韓国語の敬語【尊敬語編】完全マスター!「~(으)시~」の使い方から特別な単語、シーン別例文まで徹底解説

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韓国語の敬語【尊敬語編】完全マスター!「~(으)시~」の使い方から特別な単語、シーン別例文まで徹底解説

儒教の文化が色濃く残る韓国では、日本以上に上下関係や相手への敬意が重んじられる場面が多くあります。そのため、韓国語を学ぶ上で敬語の習得は、円滑なコミュニケーションを築き、相手に良い印象を与えるために非常に重要です。「丁寧語は何となく使えるけれど、尊敬語となると難しそう…」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?でも、ご安心ください!この記事を読めば、韓国語の尊敬語の基本から応用まで、しっかりと理解を深めることができます。目上の人との会話やビジネスシーンでも自信を持って話せるよう、一緒に学んでいきましょう。

韓国における敬語の重要性とその背景

韓国社会では、言葉遣い一つで相手に与える印象が大きく変わります。特に、初対面の人、年齢が上の人、役職が上の人、顧客などに対しては、適切な敬語を使うことが礼儀であり、社会人としての常識とされています。この背景には、儒教の教えが深く根付いていることが挙げられます。儒教では、長幼の序(年長者を敬い、年少者を慈しむこと)や、社会的な役割に応じた秩序が重視されるため、言葉遣いにもその精神が反映されているのです。

例えば、ビジネスシーンで相手の役職名に「~님(様)」を付けずに呼んだり、タメ口(パンマル)のようなくだけた言葉遣いをしたりすることは、相手を軽んじていると受け取られかねず、商談や人間関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、家族間であっても、両親や祖父母に対しては尊敬語を使うのが一般的です。これは、日本以上に家族内の上下関係や敬意が言葉に表れる文化と言えるでしょう。

このように、韓国語の敬語を正しく理解し、使いこなすことは、韓国の人々とより深く、良好な関係を築くための鍵となります。難しそうに感じるかもしれませんが、基本的なルールといくつかのポイントを押さえれば、必ずマスターできます。この記事では、その第一歩として、相手を高める表現である「尊敬語」に焦点を当てて詳しく解説していきます。

尊敬語の基本:「~(으)시~」の徹底解説

日本語で「お~になる」や「~れる・~られる」を付けて尊敬の意味を表すように、韓国語の尊敬語の基本となるのが、用言(動詞・形容詞)の語幹に「~(으)시~」という接尾辞を付ける形です。これを使うことで、動作や状態の主体である人物を高めることができます。まずは、この「~(으)시~」の作り方と使い方をしっかりと押さえましょう。

「~(으)시~」の接続ルール:パッチムの有無で変わる形

~(으)시~」を付ける際のルールは、用言の語幹の最後の文字にパッチムがあるかないか、そしてパッチムが「ㄹ」であるかどうかで決まります。

  • 語幹が母音で終わる場合(パッチムがない場合):語幹 + 「~시~
    • 例:가다 (行く) → + 가시
    • 例:보다 (見る) → + 보시
    • 例:예쁘다 (きれいだ) → 예쁘 + 예쁘시
  • 語幹がㄹパッチムで終わる場合:語幹の が脱落 + 「~시~
    • 例:만들다 (作る) → 만드 + 만드시
    • 例:알다 (知る) → + 아시
    • 例:살다 (住む) → + 사시
  • 語幹がㄹ以外のパッチムで終わる場合:語幹 + 「~으시~
    • 例:읽다 (読む) → + 으시읽으시
    • 例:앉다 (座る) → + 으시앉으시
    • 例:좋다 (良い) → + 으시좋으시

このように、パッチムの有無と種類によって形が変わるのがポイントです。最初は少し戸惑うかもしれませんが、多くの単語に触れて練習するうちに自然と身についていきますよ。

韓国語の尊敬語「(으)시」の活用ルールが書かれたノートとペン

韓国語の尊敬語の基本、「~(으)시~」のルールをしっかり覚えましょう。

「~(으)시~」の様々な活用形:平叙文、疑問文、命令文、勧誘文

~(으)시~」を付けた尊敬の形は、さらに様々な文末語尾と組み合わさって、平叙文(~です、~ます)、疑問文(~ですか、~ますか)、命令文(~してください)、勧誘文(~しましょう)などを作ることができます。代表的な丁寧な語尾との組み合わせを見ていきましょう。

1. 平叙文(~されます、~でいらっしゃいます)

  • フォーマルな丁寧語尾「~(스)ㅂ니다」との結合:~(으)십니다 (~(으)심니다)

    ~(으)시~」に「~ㅂ니다」が付くと、「~(으)십니다」となります。非常に丁寧でかしこまった印象を与えます。公的な場や格式の高い場面でよく使われます。

    사장님께서는 지금 회의 중이십니다.

