韓国のスポーツエリート主義:勝利への道

  1. 日常会話で覚える韓国語

日本の人口は韓国の2倍以上。ところがスポーツの世界のメダルの数を見てみると、あれっと思うことがありませんか?

優秀なスポーツ選手を生み出す韓国では、どうやって選手を育成するのか気になりますね。

韓国のスポーツエリート主義:勝利への道

日本の人口は約1億2000万人、対する韓国は約5000万人。

『日本は人口が多いのにどうしてメダリストがそんなにいないんだろうねぇ。』

これはオリンピック時に韓国の義母が発した言葉。

相手が日本だとほかの国以上に敵対心を見せ、愛国心をあらわにしてくるようです。

そんな反応にもう慣れっこな私は軽く聞き流すことができるのですが、実際、野球、サッカー、ゴルフにスケートと韓国選手の活躍を容易に目にすることができるのも事実です。

少年が技術と正確さで野球のバットを振っています。

少年が技術と正確さで野球のバットを振っています。

日本と韓国の小学生

小学校からエリートスポーツ主義

日本では文武両道という言葉があるように、小学生のうちから勉強とスポーツは両立していくことが一般的です。

対する韓国はエリートスポーツ主義と呼ばれるように、子供のうちにスポーツに才能があることを見い出されれば、勉強はそっちのけでスポーツに専念するような仕組みとなっています。

野球の世界

例えば韓国は野球も強い国ですが、野球部のある高校が日本では約4000校であるのに対し、韓国は約50校しか存在しません。

これは野球の能力が高いと見込まれた選手のみがそういった学校に進学し、プロ入りを目指すトップアスリート予備軍として構成されることになるからです。

趣味で野球を楽しむ学生がそういった高校に進学することは皆無なのです。

小さい頃から将来の道を決定して専門のトレーニングを受けることにより、韓国人が各スポーツ界で良い成績を収めることには成功したようです。

アジア大会以上の大会でメダルを取ると兵役が免除になるという制度も一役かっているのかもしれません。

エリート主義の弊害

ただこういったエリート少数スポーツ主義には様々な支障も出てきているんです。

それは子供の時から勉学をおろそかにしてスポーツに集中してきたため、怪我等でその道が阻まれた際、スポーツからだけでなく社会からドロップアウトしてしまうこと。

また韓国トップクラスのレベルアップには適しているが底辺は拡大しない、つまり全てのスポーツ人口を高め後に続く選手を輩出することが難しいということです。

韓国語で会話 

선생님: 지민아 너 운동부냐? 어떻게 이런 점수가 나올 수가 있니?

先生: ジミン、お前は運動部か。 どうしたらこんな点数が取れるんだ。

학생: 샘. 너무 하시네요. 전 매일 수업을 잘 듣는 모범학생인데..

学生: 先生、ひどいですね。僕は毎日授業をちゃんと聞いている模範生ですよ。

선생님: 수업만 잘 들으면 뭐해! 시험도 잘 봐야지. 수업도 안 듣는 축구부 태랑이가 너보다 점수가 더 좋다. 어떻게 된 거야? 반성해야겠다.

先生: 授業だけちゃんと聞いててどうするんだ。テストでもいい点を取らなきゃ。授業も聞かないサッカー部のテランがお前より点数がいいぞ。どうなってるんだ。反省しなきゃな。

너 운동부냐(ノ ウンドンブニャ)部活をしている学生はスポーツのエリートなので勉強はほとんどしないようです。

だから学生の成績が悪ければ先生が冗談でこのように聞くことがあるらしいですよ。

(セン)先生の略です。とても仲の良い先生にのみ使用可能な略語です。

スポーツで日韓歩み寄り

野球にしろサッカーにしろ日韓戦は韓国で大人気です。その盛り上がりはほかの国の比ではありません。

機会があれば日本にいる韓国の友達と一緒に日韓戦を観戦してみてください。

私たちは日頃あまり感じることのない愛国心を感じることになると思いますし、勝負の最後にはお互い相手の国を称えることになると思います。そうして一歩一歩歩み寄っていくことが大切ですよね。

韓国の部活スポーツ事情

韓国では、中学や高校での部活動がありません。日本では当たり前に思う部活動ですが、韓国ではなかなか見られない光景です。

では、韓国の子供たちは放課後に何をやっているのでしょうか。

韓国には部活動がない?

