ティビナ ブァ:だから何?行ってテレビでも見てろ)」の略。相手の言葉を無視したり、皮肉ったり、煽ったりする時に使う、やや攻撃的なニュアンスの言葉。TPOに注意が必要。
日常会話で使える短縮語・表現
- 중꺾마 (チュンコンマ): 「중요한 건 꺾이지 않는 마음 (チュンヨハン ゴン ッコッキジ アンヌン マウム:重要なのは折れない心)」。2022年のサッカーワールドカップで韓国代表チームのスローガンとして広まり、困難な状況でも諦めない精神を表す言葉として定着しました。
- 많관부 (マンクァンブ): 「많은 관심 부탁드립니다 (マヌン クァンシム プタクドゥリムニダ:多くの関心をお願いします)」。アイドルなどが新しいコンテンツを公開する際などに、ファンに向けて使うことが多いです。
- 점메추 (チョムメチュ) / 저메추 (チョメチュ): 「점심 메뉴 추천 (チョムシム メニュ チュチョン:昼食メニュー推薦)」「저녁 메뉴 추천 (チョニョク メニュ チュチョン:夕食メニュー推薦)」の略。「今日のランチ/ディナー、何がおすすめ?」と尋ねる際に使います。
(注意)流行り廃りが非常に速い!
ここで紹介した言葉も、数ヶ月後、あるいは数週間後にはもう「古い」と言われているかもしれません。それほど、韓国の新造語・流行語の世界は移り変わりが激しいのです。常にアンテナを張り、新しい言葉に触れていく必要があります。

若者言葉は仲間意識の表れ?TPOをわきまえて使うことが大切。
使い方に要注意!新造語・流行語との付き合い方
面白い新造語や流行語ですが、使い方を間違えると、意図が伝わらなかったり、相手に不快感を与えたりすることもあります。上手に付き合うための注意点を確認しましょう。
TPOをわきまえる:使う相手と場面を選ぶ
新造語や流行語は、基本的に非常にカジュアルな言葉です。友人や同世代など、親しい間柄でのチャットやSNS、オンラインゲームなどで使うのは問題ありませんが、**目上の人との会話、ビジネスシーン、公的な場面などでは絶対に使用を避けましょう。** 非常識だと思われてしまいます。
意味やニュアンスを正確に理解する
流行っているからといって、意味や背景、ニュアンスをよく知らないまま使うのは危険です。特に、皮肉や批判的な意味合いを含む言葉や、特定のコミュニティでのみ使われる内輪ネタのような言葉は、誤解を生む原因になります。使う前に、辞書やネットで意味を確認したり、韓国人の友人に聞いたりするようにしましょう。
多用は禁物?幼稚に見える可能性も
適度に使うと会話が弾む新造語・流行語ですが、あまりにも多用しすぎると、語彙力が乏しいように見えたり、幼稚な印象を与えたりする可能性もあります。特に、ある程度の年齢になっても若者言葉ばかりを使っていると、周りから少し引かれてしまうかもしれません。
韓国語の基礎(丁寧語)が大切
新造語や流行語を覚えるのも楽しいですが、それはあくまで応用編。韓国語で円滑なコミュニケーションをとるためには、まず正しい文法と丁寧語(尊敬語・謙譲語を含む)をしっかりと身につけることが大前提です。基礎ができていればこそ、カジュアルな表現も適切な場面で使いこなせるようになります。
【会話例:俗語を使った会話?】
미례:너 또 수업 땡땡이 쳤지?
(ノ ット スオプ ッテンッテンイ チョッチ?)
ミレ: また授業さぼったでしょ? (※땡땡이치다:サボる、の意の俗語)성광:어, 소개팅이 있었거든.
(オ, ソゲティンイ イッソッコドゥン)
ソンガン: うん。紹介(合コン)があったんだ。미례:예뻤어?
(イェッポッソ?)
ミレ: (相手は)きれいだった?성광:아니, 완전히 폭탄이었어.
(アニ, ワンジョニ ポクタニオッソ)
ソンガン: ううん、完全に爆弾(=すごく不細工)だった。(※폭탄:爆弾は、外見が非常に悪い異性を指す俗語。非常に失礼な表現であり、使うべきではありません。)
(※この会話例の「폭탄」のような表現は、たとえ親しい間柄でも相手を深く傷つける可能性のある、不適切な俗語の例です。意味を知っておくことは必要かもしれませんが、使用は絶対に避けましょう。)
まとめ:新造語・流行語から韓国の「今」を知ろう!
次々と生まれ、変化していく韓国の新造語・流行語。それは、言葉遊びの楽しさだけでなく、その時々の社会状況や人々の関心事、価値観の変化を映し出す、興味深い文化現象です。
「テンジャンニョ」のような言葉からは過去の消費文化やジェンダー観が、「N放世代」関連の言葉からは現代の若者が抱える閉塞感が、「중꺾마」からは困難に立ち向かう精神が垣間見えます。そして、SNSから生まれる最新の流行語は、韓国の「今」の空気感をリアルに伝えてくれます。
これらの言葉を学ぶことは、単語力を増やすだけでなく、韓国社会や文化への理解を深めることにも繋がります。ただし、使う際にはTPOをわきまえ、相手への配慮を忘れないことが大切です。正しい知識と適切な使い方を心がけながら、新造語・流行語という窓を通して、変化し続ける韓国の「今」に触れてみてはいかがでしょうか。