    社長はただいま会議中でいらっしゃいます。

    어머니는 매일 아침 일찍 일어나십니다.

    母は毎朝早く起きられます。

  • やわらかい丁寧語尾「~아/어/여요」との結合:~(으)세요

    ~(으)시~」に「~어요」が付くと、「~(으)셔요」となりますが、現代の韓国語では一般的に「~(으)세요」の形が広く使われます。「~(으)십니다」より少しやわらかく、親しみを込めた丁寧な表現です。日常会話で非常によく耳にします。

    선생님, 요즘 어떻게 지내세요?

    先生、最近どのようにお過ごしですか?

    할아버지께서는 책을 읽으세요.

    おじい様は本を読んでいらっしゃいます。

2. 過去形(~されました、~なさいました)

過去を表す「~았/었/였~」を「~(으)시~」に付けると、「~(으)셨~」となります。これに丁寧な語尾を接続します。

  • ~(으)셨습니다 / ~(으)셨어요

    부모님께서는 어제 부산에 가셨습니다.

    ご両親は昨日釜山に行かれました。

    김 교수님께서 그 논문을 쓰셨어요.

    キム教授がその論文をお書きになりました。

3. 未来・推量形(~されるでしょう、~なさるでしょう)

未来や推量を表す「~(으)ㄹ 것이다」の尊敬形は「~(으)실 것이다」となります。これに丁寧な語尾を接続します。

  • ~(으)실 겁니다 / ~(으)실 거예요

    사장님께서는 내일 출장 가실 겁니다.

    社長は明日出張に行かれるでしょう。

    아마 손님들이 많이 오실 거예요.

    おそらくお客様がたくさんいらっしゃるでしょう。

4. 疑問文(~されますか?、~でいらっしゃいますか?)

疑問形にする場合も、平叙文の語尾を疑問形に変えるだけです。

  • ~(으)십니까? / ~(으)세요?

    회장님, 지금 시간 괜찮으십니까?

    会長、今お時間よろしいでしょうか?

    어디 가세요?

    どこに行かれるのですか?

    어제 영화 재미있게 보셨어요?

    昨日、映画は楽しくご覧になりましたか?

5. 命令文(~してください、お~ください)

相手に何かを依頼したり、促したりする際の尊敬表現です。

  • ~(으)십시오 / ~(으)세요

    ~(으)십시오」は非常にフォーマルで硬い印象、「~(으)세요」はより一般的でやわらかい命令表現です。後者は平叙文の「~(으)세요」と同じ形ですが、文脈で区別します。

    이쪽으로 오십시오.

    こちらへお越しください。

    잠깐만 기다려 주세요.

    少々お待ちください。

    조심히 돌아가세요.

    お気をつけてお帰りください。

6. 勧誘文(~しましょう、~なさいませんか)

相手を誘う際の尊敬表現です。

  • ~(으)십시다 / ~(으)시죠

    ~(으)십시다」はフォーマルな勧誘で、目下の人から目上の人に使うのは少し不自然な場合があります。「~(으)시죠」 (「~(으)시지요」の縮約形) は、相手の意向を伺いつつ誘うニュアンスで、より広く使えます。

    자, 이제 시작하십시다.

    さあ、もう始めましょう。

    다 같이 점심 식사하러 가시죠.

    みんなで昼食を食べに行きませんか。

名詞に対する尊敬表現:「~(이)십니다」「~(이)세요」

名詞に付けて「~でいらっしゃいます」という意味を表す場合は、「~(이)십니다」または「~(이)세요」を使います。ここでもパッチムの有無で形が変わります。

  • 名詞の最後の文字にパッチムがある場合:名詞 + 이십니다 / 이세요

    이분은 저희 회사 사장님이십니다.

    この方は私たちの会社の社長でいらっしゃいます。

    그분은 유명한 화가이세요.

    その方は有名な画家でいらっしゃいます。

  • 名詞の最後の文字にパッチムがない場合:名詞 + 십니다 / 세요

    저희 어머니십니다.

