ソウルなどの韓国の都市を訪れると、まず驚くのがコーヒーショップ(カフェ)の多さ!스타벅스 (スタバッkス – スターバックス) や 커피빈 (コピビン – The Coffee Bean & Tea Leaf) といった世界的なチェーン店はもちろん、이디야커피 (イディヤコピ – EDIYA COFFEE) や 메가커피 (メガコピ – MEGA COFFEE) といった韓国発の巨大チェーン、さらには個性あふれる個人経営のカフェまで、まさに「一歩歩けばカフェに当たる」と言っても過言ではないほどです。
韓国ドラマを見ても、登場人物たちがカフェでお茶をするシーンが頻繁に出てきますよね。韓国の人々にとって、カフェは単にコーヒーを飲む場所ではなく、友人とおしゃべりしたり、勉強や仕事をしたり、デートをしたりと、日常に欠かせない大切な空間となっています。
この記事では、そんな奥深い韓国のコーヒー文化の魅力から、カフェでスムーズに注文するための必須韓国語フレーズ、さらには日本人がつまずきやすい「コーヒー」の発音のコツまで、徹底的に解説します!韓国カフェ巡りがもっと楽しくなる情報が満載です。
【韓国カフェ巡り】注文方法から発音まで!韓国コーヒー文化と必須韓国語フレーズ徹底解説
目次
カフェ天国!韓国のコーヒー文化の魅力とは?
なぜ韓国にはこれほど多くのカフェがあり、人々に愛されているのでしょうか?その魅力に迫ります。

街に溢れる多様なカフェ:チェーン店から個性派まで
前述の通り、韓国には驚くほど多様なカフェが存在します。手軽に利用できるリーズナブルなチェーン店、スペシャルティコーヒーを提供するこだわりのカフェ、SNS映えするおしゃれなインテリアやデザートが人気のコンセプトカフェ、勉強や作業に特化したスタディカフェなど、目的や気分に合わせて選べる選択肢の多さが魅力です。
特に近年は、大手チェーンだけでなく、オーナーの個性が光る小規模な個人経営カフェの人気が高まっています。独自のブレンドや抽出方法にこだわったコーヒー、手作りの美味しいデザート、ユニークな空間デザインなどが、多くのカフェ好きを惹きつけています。
ゆったり空間と豊富なメニュー:パッピンス、ワッフルも!
日本のカフェと比較して、韓国のカフェは座席スペースが広く、ゆったりとしたソファ席が用意されていることが多いのも特徴です。長時間滞在して、友人とおしゃべりを楽しんだり、一人で勉強や読書に集中したりするのに適した空間が提供されています。
また、ドリンクメニューだけでなく、フードやデザートメニューが充実しているカフェが多いのも嬉しいポイント。夏には韓国風かき氷の팥빙수 (パッピンス)、冬には見た目も可愛い와플 (ワプル – ワッフル) やケーキなどが定番です。コーヒーと一緒に、あるいはそれ自体を目当てにカフェを訪れる人も少なくありません。
ドラマにも頻出!カフェシーンが描くもの
韓国ドラマにおいて、カフェは単なる背景ではなく、重要な意味を持つ舞台装置として機能することがよくあります。登場人物たちの出会いの場、関係性が進展する場、重要な会話が交わされる場、あるいは一人で物思いにふける場として、カフェは様々なシーンで効果的に使われています。
ドラマに登場するおしゃれなカフェが「聖地」として話題になり、実際に多くのファンが訪れることも。ドラマを通じて、韓国のカフェ文化のトレンドや魅力を知ることもできますね。
韓国コーヒー文化の変遷:ミックスからスペシャルティまで
現在のようなカフェ文化が花開いたのは、実は比較的最近のこと。それ以前の韓国のコーヒー事情は、今とは大きく異なっていました。

国民的飲み物?「커피믹스(コピмиксы – コーヒーミックス)」の時代
1990年代から2000年代にかけて、韓国でコーヒーといえば「커피믹스 (コピмиксы – コーヒーミックス)」が主流でした。これは、インスタントコーヒー、粉末ミルク(クリーマー)、砂糖が1回分ずつ個包装されたスティックタイプの製品です。
お湯を注ぐだけで、甘くてクリーミーなコーヒーが手軽に楽しめるため、家庭や職場、飲食店など、あらゆる場所で広く飲まれていました。お客さんが来た時のおもてなしとしても定番で、多くの韓国人にとって「コーヒー=甘いコーヒーミックス」というイメージが長らく定着していました。
コーヒーミックスの淹れ方と文化的意味
記事原文にもあるように、コーヒーミックスの淹れ方にはちょっとした「お作法」がありました。紙コップにミックスの粉末を入れ、お湯を注いだ後、粉末が入っていた空のスティック袋を使ってかき混ぜるのです。初めて見ると少し驚くかもしれませんが、洗い物を増やさず、手軽に済ませるための合理的な(?)方法として広く行われていました。
