韓国語「行く(가다)」完全マスター|会話必須の活用・応用表現・ことわざ
「学校へ行く」「旅行に行こう」「行かないでほしい」「韓国に行きたい」。私たちの日常会話は、「行く」という動きを表す言葉なしには成り立ちません。これは韓国語でも全く同じで、「行く」を意味する動詞「가다(カダ)」は、学習者が最初期に学び、そして最も頻繁に使う単語の一つです。この超基本動詞を自由自在に活用できるようになることこそ、韓国語の表現力を飛躍的に向上させるための鍵と言えるでしょう。この記事では、そんな「가다」の基本構造から、あらゆる会話シーンに対応するための詳細な活用法、ネイティブが使う自然な応用フレーズ、そして韓国文化が垣間見えることわざまで、文字通り「完全マスター」を目指して徹底的に深掘り解説します。独学での限界を感じたり、より正確な発音や会話練習を望むなら、専門の韓国語教室で指導を受けるのも上達への最短ルートです。
目次
韓国語「行く」の超基本:가다の分解と発音のコツ
語幹「가」と語尾「다」:活用の心臓部
まず最初に、すべての韓国語の動詞・形容詞に共通する最も重要なルールを理解しましょう。それは、単語が「語幹(ごかん)」と「語尾(ごび)」という2つのパーツから成る点です。
- 語幹 (어간):単語の根幹となる意味を持つ部分。活用させても形は変化しません。レゴブロックの土台のようなものです。「가다」の場合は「가」がこれにあたります。
- 語尾 (어미):時制(過去・現在・未来)や丁寧さ、話し手の意図などを表現するために付け替える部分。様々な形のブロックに相当します。基本形では「다」がついています。
今後の学習はすべて、この不変の語幹「가」に、表現したい内容に合わせて様々な語尾ブロックを付け替えていく作業になります。この大原則を最初にしっかり押さえることが、効率的な学習の第一歩です。
【意外な落とし穴】「가」の発音を極める
「カ」と発音するだけ、と侮ってはいけません。日本語の「カ」は息が強く前に出る「気音」に近いですが、韓国語の「가」は息を抑え、喉を緊張させない「平音」です。口を日本語の「ア」より少し縦に大きく開け、明るく「カ」と発音するのがコツです。この微妙な違いが、より自然な韓国語に聞こえるかどうかの分かれ道になります。
【会話の土台】가다の必須時制活用(丁寧形)
実際の会話では、辞書に載っている「가다」のまま使うことはありません。相手や状況に合わせ、丁寧な形に活用させる必要があります。ここでは、日常会話で最も使われる「ヘヨ体」と、よりフォーマルな「ハムニダ体」の時制をマスターしましょう。
日常会話の基本:ヘヨ体(-아요/어요)
友人や同僚、お店の店員さんなど、幅広い相手に使える万能な丁寧語です。
現在形「行きます」: 가요 (カヨ)
語幹「가」の母音が陽母音「ㅏ」なので、「아요」が付き、「가 + 아요」が縮約されて「가요」となります。
例文:저는 매일 아침 공원에 가요. (私は毎朝、公園に行きます。)
例文:지금 어디에 가요? (今どこに行きますか?)
過去形「行きました」: 갔어요 (カッソヨ)
過去を表す「-았-」が語幹と語尾の間に入ります。「가 + 았어요」が縮約され「갔어요」となります。
例文:어제 친구랑 영화 보러 갔어요. (昨日、友達と映画を観に行きました。)
例文:작년에 한국에 갔어요. (去年、韓国に行きました。)
未来形「行く予定です」: 갈 거예요 (カㇽコエヨ)
未来や推測を表す「-(으)ㄹ 거예요」を付けます。語幹にパッチムがないので「-ㄹ 거예요」が付きます。
例文:다음 주에 부산에 갈 거예요. (来週、釜山に行く予定です。)
例文:회의가 끝나면 집에 갈 거예요. (会議が終わったら家に帰るつもりです。)
フォーマルな場面で:ハムニダ体(-ㅂ니다/습니다)
ニュース、プレゼンテーション、軍隊など、公式でかしこまった場面で使われます。
現在形「行きます」: 갑니다 (カㇺニダ)
語幹にパッチムがないので「-ㅂ니다」が付きます。
例文:지금부터 회의실로 갑니다. (今から会議室へ向かいます。)
過去形「行きました」: 갔습니다 (カッスㇺニダ)
過去形「갔-」にパッチムがあるので「-습니다」が付きます。
例文:저는 작년에 서울에 갔습니다. (私は昨年、ソウルへ行きました。)
未来形「行きます」: 갈 겁니다 / 가겠습니다
갈 겁니다 (カㇽコㇺニダ)は客観的な未来・予定を、가겠습니다 (カゲッスㇺニダ)は話し手の強い意志(「参ります」)を表すニュアンスの違いがあります。
例文:내일 현장으로 갈 겁니다. (明日、現場へ行く予定です。)
例文:제가 대표로 가겠습니다. (私が代表として参ります。)
感情を豊かに伝える!가다の応用活用形
時制だけでなく、誘ったり、止めたり、願望を伝えたり…。感情豊かな会話に必須の応用表現をマスターしましょう。
提案・勧誘:「行こう」「行きましょう」「行きませんか?」

