韓国の家族・親戚の呼び方マスター!結婚前後の変化と複雑な呼称一覧【保存版】

  1. 韓国語単語・意味

韓国の家族・親戚の呼び方マスター!結婚前後の変化と複雑な呼称一覧【保存版】

「韓国ドラマを見ていると、家族や親戚の呼び方がたくさんあって混乱する…」「韓国人の彼/彼女の家族に会うけど、なんて呼べばいいの?」「結婚したら、呼び方はどう変わるの?」

韓国語を学んだり、韓国文化に触れたりする中で、複雑な家族・親戚の呼称(호칭:ホチン)に頭を悩ませた経験はありませんか?実は、韓国人自身にとっても、特に結婚後の親戚関係の呼び方は完璧に覚えるのが難しく、時に混乱することもあるほど、多様で複雑なのです。

しかし、韓国社会において、相手との関係性に合わせた適切な呼称を使うことは、非常に重要な礼儀とされています。呼び方一つで、相手への敬意や親密さの度合いが伝わってしまうことも。この記事では、韓国の複雑な家族・親戚の呼び方について、その文化的背景から、結婚前後の基本的な呼び方、そして覚えるためのヒントまで、分かりやすく徹底解説します。これを読めば、あなたも韓国の呼称マスターに一歩近づけるはずです!

韓屋で団らんする韓国の三世代家族

世代を超えた繋がりを大切にする韓国の家族文化が、多様な呼び方を生んだ背景にある。

目次

なぜこんなに複雑?韓国の呼称文化の背景

まず、なぜ韓国語の家族・親戚の呼び方がこれほどまでに細かく、複雑なのか、その背景にある文化的な要因を見てみましょう。

儒教文化と年齢・序列の重視

韓国社会の根底には、儒教の教えが深く影響しています。儒教では、年齢や性別、社会的地位に基づいた上下関係(序列)を重んじ、それぞれの立場に応じた礼儀作法を尽くすことが美徳とされます。この考え方が、言葉遣い、そして特に人の呼び方に色濃く反映されているのです。自分と相手との関係性(父方か母方か、年上か年下か、既婚か未婚かなど)を正確に示すために、呼称が細かく分化しました。

父系社会の影響と「家」意識

伝統的に父系社会であった韓国では、「家(집안:チバン)」の継承や血縁関係が非常に重視されてきました。特に、夫側の家系(父系)と妻側の家系(母系)を区別する意識が強く、それが親戚の呼び方にも表れています。例えば、「おじ」「おば」の呼び方が、父方か母方かによって明確に異なるのは、その代表的な例です。

関係性を明確にするための言葉

複雑な呼称は、単に相手を指し示すだけでなく、自分とその相手との間にどのような関係性が存在するのかを、周囲の人々にも明確に示す役割を果たしてきました。誰が誰に対してどのような敬意を払い、どのような役割を期待されているのかが、呼び方を通じてある程度分かるようになっていたのです。

まずは基本から!結婚前の家族・親戚の呼び方

結婚後の複雑な呼び方を理解する前に、まずは独身時代の基本的な家族・親戚の呼び方を確認しましょう。

自分の家族(父、母、兄、姉、弟、妹)※性別による違い

自分の直系の家族の呼び方は、日本語と似ている部分もありますが、兄・姉の呼び方が自分の性別によって変わるのが大きな特徴です。

  • 父:아버지 (アボジ) / 親しみを込めて 아빠 (アッパ)
  • 母:어머니 (オモニ) / 親しみを込めて 엄마 (オンマ)
  • 兄(男性から見て): (ヒョン)
  • 兄(女性から見て):오빠 (オッパ)
  • 姉(男性から見て):누나 (ヌナ)
  • 姉(女性から見て):언니 (オンニ)
  • 弟:남동생 (ナムドンセン) – 通常は名前で呼ぶことが多い(例:〇〇아/야)
  • 妹:여동생 (ヨドンセン) – 通常は名前で呼ぶことが多い(例:〇〇아/야)

祖父母(父方・母方の区別)