コーヒーミックスは、単なる飲み物を超えて、人々が集まる場でのコミュニケーションツールとしての役割も担っていました。仕事の合間や食後に、同僚や友人、家族とコーヒーミックスを飲みながら一息つく時間は、韓国社会における大切な習慣の一つだったのです。現在でも、コーヒーミックスは根強い人気があり、多くの家庭やオフィスで常備されています。
「다방(タбан)」の記憶:レトロな喫茶店と出前文化
コーヒーミックスが普及する以前、あるいは並行して存在したのが「다방 (タбан – 茶房)」と呼ばれる昔ながらの喫茶店です。現在の洗練されたカフェとは異なり、ややレトロで庶民的な雰囲気が特徴でした。
興味深いのは、「다방」にはコーヒーの出前文化があったことです。近隣のオフィスや商店などに、保温ポットに入れたコーヒーを配達してくれるサービスで、時には「아가씨 (Агасси – お嬢さん)」と呼ばれる女性店員が直接届け、短い時間ですが話し相手になってくれることもあったようです(記事原文にあるような、それ以上のサービスを提供するような業態は一部の特殊なケースと考えられます)。今ではほとんど見られなくなった光景ですが、年配の方にとっては懐かしい記憶かもしれません。
近年のカフェブームとスペシャルティコーヒーの台頭
2000年代以降、スターバックスなどの外資系カフェチェーンの進出を皮切りに、韓国では本格的なカフェブームが到来します。若者を中心に、豆の種類や淹れ方にこだわった「원두커피 (Вондукопи – 原豆コーヒー)」、つまりドリップコーヒーやエスプレッソベースのコーヒーを楽しむ文化が急速に広まりました。
現在では、単一産地の豆を使ったスペシャルティコーヒーを提供するカフェも増え、バリスタの技術や知識も向上し、韓国のコーヒー文化は驚くほどのスピードで成熟・多様化を遂げています。
「다방커피」vs「원두커피」:注文前に知っておきたい基本用語
昔ながらの表現と現代的な表現が混在する韓国語。コーヒーの種類を表す言葉も知っておくと便利です。
インスタント?豆?基本的な違いを解説
- 다방커피 (Табанкопи):直訳は「茶房コーヒー」。主にコーヒーミックスのことを指します。単に「믹스커피 (Миксыкопи)」や「인스턴트 커피 (Инсытонты копи)」とも言います。甘くてミルクが入っているのが基本です。
- 원두커피 (Вондукопи):直訳は「原豆コーヒー」。コーヒー豆から淹れたコーヒー全般を指します。ブラックコーヒー(아메리카노 – アメリカーノなど)やカフェラテなどがこれに含まれます。
現代のカフェで注文するのは基本的に「원두커피」のバリエーションですが、食堂などで食後にサービスで出されるコーヒーは「다방커피(コーヒーミックス)」であることが多いです。
会話例で学ぶ使い分け
ソングン氏: 마유미 씨, 식사 후에 커피 한잔 하실래요?
(Маюми сси, Щикса хуэ копи ханджан хащиллэё?)まゆみさん、食後にコーヒーでも一杯どうですか?
まゆみさん: 네, 좋아요. 어떤 커피 있어요?
(Не, чоаё. Оттон копи иссоё?)はい、いいですね。どんなコーヒーがありますか?
ソングン氏: 여기는 셀프인데, 다방 커피랑 원두커피 둘 다 준비되어 있어요.
(Йогинын селпыинде, табан копиранг вондукопи туль да чунбитуэо иссоё.)ここはセルフですが、インスタントコーヒーと豆のコーヒー、両方用意されていますよ。
まゆみさん: 그럼 저는 원두커피로 할게요. 따뜻한 걸로요.
(Кыром чонын вондукопиро халькеё. Ттаттытан коллоё.)では私は豆のコーヒーにします。温かいので。
実践!韓国カフェでの注文完全ガイド【フレーズ&会話例】
いよいよ、カフェでの注文に挑戦してみましょう!基本的な流れと役立つフレーズをご紹介します。

入店から着席まで:呼び出しベルシステム
多くの韓国のカフェやファストフード店では、注文後に番号札の代わりに振動する呼び出しベル(진동벨 – Чиндoнбэль)を渡されます。注文した商品が出来上がると、ベルが光って振動したり音が鳴ったりして知らせてくれるので、それを持ってカウンターに取りに行くシステムです。席で待っていられるので便利ですね。
基本の注文フレーズ:「~ 주세요 (~チュсеё)」
注文の基本は「(商品名) + 주세요 (チュсеё – ください)」です。丁寧にお願いする場合は「(商品名) + 주시겠어요? (チュщигессоё? – いただけますか?)」と言います。
- 아메리카노 한 잔 주세요. (Америккано хан джан чусеё) – アメリカーノを一杯ください。
- 카페라떼 두 잔 주시겠어요? (Кхапхератте ту джан чущигессоё?) – カフェラテを二杯いただけますか?
