国によってお酒の飲み方と言うのは色々です。
日本では会社の飲み会などでのお酒の強要なども見られなくなってきていますが、お隣の韓国ではどんな様子なのでしょうか?
韓国人とお酒
感情表現のへたな女の子が、ビンから直接お酒をごくごく飲んで「ちょっと肩貸してよ!」と恋人にくだを巻く場面をドラマでよく目にします。
このようなドラマの一場面は、どこででもお酒を買うことができ、いつでもお酒を飲むことができ、お酒のせいで犯した失敗にある程度目をつぶってもらえる韓国の酒文化の一端を示していると言えるでしょう。
お酒の席というと、くたびれた日常からの「唯一の脱出口」という言葉が思い浮かびます。
ストレスの解消にもなるし、仕事の延長線として、よりスムーズに仕事を進めることのできる突破口がお酒の席なんですね。
大学生とお酒
社会人だけでなく、韓国の大学生にとっても「酒」は大学生活の一部分だといっても過言ではありません。
では、なぜ大学生活でお酒が必要なのでしょうか?
第一に、お酒が12年に及ぶつらい義務教育から脱出し、自分なりの自由を満喫できる最高の解放感の象徴だからです。
第二に、人が集まる場所をつくるという意味をもっているから。
お酒の前で、またお酒を通して、みなが兄、弟、家族になる。すなわち、個人的な大学文化の中においても、集団性を求める時の必須要素がお酒なのですね。
私が大学の新入生だった頃は、サークルに入ろうと思ったら、別名「申告式」と言われる儀式がありました。
私自身も先輩が冷麺の器についでくれたマッコリを気合いで一気飲みした記憶があります。
集団の飲み文化
韓国の飲み文化は、集団で酒を酌み交わす文化です。
西洋人は飲み屋であれ、家であれ、ひとりでお酒を楽しむ傾向が強いですね。
手酌文化のよいところは、他人や集団の雰囲気で飲むのではなく、自分である程度の節制やコントロールがきく点です。
一方、集団で酒を酌み交わす文化のよい点は、家でひとりで飲むことがほとんどないことです。
お酒を飲む動機が個人の内部にあるというよりは、外部要因にあり、また内部の動機によってお酒を飲みたい時は、一緒に飲む人を探し、探してもいなければトボトボと家路につくことになります。
そのため、習慣的な中毒者が西欧に比べてあまり多くありません。
飲み文化の注意点
しかし悪い点は、雰囲気に流されて飲みすぎたり、暴飲してしまうことです。
さらに悪いことは、お酒を飲みたくない時も、周りの人の勧めや強要によってお酒を飲んでしまうという点ですね。
また、韓国人は1度酒を飲み始めると、酔うまで我を忘れて飲まなければなりません。
酒の席でのある程度の失敗や酒癖の悪さは、みな理解し、見逃してくれる傾向が強いようです。
事実、現実的に韓国の酒文化では否定的な側面が数多く取り上げられています。
それは、お酒を楽しむ酒の席自体が外的要因によって歪曲、変質しているということを意味します。
いい気分で酒の席をともにしたものの、
人の命まで奪うほど飲んでしまう酒
酒の過消費による社会経済的な損失
酒について回る退廃享楽的な文化
陰湿な裏取引が行われる場所
飲み方にさえ染みついている権威主義的な軍隊文化の残滓
等、その例は枚挙にいとまがありません。
韓国語表現 その1
우리의 사랑을 위해 건배! (ウリエ サランル ウィヘ コンベ!)- 俺たちの愛のために乾杯!
아휴~닭살 돋아 (アヒュ~ タクサル トダ)-ひぇ~鳥肌たつ
会話
성광: 우리 건배하자.(ウリ コンベハジャ)
ソンガン: 乾杯しよう。
미례:무엇을 위해 건배할까?(ムオスル ウィヘ コンベハルカ)
ミレ: 何のために乾杯しようか?
성광: “우리의 사랑을 위해!” 어때?(ウリ エ サランル ウィヘ オッテ)
ソンガン:「俺たちの愛のために!」どう?
미례: 아휴~닭살 돋아.(アヒュ- タクサル トダ)
ミレ: ひぇ~鳥肌たつ
韓国語表現 その2
会話
성광: 그 남자 그렇게 술이 약했나요?
ソンガン: 彼ってそんなにお酒が弱かったっけ?
미례:여자들 흑기사가 되어줘서 많이 마셨잖아.
ミレ: 女性たちの黒騎士になってたくさん飲んだじゃないか。
성광:갈지자 걸음으로 걸어 가던데, 놔두고 가도 괜찮을까요?
내 술도 몇번 마셔주었으니, 다음엔 내가 흑장미가 되어줘야 겠네요.
ソンガン:千鳥足で歩いているのに置いて行って大丈夫?
私のお酒も何回か飲んでくれたから、今度は私が黒バラになってあげなきゃ。
まとめ
갈지자 걸음(カルチチャ コルㇺ)とは千鳥足で歩くこと。
千鳥足の千鳥という鳥は、指が前3本のみで後ろ指がないためよろめいた歩き方をすることから酔っ払いのフラフラした足取りを比喩した言葉だそうですが、韓国語の갈지자にはそういった意味はなく、ジグザグという意味になります。
みなさんも飲みすぎてカルチチャ コルㇺにならないよう気を付けてくださいね。