祖父母は、父方と母方で区別して呼びます。

  • 父方の祖父:할아버지 (ハラボジ)
  • 父方の祖母:할머니 (ハルモニ)
  • 母方の祖父:외할아버지 (ウェハラボジ – 外のハラボジ)
  • 母方の祖母:외할머니 (ウェハルモニ – 外のハルモニ)

(ウェ)」は「外」、つまり母方を指します。

おじ・おば(父方・母方の区別)

おじ・おばも、父方・母方で明確に呼び方が異なります。

  • 父方のおじ:
    • 父の兄(既婚):큰아버지 (クンアボジ – 大きい父)
    • 父の弟(既婚):작은아버지 (チャグンアボジ – 小さい父)
    • 父の兄弟(未婚):삼촌 (サムチョン)
  • 父方のおば:
    • 父の姉妹:고모 (コモ)
  • 母方のおじ:
    • 母の兄弟:외삼촌 (ウェサムチョン – 外のサムチョン)
  • 母方のおば:
    • 母の姉妹:이모 (イモ)

配偶者(おじ嫁・おば婿)の呼び方はさらに複雑になります(큰어머니, 작은어머니, 고모부, 외숙모, 이모부 など)。

いとこ(サチョン)と甥・姪(チョカ)

  • いとこ:사촌 (サチョン) – 具体的には父方なら「従兄弟/従姉妹(종형제/종자매)」、母方なら「外従兄弟/外従姉妹(외종형제/외종자매)」などと区別しますが、一般的には「사촌」で通じます。年上なら「사촌 형/오빠/누나/언니」と呼ぶことも。
  • 甥・姪:조카 (チョカ) – 性別を区別する場合は「남자 조카(男のチョカ)」「여자 조카(女のチョカ)」と言います。

結婚前の基本的な呼称だけでもこれだけあります。頭が痛くなってきましたか? でも、ここまでは序の口です!

若い夫婦が義理の両親と和やかに過ごしている様子

結婚後はさらに複雑に!相手の家族との関係性に合わせた呼び方を覚えよう。

結婚したらこう変わる!【夫の立場】からの呼び方

結婚すると、相手(妻)の家族・親戚との新しい関係性が生まれます。夫の立場から、妻側の家族をどう呼ぶか見ていきましょう。

妻の両親(チャンインオルン、チャンモニム)

  • 妻の父:장인어른 (チャンインオルン) – 「장인(丈人)」に敬称の「어른(オルン:大人)」を付けた丁寧な呼び方。単に「장인(チャンイン)」と呼ぶのは失礼にあたります。親しみを込めて「아버님 (アボニム:お父様)」と呼ぶことも多いです。
  • 妻の母:장모님 (チャンモニム) – 「장모(丈母)」に敬称の「님(ニム:様)」を付けた丁寧な呼び方。親しみを込めて「어머님 (オモニム:お母様)」と呼ぶことも多いです。

妻の兄弟姉妹(ヒョンニム/チョナム、チョヒョン、チョジェ)

  • 妻の兄:年上であれば「형님 (ヒョンニム:兄上様)」、年下であれば「처남 (チョナム:妻男)」と呼ぶのが一般的。
  • 妻の姉:처형 (チョヒョン:妻兄) – 「兄」の字を使いますが、妻の姉を指します。
  • 妻の弟:처남 (チョナム)
  • 妻の妹:처제 (チョジェ:妻弟) – 「弟」の字を使いますが、妻の妹を指します。

妻の兄弟姉妹の配偶者の呼び方(아주머니, 동서 など)も存在します。

自分の兄弟姉妹の配偶者(ヒョンスニム、チャヒョン/メヒョン、チェスシ、メジェ)

  • 兄の妻:형수님 (ヒョンスニム) – 「형수(兄嫂)」に敬称の「님」を付けます。
  • 姉の夫:자형 (チャヒョン:姉兄) または 매형 (メヒョン:妹兄) – どちらも使われます。地域差や好みによります。
  • 弟の妻:제수씨 (チェスッシ) – 「제수(弟嫂)」に「氏」に近い意味の「씨」を付けます。
  • 妹の夫:매제 (メジェ:妹弟)

