韓国のシャーマン、ムダンと謎の卍の旗:その歴史と文化

  1. 韓国歴史・文化

世界には理屈で説明できないことが多々あります。

韓国のシャーマニズムである무당(ムダン)もその1つ。

日本でいうイタコと少し似ていて、善霊、悪霊と直接通じ、人間と神の間を結んでくれる仕事のことを職業的にいう言葉です。韓国のシャーマンであるムダンと密接に関係している卍の旗について説明します。その意味、歴史、そしてなぜ韓国の特定の地域で見られることが多いのかを探ります。

韓国のシャーマン、ムダンと謎の卍の旗:その歴史と文化

韓国で卍の旗

筆者が以前住んでいた地域にもムダンの家はたくさんありました。

卍(まんじ)が書かれた旗や色とりどりの布が家の周りにぶら下がっていて明らかに周囲とは違っていたのでよく覚えています。

実際、ソウルより仁川(インチョン)地域に多いようで、その理由は港町で命を懸けて仕事をする漁師が多いため

その運命や天候を占うことが多かったからだそうです。

世襲制のムダン

ムダンは基本的には世襲制のようで、

ほとんどの場合は親からその術を引き継ぎ苦行をすることによって神との交信が可能になります。

それとは別に稀に降神体験を通じてムダンになる人もいるらしく

ある人は神が目に降りてきてしまい、ひどく痛く長い間苦痛であったが

別のムダンからそのことを指摘され、ムダンが行う儀式を目にすることで急に踊り、跳ね始めた。

それ以降苦痛がなくなり自分はムダンとして生きていくことになった。と言います。

いずれにしろムダンは剣の刃の上を裸足で歩くようなことが出来、そのようなことが簡単に出来るのがムダンとしての能力が高い証だと言われています。

霊魂結婚式

韓国では結婚、進学や引っ越しなど人生の節目には

ムダンを利用したりするようですが、特異なものとして영홍결혼식(ヨンホンキョロンシッ/霊魂結婚式)というものがあるんです。

これは結婚せずに亡くなった男女に死後の世界で寂しくないように夫婦の契りを結ばせる儀式で、結婚に特別な意味を置いてきた儒教国家、韓国で昔から行われてきた風習だそうですよ。

韓国のスターに差し伸べる人の手。

では今日の会話です。

会話

미혼자: 아 결혼 하고 싶다. 사주나 한번 보러 갈까?

 기혼자: 난 그런 것 안 믿어. 엉터리 겠지.

 미혼자: 멋진 남편과 예쁜 딸이 있으니까 너한테는 필요 없네.

 기혼자: 그래. 난 행복해.

 미혼자: 너 팔자가 좋다.

未婚者: あ~ 結婚したいなぁ。四柱でも一度見てもらおうかな。

既婚者: 私はそんなの信じないな。でたらめでしょう。

未婚者: かっこいい旦那さんとかわいい娘さんがいるから、あなたには必要ないね。

既婚者: そうそう。私幸せだもの。

未婚者: いい星の下に生まれたのね。

사주(サジュ/四柱)とは人間を一つの家であると考え、

生まれた年、月、日、時間を4つの柱に例え、それに干支から8文字を組み合わせてみる占いの一種です。

8字組み合わせるため팔자(パルチャ/八字)ということもあり、

팔자は運命という意味でもあるんです。

最後の会話文、팔자가 좋다(パルチャガ チョッタ)もまさしく運命という意味であり、生まれながらに幸せな運命なんだねということで会話によく出てきますよ。

まとめ

いかがでしたか。

世界にはそれぞれ民間信仰がありますが、韓国のそれも興味深いですよね。

観光の際にも気軽に見てもらえるようですから一度体験されても面白いかもしれません。

くれぐれも엉터리 무당には気をつけてくださいね。

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