「가자!」は友達を誘う時の合言葉です。
相手を誘う表現は、相手との関係性によって使い分けが必要です。
- 가자 (カジャ):友人や年下への「行こう!」。最もカジュアルな誘い方。
会話例:「배고프다, 밥 먹으러 가자! (お腹すいた、ご飯食べに行こう!)」 - 갑시다 (カㇷ゚シダ):丁寧な「行きましょう」。同僚やグループ全体への呼びかけに。
会話例:「시간 다 됐네요, 회의하러 갑시다. (時間になりましたね、会議に行きましょう。)」 - 갈까요? (カㇽカヨ?):相手の意向を伺う「行きませんか?」。デートの誘いなど、よりソフトな表現。
会話例:「날씨가 좋은데 공원에 갈까요? (天気が良いですが、公園に行きませんか?)」
禁止・制止:「行くな」「行かないでください」

「가지 마」はK-dramaの感動的なシーンでよく聞くフレーズです。
相手の行動を止めたい時の表現です。強い口調になりがちなので注意が必要です。
- 가지 마 (カジ マ):親しい相手への「行くな」「行かないで」。愛情や友情を込めて使うことも、強い命令として使うこともあります。
会話例:「가지 마, 네가 없으면 안 돼. (行かないで、君がいないとダメだ。)」 - 가지 마세요 (カジ マセヨ):丁寧な「行かないでください」。危険な場所への立ち入りを制止する際などにも使われます。
会話例:「그 길은 위험하니까 가지 마세요. (その道は危険なので行かないでください。)」
願望・希望:「行きたい」
「~したい」という願望は、語幹に「-고 싶다」を付けます。旅行の計画や夢を語る上で欠かせません。
저는 언젠가 달에 가고 싶어요.
(チョヌン オンジェンガ タレ カゴ シポヨ)
訳:私はいつか月に行きたいです。
【中級ポイント】主語が三人称(彼、彼女など)の場合は、「-고 싶어하다」を使い「가고 싶어해요(行きたがっています)」と表現するのがより自然です。
ネイティブ感覚を掴む!「가다」を使った必須フレーズ
単語や文法だけでなく、決まり文句として使われるフレーズを覚えると、会話が一気にネイティブらしくなります。
別れの挨拶:「잘 가」/「들어가」
잘 가(요) (チャルガ(ヨ))は「元気でね」「バイバイ」というニュアンスの最も一般的な別れの挨拶。들어가(요) (トゥロガ(ヨ))は、相手が家に帰る際に「(家に)入ってね=気をつけて帰ってね」という意味で使われる温かい表現です。
気合の一言:「가즈아!」
가자をより力強く、感情を込めて叫ぶスラングが가즈아 (カズア)!です。元々は投資家たちが「上がれ!」と叫んだのが始まりですが、今では「よっしゃ行くぞ!」「レッツゴー!」というニュアンスで、友達との飲み会や旅行前に気合を入れる一言として使われます。
「行く」だけじゃない!가다の多義的な意味とことわざ
「가다」は物理的な移動以外にも、日本語と同じように、あるいは全く違う意味で使われることがあります。これらを使いこなせると、表現の奥行きがぐっと増します。

ことわざは、言葉の背景にある文化を教えてくれます。
- (視線が)行く:눈이 가다 (ヌニ カダ)
- 例文:예쁜 옷이 많아서 자꾸 눈이 가네요. (可愛い服が多くて、何度も目が行っちゃいますね。)
- (傷が)できる:상처가 가다 (サンチョガ カダ)
- 例文:겨울이라 손에 상처가 많이 가요. (冬なので手に傷がたくさんできます。)
- (手間が)かかる:손이 가다 (ソニ カダ)
- 例文:이 음식은 생각보다 손이 많이 가네요. (この食べ物は思ったより手間がたくさんかかりますね。)
- ことわざ:발 없는 말이 천 리 간다
- 直訳「足のない言葉が千里を行く」。噂はあっという間に遠くまで広まる、という意味です。日本の「悪事千里を走る」と似ていますが、善悪問わず使われます。
- ことわざ:갈수록 태산
- 直訳「行けば行くほど大きな山」。困難が次から次へと現れる状況を指し、「一難去ってまた一難」と同じ意味で使われます。
まとめ
今回は、韓国語の最重要動詞の一つ「가다」を、基礎から応用、文化的な側面まで多角的に掘り下げてきました。一見シンプルなこの単語が、語尾を少し変えるだけで、提案、禁止、願望、未来の予定など、驚くほど多様なニュアンスを表現できることをご理解いただけたかと思います。重要なのは、文法ルールを頭で覚えるだけでなく、【時制活用】【感情・意図表現】【慣用句】の3つの引き出しを意識し、たくさんの例文に触れて口に出してみることです。そうすることで、知識が血肉となり、いざという時に自然な言葉として口から出てくるようになります。この調子で、次の学習ステップへ、一緒に가즈아~!