※数字の「一つ、二つ…」は固有数詞の 하나(ハナ), 둘(トゥル), 셋(セッ), 넷(ネッ)… を使いますが、助数詞(杯:잔(チャン)など)が付く場合、하나→한, 둘→두, 셋→세, 넷→네 のように形が変わることが多いので注意しましょう。
ドリンクの種類とサイズ:メニューの読み方
主なコーヒードリンクの韓国語名をいくつか覚えておくと便利です。
- 아메리카노 (Америккано):アメリカーノ(ドリップコーヒーに近いブラックコーヒー)
- 카페라떼 (Кхапхератте):カフェラテ
- 카푸치노 (Кхапхучхино):カプチーノ
- 카라멜 마키아또 (Кхарамель Макиатто):キャラメルマキアート
- 카페모카 (Кхапхемока):カフェモカ
サイズは「사이즈 (Саиджы)」と言います。店員さんから「사이즈는 어떤 걸로 하시겠어요? (Саиджынын оттон колло хащигессоё? – サイズはどうされますか?)」と聞かれたら、以下のように答えましょう。
- 작은 걸로 주세요. (Чагын колло чусеё):小さいのでください。(Small)
- 중간 사이즈로 주세요. (Чунгган саиджыро чусеё):中間のサイズでください。(Medium/Regular)
- 큰 걸로 주세요. (Кын колло чусеё):大きいのでください。(Large)
- 레귤러 사이즈로 주세요. (Регюлло саиджыро чусеё) : レギュラーサイズでください。
温度の伝え方:「뜨거운 것/차가운 것」「따뜻하게/시원하게」
ホットかアイスかを伝える表現です。
- ホット:뜨거운 것 (ттыгоун кот – 熱いの) / 따뜻한 것 (ттаттытан кот – 温かいの) / 따뜻하게 해주세요 (ттаттытаге хэджюсеё – 温かくしてください)
- 例:따뜻한 아메리카노 주세요. (Ттаттытан америккано чусеё) – 温かいアメリカーノください。
- アイス:차가운 것 (чхагаун кот – 冷たいの) / 시원한 것 (щиуонан кот – 涼しいの/冷たいの) / 차갑게 해주세요 (чхагапке хэджюсеё – 冷たくしてください) / 아이스 (аисы – アイス)
- 例:아이스 카페라떼 주세요. (Аисы кхапхератте чусеё) – アイスカフェラテください。
- ※年配の方は냉커피 (Нэнкопи – 冷コーヒー) と言うこともあります。
濃さの調節:「진하게/연하게 해주세요 (чинаге/йонаге хэджюсеё)」
コーヒーの濃さを調節したい場合は、「진하다 (чинада – 濃い)」「연하다 (йонада – 薄い)」を使います。
- 좀 진하게 해주세요. (Чом чинаге хэджюсеё):少し濃くしてください。
- 연하게 해주세요. (Йонаге хэджюсеё):薄くしてください。
- 샷 추가해 주세요. (Шят чхугахе джюсеё):ショットを追加してください。(エスプレッソショットを追加して濃くする場合)
カスタマイズやテイクアウトの頼み方
- シロップ抜きでお願いします。:시럽 빼고 주세요. (Щироп ппэго чусеё)
- ホイップクリームは少なめでお願いします。:휘핑크림은 조금만 주세요. (Хüипинкхыримüн чогымман чусеё)
- 持ち帰りです。:테이크 아웃이요. (Тхеикхы аущиё) / 가져갈 거예요. (Каджёгаль ккойеё)
- ここで飲みます。:여기서 마실 거예요. (Йогисо мащиль ккойеё) / 매장에서 먹고 갈게요. (Меджанъесо мокко калькеё)
会話例:カフェでの注文シミュレーション
店員: 어서 오세요. 주문 도와 드릴까요?
(Осо осеё. Чумун тоwа тырилккаё?)いらっしゃいませ。ご注文お伺いしましょうか。
あつこさん: 네, 아이스 카푸치노 한 잔 주세요. 작은 사이즈로요. 아, 그리고 좀 연하게 해주세요.