結婚したらこう変わる!【妻の立場】からの呼び方

次に、妻の立場から、夫側の家族をどう呼ぶかです。こちらの方が、伝統的に種類が多く、複雑とされてきました。

夫の両親(シアボニム、シオモニ)

  • 夫の父:시아버지 (シアボジ) – 略さず「시아버님 (シアボニム)」と敬称「님」をつけて呼ぶのが一般的。
  • 夫の母:시어머니 (シオモニ) – 略さず「시어머님 (シオモニム)」と敬称「님」をつけて呼ぶのが一般的。

ドラマなどでよく聞く呼び方ですね。「시(媤)」は夫の実家を表す接頭語です。

夫の兄弟姉妹(アジュボニム/ヒョンニム、シヌイ/アガシ、トリョンニム/ソバンニム)

ここが特に複雑です!

  • 夫の兄:
    • 既婚・未婚に関わらず:아주버님 (アジュボニム) と呼ぶのが最も一般的で丁寧。
    • 親しくなると稀に:시숙 (シスク:媤叔) と呼ぶ人もいるが、やや古風で一般的ではない。
  • 夫の兄の妻: 형님 (ヒョンニム:兄様) と呼びます。自分より年下でも「ヒョンニム」です。これが少しややこしいですね。
  • 夫の姉:
    • 既婚・未婚に関わらず:형님 (ヒョンニム) と呼ぶのが最も一般的で丁寧。夫の兄の妻と同じ呼び方になります。
    • または:시누이 (シヌイ) とも言いますが、これは直接呼びかける言葉というより、第三者に話すときに使うことが多いです。
  • 夫の姉の夫: 아주버님 (アジュボニム) または 서방님 (ソバンニム) と呼ぶことが多いようです。(これも地域や家庭によります)
  • 夫の弟:
    • 未婚の場合:도련님 (トリョンニム:若様)
    • 既婚の場合:서방님 (ソバンニム:旦那様)

    ※この使い分けは非常に重要とされてきました。

  • 夫の弟の妻: 동서 (トンソ:同壻) と呼び合います。(自分より年下の場合)
  • 夫の妹:
    • 未婚・既婚に関わらず:아가씨 (アガッシ:お嬢さん)

    ※아가씨は本来「お嬢さん」という意味で、未婚女性への敬称ですが、夫の妹に対しては既婚後も使うのが伝統的でした。しかし、近年ではこの呼び方に違和感を覚える人も増えています。

  • 夫の妹の夫: 서방님 (ソバンニム) と呼ぶことが多いようです。

特に妻の立場からの呼称は、相手の婚姻状況や序列を強く意識したものが多く、非常に複雑ですね。

自分の兄弟姉妹の配偶者(セオンニ/オルケ、ヒョンブ、オルケ、チェブ)

  • 兄の妻:새언니 (セオンニ:新しい姉) または 올케 (オルケ) と呼びます。「セオンニ」の方がより一般的で、親しみを込めた響きがあります。
  • 姉の夫:형부 (ヒョンブ:兄夫)
  • 弟の妻:올케 (オルケ)
  • 妹の夫:제부 (チェブ:弟夫)

呼称を覚えるコツと注意点

これだけ複雑だと、覚えるのが大変!と感じるのも無理はありません。でも、心配しすぎなくても大丈夫。いくつかのコツと注意点があります。

関係性を図に描いて整理する

まずは、自分の家族と相手の家族の関係性を家系図のように書き出して、誰が誰に対してどの呼称を使うのかを視覚的に整理してみるのがおすすめです。少し時間はかかりますが、頭の中がクリアになります。

ドラマや映画を参考に(ただし注意点も)

韓国ドラマや映画は、家族間の呼び方を学ぶ上で非常に役立ちます。様々なシチュエーションでの自然な呼び方を耳にすることができます。ただし、時代設定が古いドラマや、特定の家庭環境を描いたドラマの場合、現代の一般的な使われ方とは異なる場合もあるので、あくまで参考程度に留め、鵜呑みにしないようにしましょう。