    私の母でございます。

    이분이 바로 김철수 씨세요.

    この方がまさにキム・チョルスさんでいらっしゃいます。

疑問形は「~(이)십니까?」「~(이)세요?」となります。

성함이 어떻게 되십니까? (お名前は何とおっしゃいますか?)

이분이 혹시 박 선생님이세요? (この方がもしかしてパク先生でいらっしゃいますか?)

家族にも使う?韓国における敬語の対象

日本では自分の家族について話す際、謙譲語を使うのが一般的ですが、韓国では親や祖父母、さらには年上の兄弟姉妹に対しても、直接話すときや第三者に話すときにも尊敬語を使うことが一般的です。これは、家族内での年長者への敬意を重視する文化の表れです。

어머니는 식당에서 일하십니다.

母は食堂で働いています。(第三者に母のことを話す場合)

할머니, 저 왔어요. 건강은 어떠세요?

おばあちゃん、私来ました。お元気ですか?(祖母に直接話す場合)

ただし、自分の家族のことを社外の人やお客様など、より敬意を払うべき相手に話す場合は、聞き手への配慮から、自分の家族に対する過度な尊敬表現を避け、少し表現を調整することもあります。このあたりのニュアンスは慣れが必要ですが、基本的には家族にも尊敬語を使うと覚えておくと良いでしょう。

覚えておくと差がつく!特別な尊敬語の単語集

日本語で「言う」の尊敬語が「おっしゃる」、「食べる」が「召し上がる」となるように、韓国語にも「~(으)시~」を付けるだけでなく、単語そのものが特別な形に変わる尊敬語が存在します。これらを覚えて使いこなせるようになると、より自然で洗練された韓国語話者という印象を与えることができます。ここでは、代表的な特別な尊敬語の動詞、名詞、そして助詞を見ていきましょう。

韓国人の教師と生徒が敬語で丁寧に会話しているイラスト

特別な尊敬語彙を使いこなして、より丁寧なコミュニケーションを目指しましょう。

日常会話でよく使う尊敬動詞

以下の動詞は、日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われるため、ぜひ覚えておきましょう。これらの特別な尊敬動詞自体に、さらに「~(으)세요」や「~(으)십니다」といった丁寧な語尾を付けて使います。

基本形 意味 尊敬動詞 意味 例文 (~(으)세요 / ~(으)십니다 形で)
있다 いる、ある 계시다 いらっしゃる 사장님께서는 사무실에 계십니다. (社長は事務所にいらっしゃいます。)
먹다 / 마시다 食べる / 飲む 드시다 / 잡수시다 召し上がる 할아버지, 진지 맛있게 드세요. (おじい様、お食事を美味しく召し上がってください。) ※잡수시다はさらに丁寧度が高い表現ですが、드시다が一般的です。
자다 寝る 주무시다 お休みになる 어젯밤에 잘 주무셨어요? (昨夜はよくお休みになれましたか?) / 안녕히 주무세요. (おやすみなさいませ。)
말하다 話す、言う 말씀하시다 おっしゃる 선생님께서 중요하다고 말씀하셨습니다. (先生が重要だとおっしゃいました。)
주다 与える、くれる 주시다 くださる 사장님께서 선물을 주셨어요. (社長がプレゼントをくださいました。)
아프다 痛い、具合が悪い 편찮으시다 お加減が悪い 할머니께서 요즘 많이 편찮으세요. (おばあ様は最近とてもお加減が悪いです。)
죽다 死ぬ 돌아가시다 亡くなる、お亡くなりになる 그분은 작년에 돌아가셨습니다. (その方は昨年お亡くなりになりました。)
보다 見る 보시다 (基本の尊敬形) ご覧になる 선생님, 이 영화 보셨어요? (先生、この映画ご覧になりましたか?)