(Не, аисы кхапхучхино хан джан чусеё. Чагын саиджыроё. А, кыриго чом йонаге хэджюсеё.)はい、アイスカプチーノを一杯ください。小さいサイズで。あ、それと少し薄めにしてください。
店員: 네, 아이스 카푸치노 스몰 사이즈 연하게요. 혹시 다른 건 필요 없으세요?
(Не, аисы кхапхучхино сымоль саиджы йонагеё. Хокщи тарын кон пхирё опсысеё?)はい、アイスカプチーノのスモールサイズ、薄めですね。他に何か必要ありませんか?
あつこさん: 괜찮아요. 여기서 마실 거예요.
(Куэнчханаё. Йогисо мащиль ккойеё.)大丈夫です。ここで飲みます。
店員: 네, 5,000원입니다. 진동벨 드릴게요. 울리면 찾으러 오세요.
(Не, очхонуонимнида. Чиндoнбэль тырилькеё. Уллимён чхаджыро осеё.)はい、5,000ウォンです。振動ベルをお渡しします。鳴りましたら取りに来てください。
(しばらくしてベルが鳴る)
店員: 주문하신 아이스 카푸치노 나왔습니다. 맛있게 드세요!
(Чумунхащин аисы кхапхучхино наwассымнида. Мащитке тысеё!)ご注文のアイスカプチーノです。美味しく召し上がってください!
【要注意】「コーヒー」の発音が難しい?「커피 (コピ)」vs「코피 (コピ)」
韓国語で「コーヒー」は「커피 (コピ)」ですが、この発音が日本人学習者にとっては少し厄介です。なぜなら、日本語の「コピ」に近い発音をすると、韓国語では「코피 (コピ) – 鼻血」という意味になってしまうからです!
日本人が間違いやすい「ㅓ」の発音
問題は「커」の母音「ㅓ (オ)」の発音です。これは日本語の「オ」とも「ア」とも違う、曖昧な母音です。口を半開きにして、喉の奥から「オ」と「ア」の中間のような音を出すイメージです。舌はリラックスさせて、口の中のどこにも触れないようにします。
一方、「코」の母音「ㅗ (オ)」は、唇を丸く突き出して発音する、はっきりとした「オ」の音です。日本語の「オ」に近いのはこちらです。
つまり、コーヒー「커피」の「커」は曖昧な「オ(アに近い)」、鼻血「코피」の「코」ははっきりした「オ」となります。
発音のコツと練習方法
- 口の形を意識する:「ㅓ」は口を半開き(縦に少し開ける感じ)、「ㅗ」は唇を丸く突き出す。
- 音を聞き比べる: ネイティブの発音をよく聞いて、「ㅓ」と「ㅗ」の音の違いを耳で覚える。
- 他の単語で練習する:「ㅓ」が含まれる他の単語(例:어머니 (オモニ – お母さん), 언제 (オンジェ – いつ))と、「ㅗ」が含まれる単語(例:오이 (オイ – きゅうり), 오늘 (オヌル – 今日))を発音し比べてみる。
- 録音して確認する: 自分の発音を録音して聞いてみると、客観的に違いを確認できます。
最初は難しいですが、意識して練習すれば必ず区別できるようになります!
自信がない時は?指差し注文もOK!
もし発音に自信がなくても大丈夫!メニューを指差しながら「이거 주세요 (イゴ チュсеё – これください)」と言えば、ちゃんと注文できます。無理に完璧な発音を目指すよりも、まずはコミュニケーションを楽しむことが大切です。
店員さんも、外国人が一生懸命韓国語で注文しようとしている姿を見れば、親切に対応してくれるはずです。もし英語などで話しかけられても、勇気を出して「한국말로 해 주세요 (Хангукмалло хэ джюсеё – 韓国語で言ってください)」とお願いしてみるのも、良い練習になりますね。
まとめ:韓国カフェをもっと楽しむために
今回は、韓国の活気あふれるコーヒー文化と、カフェで役立つ韓国語表現、そして少し厄介な「커피」の発音について詳しく解説しました。
かつてのコーヒーミックスや「다방」の時代から、現在の多様なカフェ文化へと、韓国のコーヒー事情は目覚ましい変化を遂げてきました。カフェは単なる飲み物の提供場所ではなく、人々の生活に溶け込んだコミュニケーションと文化の空間となっています。
この記事で紹介した注文フレーズや発音のコツを参考に、ぜひ韓国のカフェで実際に韓国語を使ってみてください。最初は緊張するかもしれませんが、勇気を出して話しかければ、きっと温かく迎えてくれるはずです。言葉が通じる喜びは、カフェでのひとときをさらに特別なものにしてくれるでしょう。
おしゃれなカフェの雰囲気、美味しいコーヒーやデザート、そして韓国語でのコミュニケーション。これらすべてを楽しみながら、韓国カフェ巡りを満喫してくださいね!