韓国語で部活動は、동아리(トンアリ)といって、希望のグループに入って活動を行います。大体が授業時間に組み込まれていることが多いので、日本の小学校で行われるクラブ活動と似た感じですね。

韓国にも放課後に行う部活動もあるにはあるのですが、日本の部活動に比べると参加している学生数も少なく小規模であるため、ないに等しいといえます。

どうして部活動がないの?

なぜ、韓国では部活動が一般的ではないのでしょうか。

考えてみるとやはり、韓国が学力至上主義の国だからかもしれません。部活動によって実質的に勉強する時間が減るので、保護者からもあまり好まれないようです。

また、部活動の運営により、学校の先生の負担が増えるという理由もありそうです。

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韓国の放課後の過ごし方

では、部活がない韓国の学生は放課後に何をしているのでしょうか。

放課後学校

学校の放課後の時間に、校内で行われる授業があります。これを방과후학교(バンガフハッキョ、放課後学校)といいます。

学校によって変わりますが、主に小学校では学校外の業者が入っていろいろなカリキュラムを運営します。

音楽や美術、科学、料理などいろいろな授業があるので希望のコースの費用を払って受講することができます。

一番多いのは、やはりこちら。学校が終わったら、学生たちは各自、通っている확원(ハゴン、塾)に行きます。

日本の習い事と同じような位置づけで、小学生ならピアノやテコンドー、美術、水泳、サッカーなど日本と似たような感じです。

学年が上がって来ると、ほぼ学習系が中心となり、英語塾に数学塾、勉強全般を見てくれる学習塾の공부방(コンブバン)などに通っている学生が多くなります。

また、自宅に先生が来てくれる家庭教師の과외(課外)を受けている生徒も多いです。

PCバン

いくら学力主義の韓国といえ、みんながみんな勉強だけをしてるわけではありません。やはりゲーム大好きな子供たちはPCバンにもよく行っているようです。

PCバンとはいわゆるネットカフェで、インターネットの速度が早く、友達と対戦ゲームをしたり、軽食を食べたりと若者に人気です。

韓国では部活動がないので、個人で関心のある習い事や塾に通っている学生の割合が多いです。

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アルバイトする高校生は少数派

ちなみに韓国の高校生がアルバイトをしているのは、ほとんど見かけません。韓国では塾や習い事で忙しい子供たちが多いため、アルバイトをする時間はないようです。

もっぱら、アルバイトは大学入学後という風潮です。韓国では、部活もアルバイトも、勉強する時間を減らしてしまうため、とんでもないということでしょうか。

韓国の学校にも昔は部活動があったようですが、大学の入試制度が変更され、勉強第一という傾向が高まるにつれて、廃止されてしまったようです。

学生時代に友達と力を合わせて部活動をがんばったり、アルバイトをしてお小遣いを稼いだりという経験も大事だと思いますが、受験戦争の韓国ではなかなか難しいようです。

韓国語会話

A:今日、学校の後何するの?

오늘 학교 끝나고 뭐 해?

B:今日は英語塾に行かないと。

오늘은 영어학원에 가야 돼…

A:塾行く前にトッポッキでも食べようよ…

학원 가기 전에 떡볶이라도 먹자!

B:いいね!

좋아!

まとめ

日本では学生生活のメインともいえる部活動ですが、韓国の学生は遊んだり部活をしたりする時間を惜しんで勉強をがんばっているんですね。

それだけ大学入試や学歴についての熱量が違うということかもしれませんね。

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