※「드리다(差し上げる)」は、主に目下の人が目上の人に何かを「差し上げる」という意味で使われる謙譲語ですが、「会長に感謝申し上げます(회장님께 감사 드립니다)」のように、相手への敬意を表す文脈で使われることがあります。また、「뵙다(お目にかかる)」も同様に謙譲語ですが、目上の人に会うことを敬って表現する際に使います。

人物や所有物を敬う名詞

尊敬する人の年齢、名前、家、食事など、関連する名詞にも特別な尊敬語形があります。

基本名詞 意味 尊敬名詞 意味 例文
言葉、話 말씀 お言葉、お話 사장님의 말씀 잘 들었습니다. (社長のお話をよく伺いました。)
이름 名前 성함 お名前 성함이 어떻게 되십니까? (お名前は何とおっしゃいますか?)
나이 年齢、歳 연세 お歳、ご年齢 할아버지께서는 연세가 많으십니다. (お祖父様はお歳を召していらっしゃいます。)
ご飯、食事 진지 お食事 선생님, 진지 드셨어요? (先生、お食事は召し上がりましたか?)
お宅 사장님 은 어디세요? (社長のお宅はどちらでいらっしゃいますか?)
생일 誕生日 생신 お誕生日 어머님 생신 축하드립니다. (お母様のお誕生日おめでとうございます。)
病気 병환 ご病気 회장님께서 병환으로 입원하셨습니다. (会長がご病気で入院されました。)

特別な尊敬助詞の使い方

助詞にも尊敬を表す形があります。これらを使うことで、より一層丁寧な印象を与えることができます。

  • 主格助詞「~이/가」(~が) → 「~께서

    선생님께서 오셨습니다. (先生がいらっしゃいました。)

    ※「~께서」は「~は」という意味で使われる「~은/는」の尊敬形としても使われます。例:사장님께서는 지금 자리에 안 계십니다. (社長はただいま席にいらっしゃいません。) より厳密には、主題を表す「~께서는」という形があります。

  • 与格助詞「~에게/한테」(~に) → 「~께

    부모님 전화드렸어요. (ご両親にお電話しました。)

    회장님 감사 드립니다. (会長に感謝申し上げます。)

  • 添加の助詞「~도」(~も) → 「~께서도 / ~께도

    사장님께서도 그 의견에 동의하셨습니다. (社長もその意見に同意されました。)

    선생님께도 이 선물을 전해주세요. (先生にもこのプレゼントをお渡しください。)

呼称に「~님」を付けて敬意を表す

人の名前や役職、職業名などに「~님」(様)を付けると、その人を敬う言葉になります。これは日本語の「~様」と似ていますが、より広い範囲で使われます。

  • 役職名 + 사장님 (社長様)、부장님 (部長様)、팀장님 (チーム長様)
  • 職業名 + 선생님 (先生様)、의사님 (お医者様)、간호사님 (看護師様)、기사님 (運転手様)
  • 家族呼称 + (他人に対して自分の家族を敬って言う場合や、相手の家族を指す場合):
    • 아버지 (父) → 아버님 (お父様)
    • 어머니 (母) → 어머님 (お母様)
    • (兄 – 男性が呼ぶ) → 형님 (お兄様)
    • 누나 (姉 – 男性が呼ぶ) → 누님 (お姉様)
    • 오빠 (兄 – 女性が呼ぶ) → 오라버니 / 오라버님 (お兄様 – 少し古風な表現も)
    • 언니 (姉 – 女性が呼ぶ) → 형님 (お姉様 – 義理の姉などに使うことも)
    • 아들 (息子) → 아드님 (ご子息様)
    • (娘) → 따님 (お嬢様)
  • その他:고객님 (お客様)、손님 (お客様)、하느님 (神様)

~님」は非常に便利な敬称ですが、例えば社長を呼ぶ際に「김 사장님 (キム社長様)」のように姓と役職と「」を組み合わせるのが一般的で、フルネームに「」だけを付ける(例:김철수님)のは、顧客対応やオンラインなど特定の状況で使われますが、直接の上司などにはあまり使いません。

団体・機関名に使う「귀~」

会社や学校など、相手の所属する団体や機関名に敬意を表すために、日本語の「貴社」「貴校」のように、韓国語でも名詞の前に「(貴)~」を付けることがあります。これは主に書き言葉や非常にフォーマルなスピーチで使われます。

  • 귀사 (貴社)
  • 귀교 (貴校)
  • 귀원 (貴院 – 病院や研究院など)
  • 귀하 (貴下 – 手紙などで個人宛に使う)

귀사의 무궁한 발전을 기원합니다.