分からないときは正直に聞く

どうしても分からない場合や、自信がない場合は、変に間違った呼び方をするよりも、正直に相手(または夫や妻、親しい友人など)に尋ねるのが一番です。「제가 어떻게 불러야 돼요? (チェガ オットケ プルロヤ ドェヨ?:私はどのようにお呼びすればいいですか?)」と丁寧に聞けば、快く教えてくれるはずです。

間違えても大丈夫?(特に外国人として)

特に外国人である場合、最初は呼び方を間違えてしまうこともあるでしょう。もちろん、正しい呼び方を使おうと努力する姿勢は大切ですが、多少の間違いであれば、多くの場合は「外国人だから仕方ない」と大目に見てもらえることが多いです。あまりプレッシャーに感じすぎず、コミュニケーションを取ることを優先しましょう。

現代における変化と簡略化の傾向

近年、特に若い世代を中心に、伝統的で複雑な呼称の一部が、日常生活ではあまり使われなくなったり、よりシンプルな呼び方(例えば、義理の兄弟姉妹を「〇〇さん(씨:シ)」や、親しみを込めて名前で呼ぶなど)に変化したりする傾向も見られます。また、男女平等の観点から、性別によって呼び方が大きく異なることへの疑問の声も上がっています。

将来的には、呼称もよりシンプルで分かりやすい形に変わっていく可能性もあります。しかし、現時点では、特に年配の方と接する場合や、フォーマルな場においては、伝統的な呼称を知っておくことが、円滑な人間関係を築く上で依然として重要と言えるでしょう。

【会話例:親戚への呼びかけ】

가: 이모. 이 모자를 사 주세요.
おばさん(母の姉妹:イモ)。この帽子買ってください。

나: 응. 사줄게.
うん。いいよ。買ってあげるよ。

가: 고마워요. 이모.
ありがとう。おばさん(イモ)。

参考:より詳細な親戚呼称について

この記事では、比較的一般的で重要な呼称を中心に解説しました。実際には、いとこの配偶者、おじ・おばの配偶者、さらに遠い親戚など、さらに多くの複雑な呼称が存在します。(元記事には非常に詳細なリストがありましたが、ここでは割愛します。)もし、より詳しい情報が必要な場合は、専門の書籍や辞書、あるいは韓国語に詳しい方に尋ねてみることをお勧めします。

まとめ:呼称は関係性の第一歩、焦らず少しずつ覚えよう

韓国の家族・親戚の呼び方は、その複雑さゆえに、韓国語学習者や国際結婚を控えた方々にとって大きなハードルに感じられるかもしれません。しかし、それは同時に、韓国が家族や親戚との関係性をいかに大切にしてきたかの表れでもあります。

最初から全てを完璧に覚える必要はありません。まずは、自分の身近な家族、そして結婚相手の家族など、頻繁に接する可能性のある相手の呼び方から、少しずつ確実に覚えていきましょう。「〇〇씨 (シ:〜さん)」が「오빠 (オッパ)」や「자기야 (チャギヤ)」に自然に変わっていったように、愛する人の家族の呼び方も、コミュニケーションを重ねるうちに、きっと空気のように自然に感じられるようになるはずです。

大切なのは、正しい呼び方を知ろうと努力する姿勢と、相手への敬意を忘れないこと。焦らず、楽しみながら、韓国の呼称文化に親しんでいってくださいね。

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ソヨン (서연) この記事を書いた人

講師歴20年超、ソウル出身のネイティブスピーカー。延世大学卒業後、明治大学で学ぶ。大阪朱友外語学院、アイザック外国語学校、龍谷大学外国語文化センター等での豊富な講師経験に加え、同時通訳経験も有する。
ネイティブならではの綺麗な標準語の発音指導。初級からビジネス、通訳レベルまで、学習者のレベルと目標に合わせた体系的かつ実践的なレッスン構築。
長年の指導経験に基づき、多くの学習者を目標達成(試験合格、流暢な会話力習得など)に導く。「使える」韓国語を確実に習得させる指導力に定評があり、教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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