貴社の限りないご発展をお祈り申し上げます。(ビジネスレターなどで)

韓国語の敬語を実際に使ってみよう!シーン別例文集

これまでに学んだ尊敬表現を、実際の会話シーンでどのように使うか見ていきましょう。様々な場面での具体的な例文に触れることで、より実践的な感覚を養うことができます。

韓国のビジネスマンが握手をしているプロフェッショナルなシーン

様々なシーンでの敬語表現を覚えて、実際の会話で活用してみましょう。

初対面の挨拶での敬語

初対面の人には、まず丁寧な尊敬語を使って自己紹介し、相手に敬意を示すことが大切です。

<会話例1:ビジネスシーンでの紹介>

A: 사장님, 이쪽은 새로 입사한 박민수 씨입니다. (社長、こちらは新しく入社したパク・ミンスさんです。)

B (社長): 아, 그러십니까? 반갑습니다. 박민수 씨. (ああ、そうでいらっしゃいますか。お会いできて嬉しいです、パク・ミンスさん。)

C (パク・ミンス): 처음 뵙겠습니다. 박민수라고 합니다. 앞으로 잘 부탁드립니다. 사장님의 말씀은 많이 들었습니다. (初めてお目にかかります。パク・ミンスと申します。これからよろしくお願いいたします。社長のことはかねがね伺っておりました。)

B (社長): 네, 우리 회사에 오신 것을 환영합니다. 앞으로 기대하겠습니다. (ええ、わが社へようこそ。これから期待していますよ。)

<会話例2:知人の紹介>

A: 선생님, 제 친구 이영희 씨를 소개합니다. 영희야, 이분은 제 한국어 선생님이세요. (先生、私の友人のイ・ヨンヒさんを紹介します。ヨンヒ、この方は私の韓国語の先生でいらっしゃるの。)

B (イ・ヨンヒ): 안녕하세요, 선생님. 말씀 많이 들었습니다. 만나 뵙게 되어 반갑습니다. (こんにちは、先生。お噂はかねがね伺っておりました。お目にかかれて嬉しいです。)

C (先生): 네, 안녕하세요. 이영희 씨도 한국어를 공부하세요? (ええ、こんにちは。イ・ヨンヒさんも韓国語を勉強なさっているのですか?)

食事の席での敬語

食事の席では、相手に食事を勧めたり、相手の様子を気遣ったりする際に尊敬語が活躍します。

<会話例1:上司と食事>

A (部下): 부장님, 많이 드십시오. 이 식당 음식이 아주 맛있습니다. (部長、たくさん召し上がってください。このお店の料理はとても美味しいです。)

B (部長): 고맙습니다. 김 대리도 많이 드세요. (ありがとう。キム代理もたくさん食べてください。)

A (部下): 네, 감사합니다. 필요하신 것 있으시면 언제든지 말씀해 주십시오. (はい、ありがとうございます。何か必要なものがございましたら、いつでもおっしゃってください。)

<会話例2:取引先との会食>

A: 사장님, 이쪽으로 앉으십시오. 주문은 뭘로 하시겠습니까? (社長、こちらへお座りください。ご注文は何になさいますか?)

B (取引先社長): 글쎄요, 추천해 주실 만한 메뉴가 있으세요? (そうですね、おすすめいただけるようなメニューはありますか?)

A: 여기 갈비찜이 아주 유명합니다. 한번 드셔 보시겠어요? (こちらのカルビチムが大変有名です。一度召し上がってみませんか?)

B (取引先社長): 좋습니다. 그걸로 하십시다. (いいですね。それにしましょう。)

ビジネスシーンでの敬語

ビジネスシーンでは、報告、連絡、相談、依頼など、あらゆる場面で正確な敬語の使用が求められます。

<会話例1:上司への報告>

A (部下): 과장님, 요청하 자료 준비 다 됐습니다. 지금 확인해 주시겠습니까? (課長、ご依頼の資料、準備が全て整いました。ただいまご確認いただけますでしょうか?)

B (課長): 네, 수고했어요. 책상 위에 놓아주세요. 곧 검토하겠습니다. (ええ、ご苦労様でした。机の上に置いてください。すぐに検討します。)

<会話例2:顧客への連絡>

A (社員): 김민준 고객님, 안녕하세요. XX회사의 박은지입니다. 문의하 내용에 대해 답변드리려고 전화드렸습니다. 지금 통화 괜찮으십니까? (キム・ミンジュンお客様、こんにちは。XX会社のパク・ウンジです。お問い合わせいただいた内容についてご回答しようとお電話いたしました。ただいま通話は可能でいらっしゃいますか?)

B (顧客): 네, 괜찮습니다. 말씀하세요. (はい、大丈夫です。おっしゃってください。)

電話応対での敬語

顔が見えない電話応対では、声のトーンと言葉遣いがより一層重要になります。

<会話例1:電話を受ける>

A: 안녕하십니까. YY주식회사입니다. 무엇을 도와드릴까요? (こんにちは。YY株式会社でございます。どのようなご用件でしょうか?)

B (相手): 네, 안녕하세요. 김철수 부장님 좀 바꿔주시겠습니까? (はい、こんにちは。キム・チョルス部長をお願いできますでしょうか?)

A: 네, 잠시만 기다려주십시오. (少々お待ちください。) … (確認後) 죄송합니다만, 김철수 부장님께서는 지금 회의 중이십니다. 메모 남겨드릴까요? (申し訳ございませんが、キム・チョルス部長はただいま会議中でいらっしゃいます。伝言を承りましょうか?)

B (相手): 네, 부탁드립니다. 박영호라고 전해주시면 감사하겠습니다. 다시 전화드리겠다고 말씀 전해주십시오. (はい、お願いいたします。パク・ヨンホとお伝えいただければ幸いです。改めてお電話するとお伝えください。)

敬語を使う上での注意点とよくある間違い

尊敬語を使いこなすことは大切ですが、使い方を間違えると不自然になったり、かえって失礼にあたったりすることもあります。ここでは、敬語を使う上での注意点や、学習者が陥りやすい間違いについて解説します。

過度な敬語や二重敬語を避ける

相手に敬意を示そうとするあまり、過度に丁寧すぎる言葉遣いや、一つの単語に複数の尊敬表現を重ねる「二重敬語」になってしまうことがあります。例えば、「계시다 (いらっしゃる)」という特別な尊敬動詞に、さらに「~(으)시~」を付けて「계시시다」としてしまうのは誤りです。「계십니다」や「계세요」で十分です。同様に、「말씀하시다 (おっしゃる)」を「말씀하시시다」とするのも間違いです。特別な尊敬語は、それ自体が尊敬の意味を含んでいることを理解しておきましょう。

ただし、「선생님께서 와 주셔서 감사합니다. (先生が来てくださってありがとうございます。)」のように、「오다 (来る) + ~(으)시~ + 주시다 (くださる)」という形で、動作の主体(先生)と恩恵を与える主体(先生)の両方を高める複合的な表現は正しい使い方です。

相手との関係性に応じた敬語の使い分け

韓国語の敬語は非常に段階が細かく、相手との年齢差、社会的地位、親しさの度合いなどによって使い分ける必要があります。誰に対しても最高レベルの敬語を使えば良いというわけではありません。例えば、非常に親しい年上の先輩に対して、あまりにも硬い「~(으)십니다」ばかりを使うと、かえって距離を感じさせてしまうこともあります。そのような場合は、「~(으)세요」や、場合によっては「~(으)시죠」のような、少し柔らかい表現を選ぶ方が自然なこともあります。このあたりの使い分けは経験がものを言いますが、相手の反応を見ながら調整していくことが大切です。

「圧尊法(압존법)」について

伝統的な韓国語の敬語ルールの一つに「圧尊法(압존법)」というものがあります。これは、話の中に登場する人物(Aさん)が、聞き手(Bさん)よりも低い立場である場合、たとえAさんが話者(自分)よりも目上であっても、Aさんに対する尊敬表現を省略するというルールです。例えば、社長(聞き手)に対して、自分の直属の上司である部長(話の中の人物)について話す際、「김 부장이 지시했습니다. (キム部長が指示しました。)」のように、部長に対する「~님」や「~(으)시~」を省略することがありました。しかし、この圧尊法は現代の韓国、特に若い世代の間ではあまり使われなくなりつつあり、むしろ使わない方が自然だと感じる人も増えています。会社や状況によってはまだ残っている場合もあるため、周囲の人の言葉遣いを参考にすると良いでしょう。

謙譲語との混同に注意

尊敬語は相手や第三者を高める表現であるのに対し、謙譲語は自分や自分の側の人を低めることで相対的に相手を高める表現です。例えば、日本語の「参ります(行くの謙譲語)」「拝見します(見るの謙譲語)」のように、韓国語にも謙譲表現があります(例:드리다 – 差し上げる、뵙다 – お目にかかる、여쭙다 – 伺う)。この記事では主に尊敬語を扱っていますが、これらの区別をしっかり意識することが重要です。自分に対して尊敬語を使ってしまわないように注意しましょう。

韓国語の敬語学習をさらに深めるために

尊敬語の基本ルールや単語を覚えたら、次はそれらを実際に使いこなし、さらに自然な表現力を身につけるためのステップに進みましょう。ここでは、敬語学習をより深めるためのおすすめの方法やリソースを紹介します。

おすすめの学習リソース

  • 韓国ドラマや映画、ニュース番組を見る: 実際の会話の中で、どのような立場の人がどのような敬語を使っているのかを観察するのは非常に効果的です。特に、ニュースキャスターやアナウンサー、ドラマの中のビジネスマンや年配の登場人物の言葉遣いは参考になります。気に入ったセリフを書き起こして練習するのも良いでしょう。
  • 敬語に特化した教材や書籍を活用する: 韓国語の敬語表現を専門に扱ったテキストや参考書も出版されています。体系的に学びたい場合や、より詳細なルール、ニュアンスの違いを知りたい場合に役立ちます。
  • 韓国語学習アプリやウェブサイトを利用する: 最近では、インタラクティブに敬語を学べるアプリや、豊富な例文を紹介しているウェブサイトも多数あります。クイズ形式で練習できるものや、音声で発音を確認できるものなど、自分に合ったものを見つけて活用しましょう。

ネイティブスピーカーとの会話練習の重要性

知識として敬語を理解することも大切ですが、最終的には実際に使ってみなければ身につきません。ネイティブスピーカーと会話する機会を積極的に作りましょう。

  • 言語交換パートナーを見つける: 韓国語を母語とする人と日本語を母語とする人がお互いの言語を教え合う言語交換は、実践的な会話練習に最適です。相手の敬語の使い方を参考にしたり、自分の言葉遣いをチェックしてもらったりしましょう。
  • 韓国語教室やオンラインレッスンを受講する: 経験豊富な講師から直接指導を受けることで、より正確で自然な敬語表現を学ぶことができます。ロールプレイングなどを通して、様々な場面を想定した練習ができるのもメリットです。
  • 間違いを恐れずに積極的に使う: 最初は誰でも間違うものです。間違いを恐れて黙ってしまうよりも、積極的に使ってみて、もし間違っていたら訂正してもらう方が上達は早いです。韓国の人々は、外国人が一生懸命敬語を使おうとする姿勢を好意的に受け止めてくれることが多いので、勇気を出して話しかけてみましょう。

敬語の習得は、韓国の文化や人間関係をより深く理解することにも繋がります。焦らず、楽しみながら学習を進めていってくださいね。

まとめ:尊敬語をマスターして円滑なコミュニケーションを

今回は、韓国語の尊敬語について、基本的な「~(으)시~」の使い方から、特別な尊敬語彙、さらにはシーン別の例文や注意点まで、幅広くご紹介しました。覚えることが多くて大変だと感じたかもしれませんが、一つ一つのルールは決して複雑ではありません。基本的なポイントを押さえ、たくさんの例文に触れ、そして何よりも実際に使ってみることが大切です。

韓国語の敬語、特に尊敬語を上手に使いこなせるようになると、目上の方との会話がスムーズになるだけでなく、相手に敬意と配慮の気持ちを伝えることができ、より良好な人間関係を築くことができます。ビジネスシーンではもちろんのこと、日常生活においても、あなたの韓国語コミュニケーション能力を格段に向上させてくれるでしょう。

最初は完璧でなくても構いません。この記事で学んだことを土台にして、少しずつでも意識して尊敬語を使ってみてください。その積み重ねが、必ずやあなたの韓国語をワンランク上のものにしてくれるはずです。この記事が、皆さんの韓国語学習の一助となれば幸いです。ファイティン!

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ソヨン (서연) この記事を書いた人

講師歴20年超、ソウル出身のネイティブスピーカー。延世大学卒業後、明治大学で学ぶ。大阪朱友外語学院、アイザック外国語学校、龍谷大学外国語文化センター等での豊富な講師経験に加え、同時通訳経験も有する。
ネイティブならではの綺麗な標準語の発音指導。初級からビジネス、通訳レベルまで、学習者のレベルと目標に合わせた体系的かつ実践的なレッスン構築。
長年の指導経験に基づき、多くの学習者を目標達成(試験合格、流暢な会話力習得など)に導く。「使える」韓国語を確実に習得させる指導力に定評があり、教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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    言語を向上させるだけでなく、異文化理解にも繋がった。

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